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4. サプライチェーンタグ:ISO 17363(審議中)の概要
(ISO/DIS 17363 2005-10-21 RFIDのサプライチェーンへの適用−貨物コンテナ)
 本規格は、サプライチェーン管理目的のために貨物コンテナに取り付けるRFID技術に基づく貨物輸送タグの利用法を定義しています。国際コンテナに関わる自動識別規格(ISO 10374)と電子シール規格(ISO18185)との両立性を確保するための規格です。
 
4.1 全体構成
1)適用範囲
2)適合性及び性能仕様
3)引用規格
4)用語及び定義
5)概念
永続コンテナ「ライセンスプレート」タグ
貨物輸送に固有な(CSS)タグ
コンテナ電子シール
個品タグ
6)レイヤ内の区別
7)データの内容(必須データ、任意データ)
8)データセキュリティ
9)タグの位置
10)CSSデータのプライバシー
 
4.2 関連規格
1)エアインタフェース及び通信プロトコル規格:ISO/IEC 18000
2)コマンドとメッセージ:ISO/IEC 15961及び15962
3)セマンティクス:ISO/IEC 15418
4)シンタクス:ISO/IEC 15434
 
4.3 永続的コンテナ「ライセンスプレート(license-plate)」タグ:
 このタグ(以下「コンテナタグ」という)は、ISO 10374、Freight Containers - RF automatic Identificationで詳細に説明されており、永続的に取り付けられ、読み取り専用(1回だけ書き込み可能な光ディスクのライトワンス(WORM)を含む)タグです。このタグには、取り付けられているコンテナの物理的識別及び説明のみに関連する限られたデータが記されています。コンテナの所有者又はその代理人が取り付けるこのタグは、取り付けられたコンテナの寿命期間、存続すべきものである。(コンテナの所有者及び/又は装置IDが変更される場合を除く)
 
4.4 貨物輸送特定(Cargo Shipment-specific)タグ:
 本国際規格で詳細に説明し、以下「輸送タグ」というこのタグは、コンテナ内の貨物輸送に固有なデータを保存できる読み取り/書き込みタグです。タグと、タグにアップロードされるデータは、荷送人の責任です。
 荷送人、又は荷送人の指示に従って、コンテナの積載(「詰め込み」)を物理的に実施する当事者が、タグをコンテナに添付することができます。
 データ容量には柔軟性があり、荷送人の判断により、宛先、経路、輸送機関、又はその他の輸送情報、貨物情報(該当する場合は危険物情報を含む)、又はその他の輸送に固有な情報を保存することができます。
 タグは、コンテナの積載地点から、引き渡し先まで性能の信頼性を維持しなければならず、最終引き渡し時に荷受人によって取り外される。タグは再利用も可能です。
 
4.5 通信規格
 本国際規格で指定するのは、ISO/IEC 18000-7 Information technology automatic identification and data capture techniques - Radio frequency identification for item management air interface - Part 7: Parameters for an active RFID air interface communications at 433MHzの国際規格を使用したアクティブな無線周波数の識別通信のためのエアインタフェースと通信パラメタです。
 
4.6 対象コンテナ
 本規格は、ISO 668で定義される貨物コンテナと、その他のISO規格で定義されていない貨物コンテナに適用されます。
 
4.7 規格の位置づけ
 本規格は、ISO 10374, Freight containers - RF automatic identification for container tagsを補足します。本国際規格は、サプライチェーン用途のセンサーなど、貨物コンテナに張り付けられ、又はその内部に取り付けられる「スマート(smart)」コンテナ技術は扱いません。このような事項は、本規格の将来の見直し作業で取り扱う予定です。
 
4.8 輸送タグの読取条件
1)10m以内で通信可能
2)時速50km/h以内での移動体識別
 
4.9 輸送タグの位置、動作環境
ISO 10374準拠(近傍)
 
4.10 輸送タグの最低メモリ量
256バイト
 
4.11 電源不足表示
 60日間の輸送または1回輸送で最低20回の読取りに十分な電力の有無を表示する残り電池寿命を表示できる電池寿命カウントダウン・タイマーを備えます。
 
4.12 信頼性
1)99.99%以上の読み取り信頼性(10,000回の読み取り当たり読み取りエラーが1回以下)
2)99.998%の読み取り精度(100,000回の読み取り当たり検出されない読み取りエラーが2回以下)
 
5. インターモーダル(海空と陸上輸送の連携)タグ
5.1 概要
 ISO/TC204/WG4は、車両自動認識(AVI)/積載貨物自動認識(AEI)を対象とし、車両(Vehicle)及び積載貨物(Equipment)をタグなどのSimpleな媒体で自動認識するシステムであるAVI/AEIについて、システム間の相互運用(インタオペラビリティ)に必要な事項の標準化を担当しています。
 発足当初はトラックなど陸上運輸を対象とする標準化テーマの審議から始まり、その後、航空機、船舶など異なる運輸手段を経由するインターモーダルAVI/AEIシステムを標準化テーマに追加しました。
 さらにWG4は当初特定アプリケーションを想定した規格の審議を目的としていなかったが、2001年から、環境保全を目的とするAVI/AEI応用システムとしてのERI(Electronic Registration Identification)規格の審議がCEN側提案により始まり、ISOとしても正式審議項目として制定されました。
 
5.2 陸運及び交通テレマティクス 車両及び機器の自動識別
・ISO/TS 14815 システム仕様
・ISO/TS 14816 番号付け及びデータ構造(2000年規格)
 14815は、データ構造を、ASN.1(ISO8824/8826)に従ってタグT、型L、値Vに分け、タグTは8桁とし、その内訳は、クラス2桁、基本・構造型の別1桁、識別番号(CSI: Coding Structure Identifiers)6桁としています。システムオペレータは所要のCSIを選択、追加することができます。CS1、CS2及びCS8については、コードの管理、登録方式が別途定められています。
 
5.3 車両及び機器の自動識別―複合一貫輸送
・ISO/TS 17262 番号付け及びデータ構造(2003年規格)
 17262は14816のCSIを含んでいます。
 複合一貫輸送用として、時刻、位置、機器番号、タグ内の電源状況を追加しています。


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