(3)火傷
知的理解面の発達障害のため、やってはいけないことが判断できず、ヤカン類に手をつけたり、熱いお茶をこぼしたり、時にはストーブをひっくり返したりといった事故発生につながることがあります。反射や運動発達障害がある場合も同様です。火傷に対する応急手当ての仕方は、どんな事故で、どの程度の火傷を負ったかによって違ってきます。中には、やってはいけない処置もあります。どの程度の火傷であるかの見分け方と、応急手当ての仕方、病院のかかり方を図1-26にまとめて示してあります。参考にして下さい。
図1-26 やけどの見方・応急手当ての仕方
適切な応急手当てによって、程度が軽くなったり、火傷の範囲が広くならずにすみますので、正しい処置の方法をぜひ覚えて下さい。
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(1)きれいな冷水(水道水でよい)で、やけどの部分をできるだけ(20〜30分)冷す。
(2)第一度のやけどの場合は、そのままにしておくか、ガーゼを当て、軽く包帯をしておけばよい。
(3)第二度、第三度の場合は、水ぶくれはできるだけつぶさないようにする。やけどの部分にガーゼを当て、包帯をして病院につれていく。やけどの部分に軟膏や油類を塗るのは厳禁。
(4)やけどの範囲が広い場合(体表面積の10〜15パーセント以上)は重症で、生命の危険があるから、水で冷すと同時に、大急ぎで病院に運ぶ。
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(4)小さな事故とケガ
家の中で起こりやすい小さな事故やケガはたくさんあります。ほとんどは、お母さん方が常識的に心得ている応急手当ての方法が役立ちます。病院にあわててかけこまなくても心配いらないものばかりです。自信をもって対応していただくために、念のためにいくつかの対応の仕方をあげておきます。
図1-27 鼻血の手当て
図1-28 つき指の処置
(1)水につけて冷す。
(2)副木を当てて、痛みが軽くなるまで固定する。
(3)痛みやはれがひどければ、医師へ連れて行く。
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●鼻血が出た時の対応
子どもはよく鼻血を出します。鼻血が喉を刺激して吐きやすくなりますから、上体を高くしてあお向けに寝かせたり、すわっている時は頭を後ろに倒します。次に脱脂綿かティッシュを小さく丸めて鼻に詰め、小鼻のつけ根を親指とひとさし指で少しの間つまんで止血します(図1-27)。30分以上出ている場合は血液の病気が疑われますから、病院で検査をしてもらいましょう。
●つき指をした時
転んで火がついたように泣いたりした時には、つき指が疑われます。指をさわってみるとわかります。応急手当てをして病院で診てもらって下さい(図1-28)。
●ドアに指をはさんだ時
軽い内出血程度のものがほとんどですから、冷して様子をみる程度で十分です。みるみるうちにはれあがり、熱くなり、触ると激しい痛みがある時には骨折が疑われます。また、爪が浮き上がったり、傷口があいたりした時なども病院で手当てを受けて下さい。
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