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●頭髪の手入れ、入浴介助の仕方
 発熱やてんかんを頻発して長く寝ていることの多い子どももいますが、頭髪の手入れは、病気の時でも毎日ブラッシングしてあげるだけでさっぱりします。特に頭の後ろはていねいにとかしてあげて下さい。時には、市販のドライシャンプーを使って頭髪を拭いてあげることもよいでしょう。暖かく体調のよい時間帯には、熱めのお湯で全身の清拭もしてあげて下さい。
 入浴をさせる時は、清潔な着替えなどはあらかじめ準備をしておき、手早く更衣させます。緊張の強い子どもの入浴介助には慎重を要します。特に洗髪は親子で汗水たらして大奮闘してもなかなかうまくいかないものです。この場合、座位などの工夫で介助がずっと楽になります。例えば、自分ですわれないために抱っこして入れなくてはならない場合の介助の仕方です。よくみかける抱っこの仕方は、横抱きか自分のお腹にまたがせるようにあお向けで洗髪している場面です(図1-18ab)。これでは全身がますます緊張し、シャンプーも目に入りやすく、嫌がるようになります。
 
図1-18 緊張させないで入浴させる方法
a
 
b
 
c
 
d
 
図1-19 シャンプーハット
 
 そのような時には、お母さん自身がシャワー椅子などに腰かけて、その両膝にうつぶせに寝かせると、うそのように緊張が緩み、しかもお母さんの両手も子どもを支えることから開放されて使えるという大きなメリットがあります(図1-18cd)。シャンプーやリンスも子どもの目に入りません。その姿位で、シャンプーのついた頭をハンドシャワーで流すことも両手を使ってできます。ついでに、背中や膝の裏なども洗ってあげることもできます。
 自分ですわっていられる子どもの場合は、シャンプーハット(デパートで市販)をかぶせて、目にシャンプーが入らないようにしてあげると、洗髪を嫌がらなくなります(図1-19)。
 以上、清潔を保つ介護技術の一部を紹介しました。いつもさっぱりしていることが気持のよいことだというくり返しの体験の中で、子どもの清潔感は養われていくものです。無理強いをしない程度に試みて下さい。


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