日本財団 図書館


第三部門
特定分野の功績
The 3rd Category
Achievement in specific fields
こども読書推進賞
Prize for the Promotion of Children's Reading
 
海の貢献賞 Oceanic Contribution Prize
副賞 日本財団賞(賞金100万円) The Nippon Foundation Prize
◎海の安全確保、環境保護、汚染防止等に尽くされた功績
◎海に関わる産業分野において長年の経験を持ち、技能が傑出している方、その分野を大きく前進させる発明・考案・改良等をされた方の功績
◎海に関わる文化の発展・保存・伝承等に貢献された功績
* Distinguished service for assurance of the safety at sea, protection of the environment, prevention of contamination, and so on.
* In the field of maritime industries:
 Distinguished services of persons with many years of experience and outstanding skills.
 Distinguished services of persons wllo have made significant inventions, improvements, or other achievements that have advanced their fields.
* Distinguished services that have contributed to the development, preservation, and conveyance of maritime traditions.
 
■西野 弘 Hiroshi Nishino
■飯村 義海 Yoshimi Iimura
ハッピーファミリー賞 Happy Family Prize
副賞 日本財団賞(賞金100万円) The Nippon Foundation Prize
◎多くの子供を育て苦労を重ねながらも明るく生きてこられた方や、親や家族の尊さを自覚してそのために尽くす若者の功績
* Distinguished achievements of those who have lived cheerfully despite raising many children and experiencing hardship, or young people who have realized the importance of parents and family and are devoted to them.
 
■山本 一春・山本 若子 Kazuharu Yamamoto・Wakako Yamamoto
■西川 カオル Kaoru Nishikawa
21世紀若者賞 The 21st Century Youth Prize
副賞 日本財団賞(賞金20万円) The Nippon Foundation Prize
◎自ら積極的に社会や他人のために尽くしている若者の功績
* Distinguished activities of youths who have positively contributed to society and others
 
■工藤 啓 Kei Kudo
■Sadhana Thapa
■島根学生災害ボランティアネットワーク Shimane Gakusei Saigai Volunteer Network
■吉田 浩美 Hiromi Yoshida
■松本 麻美 Asami Matsumoto
こども読書推進賞 Prize for the Promotion of Children's Reading
副賞 日本財団賞(賞金50万円相当図書)The Nippon Foundation Prize
◎こどもたちの読書習慣の定着と向上のために積極的な活動を行い、成果を挙げている小・中学校・団体・個人の功績
* Distinguished activities of elementary and junior high schools, groups, and individuals who have made a significant contribution to fostering the reading habits of children
 
■大欠なかよしバス図書館 Okake Nakayoshi Bus Library
■本部町立伊豆味小中学校 Izumi Elementary and Junior High School, Motobu Town
■下呂市立中切小学校 Nakagiri Elementary School, Gero City
 
■こども読書推進賞奨励賞受賞者(受賞者・・・推薦者)
●千代田区立九段幼稚園・小学校・・・千代田区立教育委員会
●鳥取市立醇風小学校・・・鳥取県教育委員会事務局小中学校課
第三部門/特定分野の功績【海の貢献賞】
西野 弘(にしの ひろし)
(昭21.6.30生)長崎県佐世保市
 韓国、中国の台頭が目覚しい造船業界において、船舶の重要なパーツであるクランク軸の加工に30年以上にわたり従事するとともに技術・技能の継承を積極的に行い、我が国の造船業に貢献している。
推薦者:(社)日本舶用工業会
 
Mr. Hiroshi Nishino (born June 30, 1946) Sasebo City, Nagasaki Prefecture
 
 Mr. Nishino has worked for over 30 years to fabricate crankshafts that are important ship components in the shipbuilding industry where South Korea and China are rapidly emerging. He has also contributed to Japan's shipbuilding industry by actively passing on his skills and techniques to younger workers.
Recommended by: Japanese Marine Equipment Association
 
 佐世保重工業株式会社(佐世保重工)は、船舶造修業を主たる業目として1946年に設立された。1957年には、造機部門で舶用ディーゼルエンジン用鍛造組立式クランク軸の生産・販売を開始し、現在までに二千本を超える納入実績を誇る。現在、組立式クランク軸メーカーは国内に僅か3社、同社は、国内需要の約4分の1を供給し、業界第2位である。
 
 西野さんは1968年に佐世保重工に入社、造機部機械係に配属され、一貫して旋盤加工に携わってきた。特にクランク軸製造の最終工程にして、最も高度な技能が要求されるクランク軸加工旋盤の作業は、クランク軸をエンジン内で回転している状態にするため、振れ止め(受け台)で軸部を受けて仕上げ加工する。このためクランク軸の腕の間に身体を置き、緊張感の持続を必要とする特殊な環境下での作業に従事している。
 現在の製造現場は、高度にNC化が進められている。しかしながら、エンジンの連続負荷運転時に軸部の焼き付きを起こさないためには、100分の1mmの精度が要求される。これを生み出すためには、永年の「経験」と「勘」に頼らざるを得ない聖域が多分に残されている。特に、デフレクション(振れ)を極限にまで抑え、加工精度を向上させる技は同社内でも西野さんの右に出る者はいない。
 
 西野さんは、繁忙を極める職場の中に在りながら職場の先頭に立ち、生産性の向上に寄与している。また従来は10年かかると言われたクランク軸仕上げ技能者の養成を、作業手順のマニュアル化などを積極的に進め、5年前後を目標に若手技能者の育成・指導にも精力的に取り組み職場の人望も厚い。
 
 
受賞の言葉
 舶用機器の製造に携わってきた旋盤工を栄えある社会貢献者として表彰して頂きまして心より御礼申し上げます。推薦頂きました関係者各位また、職場の皆様の御支援御協力に感謝致しております。今後、微力ではありますが、クランク軸加工の技術技能をさらに高め工夫して継承に務めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
 
 
飯村 義海(いいむら よしみ)
(昭16.7.12生)青森県むつ市
 
 船舶電装工事42年、設計から各種試験や検査に至るすべての電装作業を経験し、高性能船舶を生み出す電装工事の第一人者として技術・技能継承を積極的に行い我が国の造船業に貢献している。
推薦者:(社)日本船舶電装協会
 
Mr. Yoshimi Iimura (born July 12, 1941) Mutsu City, Aomori Prefecture
 
 Mr. Iimura has 42 years of experience working in electric installation for ships that ranges from design to testing and inspection. He is contributing to Japan's shipbuilding industry by actively passing on the skills and techniques he has gained as the foremost figure in electric installation for high performance ships.
Recommended by: The Ship's Electric Installation Contractors' Association of Japan
 
 船舶建造における電気の役目を人体に喩えて説明すると、船体は皮膚・目・鼻・血管、機関は内臓、そして電気関係は脳神経に喩えられる。船体に各種の艤装品が搭載されたら、電装工事として、艤装品と電力供給盤間、艤装品間及び艤装品と制御盤間、操舵室と機関制御及び操舵機室の間などに電線を布設する。そのために電路材を取付け、電線を布設・結線し、脳と神経系を構成する。発電機から給電することにより、機関、各種機器を動かし、目となるレーダー、GPS受信機(衛星航法装置)、耳となる無線・通信機器等々が機能して、船舶としての自己完結型の移動体となり得る。電装は、各種機器に生命を与え所定の機能を発揮できるようシステムを構築する役目を担い、ハイテクを駆使した高性能の船舶を生み出す縁の下の力持ち的な重要な役目を担っている。
 
 飯村さんは、そのような船舶の電装工事に40年以上も従事してきた。原点である電装設計に始まり、現業での電気艤装品の取付、電線布設用電路材の取付、電線布設・結線作業を終えた後、電気を通しての各種試験や検査のすべての作業を経験し、更には培った技術・技能をもとに、設計・現場管理者及び経理責任者まで務めた。更にまた、電装工事の技術・技能継承のために後進の指導も積極的に行っている。飯村さんは、まさに現代の船舶電装工事に携わる貴重な匠の一人である。
 電装工事の匠として、飯村さんは図面どおりの工事はもとより、図面に表れないものや周囲の状況判断による適宜な図面改正作業、複雑な制御系統の結線や試験作業および防火区画から非防火区画への特殊な隔壁貫通工事の作業要領の作成等、高度な技術的知識および豊富な経験を生かして、高性能で安全な船舶建造に大きく貢献している。また、主任船舶電装士、レーダー整備士、および航海用無線設備整備士の資格を取得し、常に技術習得と研鑽に努め、船舶電装工事の匠の領域を広めつつある。
 
 
受賞の言葉
 この度は名誉ある賞をいただき心より感謝いたしております。
 受賞に際しご支援を頂きました関係者の方々にお礼を申し上げます。
 船舶の電装・進歩高度化する航海機器、電気艤装品工事などの技術向上に努め後進の指導育成に一層の努力をいたし、社会に貢献いたしたいと思います。
 ありがとうございました。
 
船内の配電盤にて
 
電装施工する漁船
 
船上での作業
 


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION