木村武史(大阪府防犯協会連合会推薦)
こんにちは。大阪から来ました木村でございます。お手元に資料をお渡ししていると思うのですけれども、それを見ていただいたらありがたいかなと思っております。
大阪代表ということで今日は皆さんに大きなお土産を持ってきたわけです。別に大阪名物たこ焼きではございません。30年連続ワーストワン、ひったくりでございます。私の住んでいる鶴見区も、その一端を担いでいるところかなと思っております。鶴見区は大阪市の東北にありまして、1990年に「国際花と緑の博覧会」が開催されました。私の生活する榎本連合は鶴見区の南の端に位置し、JR学研線を境に東大阪市という所と接しております。6,600所帯の人口1万6,000の地域でございます。
私も平成14、15年ごろは地域でひったくりや空き巣が非常に多いということを他人事のように聞いておりました。15年の途中から地域の会長をおおせつかったのでございますが、そのときに警察から資料提供がありました。「あなたの住んでいる榎本連合はこんな状態です」というものもいただきまして、それを見てがく然といたしました。地域でワーストワンを何とか返上して、「住民にとって安全な町にしたい」という思いがありました。11校下あるのですけれども、ずば抜けて私の所は多かったということです。
そこで、どういうふうにすればいいかということで、まず「榎本安全なまちづくり推進委員会」を立ち上げました。住民に現状を分かってもらおうとしました。「あんたの住んでいる所はこんなに犯罪が多いんですよ」ということを分かってもらおうということで、こういうチラシを全戸6,000所帯に配布いたしました。裏がこういうふうになっております。まず、住民に自分の所はこんな所だということを認識してもらおうというところから始めました。
まず、目に訴え、それから耳に訴えようということです。町で名評判の女性会のアナウンサーがおります。啓発テープを作りまして、その方が16年の5月20日より広報活動を週3回夕方から始めました。人数は4、5人で始めたのが最初でした。そのときのテープをちょっと聴いていただきたいと思います。「ご通行中のみなさん。こちらは榎本安全なまちづくり推進委員会です。日が沈むのが早くなってきました。夕暮れ時は見通しが悪く一日の疲れで隙もできています。ひったくり被害に会わないように気を付けましょう」「ご通行中のみなさん。こちらは榎本安全なまちづくり推進委員会です。家庭地域でのコミュニケーションを大切にしましょう。声掛けあう、挨拶一つで町は明るくなります」こういったテープを流して活動を始めたわけです。
約3ヵ月間月に7、8回私の地域で発生していましたひったくりが、この活動をしまして3ヶ月間、ぴたっと止まりました。その実績に刺激されまして、活動隊が20名ほど増えました。それと同時に、犯罪が起こる環境を町からなくそうということになりました。私たちが住んでいる放出というJRの駅があるのですけれども、その駅前が放置自転車で大変だったわけです。放置自転車をなくそうキャンペーン」、違法広告の看板撤去の「片付け隊」の活動が同時に始まりました。
この自転車もマナーに訴えるところが多いことで、なかなかすぐにはなくなりません。今も長い活動を続けております。やはり、だんだん分かってくれまして、最近は少なくなってきております。違法広告はサラ金のチラシが電信柱にたくさん貼られています。大阪でも悲惨な一家心中という事故がありました。特にサラ金の違法広告物は徹底して取る。最初は鬼ごっこです。しかし、絶対に貼らさないという固い決意でやっております。これも3年になります。私たちの地域の電信柱にはいっさい貼っておりません。
そういう活動を続けながら、夏休み前には子供たちに関する安全啓発のチラシを配布して子供たちの安全を呼びかけました。深夜の徘徊もありますけれども配りました。それから、10月に入りまして高齢者に対する悪徳商法をなくすためのチラシ。ちょうど「おれおれ詐欺」がたくさん出ていましたので、こういう悪質な犯罪に引っかからないようにということです。ちょうど今時分、先ほどのテープにありましたように、「日が沈むのが早くなってきました」ということでこういうチラシを10月に全戸に配布しました。この間も、先ほどのひったくりや子供の安全、あるいはお年寄りが悪徳商法に引っかからないようにというテープも広報活動として流しております。
10月に入りまして、近隣、他県で、子供に対する兇悪な事件が発生しましたので、これを境にして登下校の見守りも開始しました。この日から毎日活動するということになりました。同年の12月、鶴見警察署長の委嘱を受けまして、「榎本青色防犯パトロール隊」を結成しました。青色防犯パトロール車大阪府下第1号ということで認定をされまして、現在行っております。その後2台目の青色パトロール車も誕生しております。現在、私たちの地域では72名の青色防犯パトロール隊が毎日、登下校時、それから夕方の6時頃から7時、そして時間をおきまして9時から10時まで、計4回毎日のパトロールを実施しております。
私たちの地域がこういうふうに活動をしますと、私たちのところが減っても、その隣あるいは近隣の校下のほうで増えるというかたちになりますので、今年の3月に鶴見区の11校下全部で青色活動が始まるようになったということです。また、毎週木曜日にはお年寄りの子供の見回り隊がありまして、またPTAも見回り隊を結成しております。
お手元の青色防犯パトロール活動の記録の書類があると思います。これは先ほど講師の方のお話にありましたように大阪府警の「安まちメール」というメールでございます。今ここでお話を聞いている間にも入っています。残念ながら私の地域で「小学生に対する声掛け事案、11月1日14時10分発生」。こういうことで入ってきます。今日は隊員が向こうで動いていると思いますが、これが隊員の皆さんに入るようになっています。これが入りますと、即、現場に青色車を出して見回りをするということになっております。これで終わりです。(拍手)
大沼康雄(兵庫県防犯協会連合会推薦)
兵庫県の芦屋市の「浜町メンズクラブ」ということで出させていただいております。芦屋市と申しましても大阪と神戸の境目です。皆さんに一番分かっていただきやすいのは、甲子園球場から阪神電車の駅でいったら、四つぐらい西になります。人口9万ほどの小さな町です。「浜町メンズクラブ」と名乗っているのですが、浜町そのものは1,250所帯ぐらいの小さな町です。これはメンズですから男性だけの団体です。今44名ほどで構成しております。平成15年7月にスタートしまして、満3年を迎えるわけです。構成員はいちおう20歳から85歳までということになっております。現役の方とか学生さんはまだ無理だということで、いま平均年齢が64歳ぐらいです。サラリーマンをリタイアされたりという方で構成しております。皆さん元気です。
具体的な活動というのは、月曜日から金曜日まで朝の登校、今日、警察庁の方の話がありました83運動ということを意識しておりませんが、登校時間は7時50分から8時15分までということです。それぞれ6年生が先頭で、5年生ぐらいが後ろについて1年から4年生までを連れて行く。問題は下校時間です。学校からは月に1回、各学年の下校時間を資料としていただいております。それを内部だけで確認しあって、1年生は2時15分から、2年生は2時20分ということで、下校時間も毎日、町内の四つ角に全部立ちます。
今日は資料を持ってこなかったので、一部だけ回覧で見ていただきました。真っ赤な派手な色があったと思いますが、オレンジ色のキャップとウインドブレーカーをつけて、町内全部、角々に立ちます。それで、最終的に6年生が4時ごろ帰る。ということで、登下校の指導をやっております。ありがたいことに、関西弁で「おっちゃん、おはよう。おっちゃん、さいなら」というようなことで子供のほうから声が出るようになっています。
それから学校関係でいいますと、校庭解放というのがありまして、これも月曜日から土曜日なのですが午後4時から6時までです。お父さん、お母さんが仕事を持っておられる方、いわゆる俗にいうかぎっ子は、いったん帰って、4時からまた学校へ来て遊ぶ。これは毎日70名ぐらいいます。家に帰ってお母さんがいても出て来る子供もいますが、6時までサッカーをしたり、キャッチボールをしたりします。
その管理は1名ずつユニフォームを着てただ見ているだけです。たまにちょっと変なのが入ってきます。そういうのがありますので、注意をしないといけません。いちおう6時までです。最近は6時になりますと真っ暗になりますので、6時になったら「みんな帰れ」と帰らせて校庭を閉める。そんなようなことをしております。
申し遅れました。44名のメンバーは1班から6班まで班を作っております。一班7名から8名です。毎週交代で、木曜ないし金曜に、夜のパトロールで8時から町内を回っております。その町内のパトロールでは今まで他府県の方からもたくさん「どんなことをやっているんだ。ちょっと見せてくれ」ということがありました。
最近、警察のほうも見せて欲しいということもありまして、警察官と一緒に回ったこともあるのです。まず、無灯火の自転車は徹底して注意します。最近は無灯火の自転車はなくなりました。それから街灯切れです。これもありましたら、即翌日、芦屋市の環境のほうへ連絡をして「とにかくつけろ」と言います。必ずこれは次の日についております。
生ゴミ収集の日は火曜と金曜と決まっているのですが、不心得な人がいて夜ほかしにくる。そういうことはだいたい分かりますので、写真を撮って「あきませんよ」というようなことで、最近はなくなりました。時期的にいいますと、サラリーマンの方の引越しシーズンの3月とかにちょっとあります。これは「徹底して町内で注意しましょう。汚い町は絶対駄目だ」と、環境面でもかなりうるさい目にやっております。
芦屋の小さな町なので、大きな新聞に載るような事件はありませんが、高級外車に乗っている方が多いので、青空駐車にベンツの車上狙いがかなり多いのです。それは駐車場の持ち主の方にお願いして、街灯をもうちょっと増やしてもらうとかいうようなことがあります。まだぼちぼち車上狙いがあります。これは夜中の時間なので、残念と言えば残念です。チラシとか自治会の会報とか使って皆さんに注意を呼びかけているような状態です。あとは自転車泥棒もあります。
先ほど話にありましたが、不良少年はおりません。校区内に高校も中学もあるわけですけれども、コンビニの前で座って何か食べている子供がいますが、徹底して怒鳴りつけたら終わりですので、一緒にしゃがんで「不細工やぞ、おまえら」と言います。コンビニの前でラーメンを食ったりしている子供がおりましたけれども、今のところほとんど見えません。ありがたいことに、根気よく話せば分かってくれるのです。
皆さんにはご案内していると思いますけれども、ホームページを開設していますので、どうぞ帰られたらアクセスしてください。1年間で1,840ぐらい他府県、市内、町内からいただいております。1日30件ぐらいです。リアルタイムで出しておりますので、今日あったことは、皆さんに今日お話しできるということです。どうぞお待ちしております。あっち飛び、こっち飛びで申し訳ありません。時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。(拍手)
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