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中川昭孟(千業県防犯協会推薦)
 千葉県の成田市から参加しました中川です。よろしくお願いします。私は子供を守る防犯活動というのを主体に平成16年から今までやってきております。千葉県では教育委員会いわく、県下では一度も事件が起きていないというふうに自慢しております。ただ、これはいつ起きるか分からない。いま起きるかも分からないという危機感が無いと私は思っております。従いまして、今年「スクールガードあづま」を立ち上げました。皆様のお手元にこの資料がたぶん配布されていると思います。
 皆さんの所でも子供の見守り隊を発足させて活動されているという話を聞きまして、今更こういう資料、データをお渡ししてもおこがましいのかなと感じました。けれども、この中身は先ほど言われているように長期継続できる活動内容ということで募集しまして、今年の2学期から活動を開始しております。集まった人数は全部で36名、世帯数にすると33で、夫婦で3組ばかり応募した方がいらっしゃいました。その中で児童の保護者は4世帯で、12%ぐらいしか集まってこなかった。高齢者で孫と同居をしているのが7世帯で21%。高齢者で児童とは無関係の方が22世帯ということで67%。高齢者が88%を占めています。志しの高い方が地域にまだいたということで、高齢者のパワーをこれからも活用、協力して行くのが得策であるということが言えると思います。
 立ち上げるときには、私1人で考えてどうしようかと思ったのですけれども、問題点がいっぱいありました。予算の問題もあります。個人の主宰で団体を作るということは、非常に信頼性が薄いということでPTA会長を説得しました。公的機関として発足できたのは、33世帯のメンバーが集まってくれたからというふうに思っております。これが1点目です。
 2点目は、安全対策マップを作りました。これは、今までやられているのと趣旨が違いまして、私の地区の学校の生徒の実態が知りたくて動態図に1年生から6年生までシールを貼りました。赤が一番目立つので1年生、2年生は1、2と書いて赤シールを貼りました。そこに、通学路も一緒に併記しております。そうすると、1人になる区間、学年が明確になってくる。低学年の1年生、2年生辺りが一番心もとないのですけれども、その人たちを見守れる、付き添いできるというかたちが明確になっております。
 それから、子供110番の家も当然ながら併記したのですけども、通学路に対して子供110番の家が非常に少ないということも分かりました。87件あったのが現在105件に増えたというかたちです。効果的な安全対策マップができたのではないかというふうに思っております。ただ、この安全対策マップも問題点がありまして、児童の住居を表示しているため、不心得者の手に渡ると悪用される可能性があるので配布できないという悩みがあります。
 後、1人になる区間が明確になっているのですけれども、配布できないために保護者に個々に説明しないといけない。手間ひまがかかるということで、これも問題かなと思っています。それから、不審者等が出る危険場所も示したのですけれども、今後の対策はどうやってこれを直していくかということもやっていかないといけないのですけれども、まだそれもやれておりません。ということで皆さんにそういうことをご披露したく報告します。
 それから、先ほど、「いかのおすし」というお話が出ました。私も防犯パトロールをやっております。それで「いかのおすし」をもとに青パトから「子供たちに対する呼びかけ」を作って市のほうに提案して今現在、採用されております。夜間青パトをやっている方は車上からの放送はたぶん出来ないと思います。けれども、昼間、下校時やられるときは、是非とも子供たちに「いかのおすし」を伝わりやすいようにする。「行かない」とか「乗らない」とか言ってもすぐ分かりませんので、前後に文言を付けて呼びかけてもらうともっといいのかなというふうに考えております。
 以上です。(拍手)
事務局長
 中川さんどうもありがとうございました。1人で立ち上げられて、いろいろお考えになられて、大変なことだったと思います。子供さんの動態を調査するという方法は、子供さん一人ひとりに記入か何かをしていただいたのですか。
中川昭孟
 いいえ。学校から名簿をもらいました。住所も書いてありますので、それを見ながら一つずつ貼っていきました。
事務局長
 なるほど。通学路はこの経路だというようなことではなくてですか。
中川昭孟
 動態図の中に、住居が分かりますので貼りますね。当然ながら通学路も明記していますので、ここからこの間は1年生が1人で長時間行っているということが分かるわけです。それを1人でやっているもので今回みたいに大勢の人にやってもらおうというかたちです。
事務局長
 ありがとうございました。続きまして、神奈川県防犯協会のほうからご推薦の田中様。よろしくどうぞお願いします。
 
田中 明(神奈川県防犯協会連合会推薦)
 皆さんこんにちは。神奈川県川崎市から来ました田中でございます。渋谷駅から20分程度で着く場所です。今日は私たちの町のパトロールにつきまして、ちょっとお話ししたいと思います。いまは毎週水曜日に夜8時から10時頃の間、私の町会は38ヘクタールで、だいたい2,150戸の町会ですけれども、パトロールいたします。
 二つか三つに分かれてやっているのですけれど、ずっと長く続けております。暮れになれば当然また別なかたちでやります。非常に皆さんに浸透しまして、たまには役員以外の人にも出ていただくということで、今のところは非常にうまく行っております。全国のどこを見ましても、火災で一番多いものは放火だろうと思います。こういうことを兼ねまして、防犯活動を推進しております。
 先ほどの地図に住吉中学と書いてありますが、中学校区なものですからお渡ししたのが中学になっております。カレンダーは11月の暦なのですが、これをちょっと見ていただきたいと思います。これは小学校の見守りということでございます。朝につきましては皆様からいろいろと話がありましたけれども、ほうきを持って掃除をしながらということで挨拶をやっています。
 まず、マップですが、作りましたのはどこもあると思いますが、中学校の学校教育の中で作成していったものでして、まだまだ不備な点もあるのですけれど、出来上がったのです。このままでは小さくて分かりにくいということもありますし、子供さんは先生が引率して見て歩くというようなこともしているようです。
 パトロールなのですけれども、先ほどからいろいろと問題もありますが、私のほうとしては月曜日から金曜日まで。これは学校から毎月来るのです。「こういう時間に下校しますよ。」ということなのです。先ほどのお話の中で、お勤めしていらっしゃって、昼間なかなか出られないという方もいらっしゃるので、水曜日は原則的に全員が半日で帰る。これにつきましてはとにかく役員が出ようということで、10人から13人出ております。
 そして角に立ったり、あるいは細かい注意をしながら帰るわけです。上級生と下級生の下校時間が違う場合があるので、2回出ないといけないことがあるのです。そういう場合にはお勤めをしている方はできないので、出られる方は出てもらいたいということで協力していただいております。3月から始めておりますけれども、今のところ非常にうまくいっています。また、挨拶のほうも非常によく出来るようになりましたので、このまま続けていければと思っております。
 それから、区のほうの関係で、私ども中原区の町会を含めまして77の町会がございまして、13年に発足した女性防犯員を含めて26名ということです。その方たちが青色灯の付いた広報車で夕方5時から8時まで、町の中を走っております。これにつきましても、道を聞かれたり、何かが落ちていたとか、いろいろなことでコミュニケーションがあるということで、これからもうんと続けていこうかなと考えております。
 私の町は多摩川を越してすぐのちょうど川崎の細い部分なので、すぐ横浜なのです。また、平たん地という関係で泥棒さんが非常に多い。平たん地なので自転車が多く、自転車泥棒が非常に多かったのです。最近は非常に少なくなりまして、大変うれしいなと思っております。これもこの十年来、防犯ネットを徹底的にやっております。区民祭とかスーパーマーケットにいて付けてやるとかです。ついこの間配ったのですけれども、新聞1枚品物の上に載せていても手が届かず持っていかれないということも言われますし、防犯ネット効果もかなりあるのではないかと考えております。
 それから、女性防犯員のことをさっきお話し申し上げたのですけれども、私の町は国際交流センターといいまして、外国人の出入りも非常に多いのです。最初は恥ずかしいと言ったのですけれど、女性がチラシを配りながらティッシュを差し上げるのです。朝晩の忙しい時にそんなのを持って行ってくれる人は少ないということです。どうしたらいいかということになりまして、考えついたのがこういうパウチで、3ヶ国語はいっています。「空き巣注意」「ひったくり注意」。こういうものを後ろと前に付けます。全部女性です。最初は「いやだ。いやだ」と言っていましたけれども、実行しております。これにつきましても、かえって目に付くものですから、効果があります。今後これも続けていきたいと考えています。
 女性防犯員はその他小学校に行って寸劇をやったり、子供と一緒に遊んだりということもしております。地域とすればそのぐらいのことなのです。今度、新たに区のほうで防犯を一緒にということで、「地域安全・安心まちづくり、地域運動」。これは警察関係も含んでいます。なぜこれを作ったかといいますと、さっき申し上げたように放火事件が多いので、それを含めてやろうよということです。町連というのがあるのですが、そこの人が長になって、防火協会とか防犯協会、その他の十何団体が組織を作りまして、防犯活動をする、つまり、防犯と共に防火も一緒にやるということになりました。
 これからも頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手)
事務局長
 女性防犯部員というのは、田中さんのところの苅宿町会との関係はどうなっているのですか。
田中 明
 私はじつは防犯協会の会長なのです。それで今度は区全体の77町会の中の25名を抽出いたしまして、年に1回の交代でやっていただく。非常に女性のほうが活発です。
事務局長
 大変失礼しました。ここで10人の方々のご発表が終わったということで、予定ならば休憩時間をお取りしたいと思っていたのですが、申し訳ありませんが発表のほうはこのまま続けてまいりたいと思います。
 それでは新潟県の高谷さん、よろしくどうぞお願いいたします。


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