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望月福也(茨城県防犯協会推薦)
 どうも皆さんご苦労様です。皆様方の発表を聞いていまして、私どもは恥ずかしいような気持ちでいるのです。防犯活動が始まってまだ1年半というよちよち歩きの「民間交番・日の出防犯センター」の望月です。経緯と活動状況の発表というかたちで発表してまいりたいと思います。ほやほやなものでマップ等はございませんので、お叱りを受けないようどうぞよろしくお願いいたします。潮来市は茨城県の東南に面する所にあるのですけれども、水郷と観光の町です。そこに鹿島港開発という新しいコンビナートが拡大していったわけです。拡大と共に人口が増え、日の出地区におきましてもベッドタウンということで変貌していったわけです。
 非常に犯罪が多発するようになりました。10年前より、人口増加に伴い、地域で安全で安心な町づくりをするためにも茨城県行政に対し交番の設置というものを再三に亘りまして要望してまいりました。しかし、諸事情がありまして、設置には至らなかったという経緯がございます。近年、茨城県におきましても防犯ボランティア活動の波が急激に波及し、潮来市におきましても16年4月頃に防犯ボランティアの募集がありました。当日の出地区におきましても多数の応募があったところです。そして、日の出地区防犯センターが平成17年3月31日に開所いたしました。開所につきましては警察署署員はじめ行政の皆様には大変お世話になったところです。
 民間交番日の出防犯センターの活動状況ですけれども、基本的には木曜日と日曜日の午後3時より5時まで毎週各地区に分かれ、防犯活動を実施しているというところです。パトロールの前にはセンターに集合しまして、15分間を目安に潮来地区の交番長をはじめ署員の皆さんとの情報交換を行います。毎週、交番便りを発行していただき、前1週間の、管内犯罪発生状況の説明があり、これに対する防止策の検討、パトロール方法の指導、また子供の事故・事件・非行の防止、振り込め詐欺の防止等々、15分という短い時間の中で意見交換を進め、パトロールに入るという状態でございます。パトロールは約45名前後にて実施し、終了後、当番区に結果報告をし、各区の参加人員、報告内容をパトロール日報に記入し終了するというようなかたちで進めております。
 活動支援状況ですけれども、警察署生活安全課長の指導の下で侵入盗のガラス破り被害防止。これは先ほどもちょっと解説がございました。車上狙いの被害防止等の実演。それから、110番通報訓練。これは県警の110番回線を使用いたしましての訓練です。犯人像記憶調査票に基づきまして、発生日時、犯人の特徴、犯人の服装、逃走の状況、被害内容について等の県警からの質問に、不慣れなためスムーズな答ができなかったという状況もありましたが、じつに実のある訓練でした。そして、東京の明大前の自警団視察とミニ懇談会。警視庁110番司令室の見学等は大変勉強になりました。
 民間交番では、それから「事件・事故ないボックス」と「警察官立ち寄り所の看板」を各町内の集会所に取り付けました。「事件・事故ないボックス」は木曜日、日曜日に限らず時間に余裕のある人たちが時間に関係なく区内を自主パトロールし、不審な人物、不審な車両等を見つけた場合は十分な状況把握をし、問題があると判断したときには110番通報をする。問題がなければボックス内にパトロールの記録表が入っているのでそれにサインをするというようなかたちです。警察官のパトロールと、市、行政の青色灯パトロール隊にも同様に「事件・事故ないボックス」の記録表にサインをしてもらっています。
 それから「安全パトロール中」というのぼり旗を中小学校、公園の各地区に設置しました。これらの設置につきましては大変効果があるものと期待しているところです。ただいま民間交番におきましては全区の皆さんに防犯に関する標語等の募集をしているところです。全国的に子供たちが絡んだ事件、事故が非常に多発し、報道されています。民間交番では子供たちが犯罪に巻き込まれないように、子供たちも自分を守るためにはどうすれば良いか考えてもらう、というようなことでやっております。
 先ほど警察庁の課長補佐の市原講師が「いかのおすし」というのをおっしゃっておりましたけれども、私どもでも子供たちにやっております。「いかない」は知らない人には付いて行かない、知らない人の車には乗らない、大声で叫ぶ。「助けて」と大きな声を出して叫ぶのです。それから防犯ブザーを鳴らす。大人のいるほうへすぐに逃げる。「知らせる」は、どんな人か、何をしたか、家の人や先生に知らせる。というようなことでございます。
 いろいろ想像し、安心して家に帰る方法を考えてもらうよう小学生の部、大人の部に分けて募集しているところです。子供だけでなく、大人も防犯の意識を高めるためであります。日の出地区はまだ若い家族が多くこれに比例して小学生児童等も非常に増えている状況です。ぜひこの機会に安心で安全な町づくりのために犯罪から自分を守るために防犯を見直していきたいと思っているところです。
 民間交番日の出地区防犯センター活動開始より1年と7ヵ月が経ちましたが、この間、地区内では警察のパトロール車、地域要請の青色灯パトロール車をよく見かけるようになり、犯罪も確実に少なくなってきているというところです。これからも防犯ボランティア活動を継続し、安全で安心な町に一歩でも近づけるように防犯センター活動員一同、努力しているところでございます。活動員はちなみに159名で構成しております。
 以上で活動の報告といたします。どうもありがとうございました。(拍手)
 
石塚東洋夫(栃木県防犯協会推薦)
 いま資料を配りました。先ほど先生の話の中で今市の事件の話がありました。ちょっと質問をしたのですけれど。この資料は16年、17年、18年度と、警ら活動をやってきた数字が書いてあります。なぜ私が今日この場に立っているかというと、たぶんこの活動じゃないかなと思うのです。それで推薦されたということだと思います。それから今市事件があって、下校時の問題が非常にクローズァップされた。事件が解決していないために、一定の下校時の児童の安全確保というようなかたちで進んでいるわけです。いま現在もやっています。
 この警ら活動はパトロール活動だってよかったのです。なぜ「警ら」にしたかがネックになっているのですけれども、「警ら」というのは今でも使われているのです。これは警察で使われている言葉だと思います。活動は運動という言葉でも構わないのです。でも活動にしようということにしました。いわゆるきらきらと光るような、活発に動くという意味で表現してあります。
 この1年間に2回ほど、地域の五千何百戸という家庭に回覧を回して報告をしています。その報告の中身で、一番下に加害者と被害者の役割があります。いわゆる加害者には自粛してもらう。被害者には自己管理をしてもらうということを、やわらかく書いてレッテルを貼って回覧をさせてもらっています。
 大人の人というのは必ず結果を求めるのです。これは、お巡りさんのほうから出た結果です。16年度はうちのほうの矢板駐在所が297件だったのです。17年度になったら179件になっている。いわゆる40%減だったのです。交通のほうはそのままの数字が横並びになっているのです。こういうかたちで結果に出たということをお巡りさんは評価をしていました。
 先ほども何人か青色回転灯という話をしましたね。これは警察本部とか陸運局だとかの許可を取らなくてはいけない。取るのにだいたい3ヵ月かかる。こういうかたちの中で、私たちの場合は青色回転灯を4台、個人の車で取らしてもらった。4台が揃って、一番最後に5台目はパトカーで、地域を回って歩き始めました。
 最初歩いたとき、やっぱり地域の中は変わりました。まず、すれ違った人が変わった。自転車、オートバイ、自動車は、すれ違った瞬間にブレーキを踏むような状態です。パトカーが後からついてきているから4台を追いかけているように見えるのです。そういうかたちで変わっていって、この地域の一定の犯罪がなくなってきたのかなと思います。
 ただ、16年、17年と2年間やってきたのですけれども、16年の終わりの頃には「もうやめよう」という話が出ると私は思ったのです。出たとき何を提起するのかというのが、ボランティアの社会体験の提起です。そうしたら、逆なのです。いわゆる、机上の訓練、机上の学習だけで、今の情勢を噛み砕いて消化不良にならないようにする。そこら辺の観点がずれちゃうと消化不良になっちゃうのです。そういう意味での消化不良にならないように、問題提起をどういうふうに幹部はやるかということでは苦労をしました。
 しかし、運動を正しく進めると、提起をしなくても皆さんから出してくれるのです。役員さんの中から出してくれる。今日は全国の交流会ですから、昨日、おととい役員さんが集まりました。「何か言っておくことがありますか」と言うと、「いいや、別に今まで通りのことを言っといてくれ。皆さんによろしく言っといてくれ」という表現でしたので、以上で6分が過ぎましたので、終わりにしたいと思います。(拍手)
 
田川 清(埼玉県防犯協会連合会推薦)
 埼玉の草加から来ました田川でございます。全国各地で小学校の下校時に痛ましい事件が発生しました。そのとき、八幡小学校の校長先生から「何とか児童の安全対策を考えていただけないか。」という呼びかけがございました。各町会長、PTA、学校との話し合いをしたうえで、私は自分たちの町は自分たちで守るのが筋ではないかということで、早速、町会の防犯員に話をしました。呼びかけをしたところ、小学校区の下校時に合わせてのパトロール隊は夜間のパトロールとは違い、仕事を持ったりしている関係上難しいというふうに断られてしまったわけです。
 それではどんな方々にお願いしたらよいかということですが、定年になられて比較的元気な方々が大勢います。また、近隣とのコミュニケーションをとるきっかけにもなります。隣近所ともよくお付き合いが出来なかったといったら失礼ですが、そういう方々が大勢います。そういう方々に呼びかけたところ、子供たちのため、皆さん方との交流を持てるならばということで喜んで参加していただくことができました。
 その中で、場所は、予算はと、とにかく防犯の拠点をつくろうではないかということでプレハブ小屋を造ったわけです。それは近隣の人たちから無償で分けていただき、また自分たちで汗をかきながら小屋を造ったわけです。その小屋が出来上がると共に、小屋の名前、愛称を何か考えようかということで、学校のほうへ呼びかけをし、子供たちに愛称を考えていただきました。それで入選したのが「みはるくん」です。
 最初のうちは子供さんたちとのコミューケーションがなかなか取れなかったのですが、今はハイタッチをしたり、「おじさんこんにちは。さよなら」と子供たちのほうからも声を掛けてくれるようになりました。本当に、子供たちと近所のお年寄りとのコミュニケーションもうまく取れるようになってきました。その中で、警察庁から認められ50人分の物資をいただきました。うちの会員が100名ちょっと越えていますので、足りませんでした。警察庁のほうへ要求をするといってもちょっと困難かなと思い、結局、2種類のベストでパトロールをしているわけでございます。
 警察から青色回転灯のパトロールカーを何とか考えてもらえないかという話が4月にありました。「わかりました」ということで青色灯のパトカーをいちおう用意しました。申請してから3ヵ月かかり、7月から行っております。後はスライドを見ていただければだいたい分かるのではなかろうかと思います。雑ぱくな説明で申し訳ございません。以上でございます。(拍手)
事務局長
 つづきまして千葉県防犯協会のほうからご推薦の中川様。どうぞよろしくお願いします。


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