日本財団 図書館


活動状況報告(体験発表・意見交換)
佐藤事務局長
 それでは、皆様お集まりでございますので、これから活動状況報告というのを始めさせていただきたいと思っております。事務局長の佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この研修は、ご承知の通り先ほどもお話しがございましたが、皆様方の全国的なネットワーク作りのきっかけにでもなれば、というようなことも目的の一つとしているところでございます。発表の内容は自由です。ただ一つ制限があるのは時間です。何しろこれから6時までの時間で、都合135分ですが10分間ほどの休憩を取りますとおおむね120分で終了しなければなりません。20人の方々の発表ですから、おおむね6分以内で終了していただかないと夕食の時間がぎりぎりになってしまいます。ひとつその辺のところで、どうぞよろしくお願いいたします。
 発表の順番は、今日、順不同にお座りいただいておりますから、北のほうから順に私からご指名をさせていただきます。おおむねの時間がまいりましたら、声を掛けるかもしれません。ご了承ください。北海道の川道一司さん、トップバッターということでお願いします。なお、皆様方の発表内容は後で取りまとめて報告書を作成する必要があります。マイクを通してお話ししていただかないと、録音テープに入りづらくなっておりますので、ぜひマイクをご使用ください。よろしくおねがいします。
 
川道一司(北海道防犯団体連合会推薦)
 皆さんご苦労様でございます。北海道から参りました川道と申します。先ほど事務局長のほうより6分ということでしたので、ちょっと早口でいきます。まず、今日いろいろなお話を聞いたのですが、私ども、北海道のほうは「安全・安心条例」というのがございます。こちらのほうの中で「子供の安全を見守る運動」というのが今年から始まりました。この中の団体には北海道庁、北海道警察、47団体、その他に我々のPTA連合会、それから町内会とかを入れまして、全部で70団体ほどございます。
 こちらが組織図なのですが、先ほど言いました47団体の他にいろいろな団体がくっ付いております。私たちのほうで今執り行っているのが、今日も出ていましたが「110番の家」です。
 皆さんもご存知かと思うのですが、110番の家は顔のつながりとかでただステッカーを貼っているとか、不在なのに110番の家の登録になっているのがある。それはいけないだろう。先ほど言いました「子供の安全を見守る運動」というのは全道民の運動でございます。ステッカー、ポスターを貼った所が北海道の中にいろいろございます。配布枚数は10万枚です。要は10万件登録をしてあるということで、皆さんに分かっていただきたいと思います。
 そこで、110番の家とは別に「こどもSOSステーション」というのを北海道のほうでやっております。一番の問題は長続きをさせるために、ギブ・アンド・テイクでないと駄目だということです。
 これは110番の家とは別にSOSステーションという団体なのですが、全部統一で作ってあります。企業としては一生懸命に「ボランティアをがんばるよ。お金も差し上げるよ」。でも「企業だからいくらか自分たちも使ってくれよ」というのがギブ・アンド・テイクです。これがなければ長続きはしないと思っております。110番の家で今まで一番問題でありましたのがマニュアルです。
 まず何をすればいいのだろうということです。マニュアルは全部配っております。私の地元は函館でございます。函館は小さい町なのですが、このSOSステーションの登録が今1,000件あります。すべての所にマニュアルを預けてきっちり、警察、学校、地域、諸団体の方と一緒に行って説明をする。そして、今日の議題にもありましたマップというのがありますが、子供たちには「ここがみんなを守ってくれるステーションなんだよ。交流を図りなさい」ということにしています。
 例えばお手紙を書く。「おじさん、おばさん。いつも私たちを見てくれてありがとう」。学校のほうには小遠足をやってくれと言っています。リュックを背負わせて、手紙を持って、コミュニケーションを取りなさい。そういうところまで今きております。何か事件があったときの連絡網も作ってあります。この連絡網もさらに発展をかけました。ただ連絡をするだけではいけないだろう。連絡があったら何をして欲しいかという行動も考えなさいということです。
 私たちのほうでやっているのは、その連絡はS、大変危険な連絡。A、通常の連絡です。私たちの防犯ボランティアのほうに必ず連絡が来るようになっています。函館、北海道のほうで、とくに多いのは警察教育委員会、防犯協会、我々の団体で、Eメールで必ず連絡が来ます。携帯電話を持っていない人は電話の連絡網です。必ず末端の単位PTAの学校のお父さん、お母さんまで行くように作っています。
 これをなぜ作っているかというと、聞いてなかった、連絡が遅い、状況が分からないというのが一番怖いことということです。それで、一方通行だけではなくて、双方、上から下、下から上。必ず警察のほうに私たちの情報が行く。教育委員会にも行くというふうなかたちを取ってあります。物事をやったら、新聞に必ず載せるということです。要は公的機関を通じてこんな動き、こんな協力体系、こんな提携をしているんだよということを必ず教えてあげるということです。
 青色パトロールカーもたくさんあります。でも、ほとんどがお金を持っている町内会です。持っていない所もありますので、私たちは発展型として青色パトロールカーの後ろにパトロールバスも付けています。お年寄りでも「私たちもお手伝いしたい」と言われる。でも、5キロも6キロもお年寄りが歩けるわけがないのです。でも、みんなの協力をしたいということで、私どもは26人のバスを使っています。これは毎日走っています。全走行距離は1日150キロぐらいです。これは全部うちの会社の持ち出しです。でも、誰かがやらないと誰かの意識も上がらないということです。わたしたちのほうでは、先ほど言いましたけれども条例ができています。だから道民みんなでがんばろうよということです。
 ここまではいろいろやったのです。今日もいろいろな方の講演を聞きましたけれども、今ここにおられる方はリーダーの方で、今日の講師の方々も選ばれた方々です。でも、枝葉の町内会だとか、単位PTAでは、予算もなくて壁にぶつかっている所が多いのです。だから、警察の方にも言います。私たちは北海道ですから、道警の偉い人の意識は分かる。先生や講演に来る方の意識も分かる。
 でも、派出所とか駐在所の者たちの意識も変えてくれないか。要は、僕たちはボランティアでやっているので助けてもらっているということは言わない。でも、警察でも手が回っていない部分を私たちがフォローしているだろう。その辺の支援体系をきっちりやってくれ。そして、警官、とくに国家公務員、官庁関係の意識を変えてくれないかということです。
 この活動はもう20年近くやっています。最初は自分の近く、自分の会社。自分の近くの小学校から始まって全部壁にぶっかってきました。でも、今日おられる方々は全国のリーダーの方々です。ぜひ、この機会を有意義に使って、情報交換をしていただく。これだけの一生懸命の団体、リーダーがいるのだということを公の機関にでも広報としても流れる体制を、もし事務局の方々に作ってもらい、まだまだ悩んでいる団体はいっぱいありますので、その励みになっていただければなと思っております。ありがとうございました。(拍手)
事務局長
 皆様方のほうからご質問等がおありかと思います。できれば川道さんのほうにもこの場でご質問を受けていただこうというふうに思っています。皆様、川道さんのほうに聞きたいということがございましたらお願いいたします。
 川道さんさっき新聞のほうに載せるというふうに言っておられましたけれども、載せるための原稿はどうされているのですか。
川道一司
 とにかく一生懸命ぼくたちがやっているということを、先ほども言いましたが、みんなに知ってもらいたいということです。チラシだとか新聞も作りながら、報道の目に付きやすい動きをする。ここにいる人数は20人ですが、1人でパトロールするよりも、たとえば「10人以上パトロールするよ」ということで、新聞のほうに情報提供をします。
事務局長
 なるほどね。取材に来ていただく。
川道一司
 新聞屋さんとかの連携を取るとかいうのがやっぱり大事かと思います。
事務局長
 ありがとうございました。次、同じ北海道でございます。平賀典明さん、よろしくどうぞお願いいたします。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION