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防犯ボランティアの活性化事業 「中央研修会」報告書

 事業名 防犯ボランティアの活性化事業
 団体名 全国防犯協会連合会 注目度注目度5


 第4として子ども達が安心して住める街づくりについてです。政府は「世界一安全な国日本の復活」を目指して前述した犯罪対策閣僚会議を発足させて、その下に官民連携した安全・安心な街づくりの全国展開に関するワーキングチームを設置し、「安全・安心街づくりプラン」を策定したところです。
 その1は犯罪が発生しにくい環境の整備、促進についてです。子どもが被害者となる犯罪の発生を未然に防ぐ上で、登下校途中や放課後など保護者や教職員及び地域住民等の目の届きにくい場所・時間帯をどのような方法でカバーしていくかは極めて重要なことであると言えると思います。
 そこで政府は平成15年7月、内閣官房都市再生本部を事務局とし、警察庁、文科省及び国交省によって構成された防犯街づくり関係省庁協議会が「防犯街づくりの推進について」を策定・警察庁では本年4月に「安全・安心街づくり推進要綱」を改正し、新たに「道路、公園、駐車・駐輪場の整備、管理に係る防犯上の留意事項」を策定。また、「共同住宅に係る防犯上の留意事項」の一部を改正し、街づくりの観点から防犯対策の強化を推進していくこととしました。
 以上の施策を踏まえ、警察庁としましては住宅等の防犯性能の向上や防犯に配意した道路等公共設備の整備を関係省庁等と一層連携を密にして検討し、その整備、維持、管理を継続していく所存です。
 その2は街頭緊急通報システム等の整備についてです。街頭緊急通報システムというと、あれ、と思う方が多いと思います。スーパー防犯灯となると聞いたことがある方も多いと思います。いわゆるスーパー防犯灯のことなのです。これはどのようなものかと申しますと非常用赤色灯、非常ベル、防犯カメラ、インターホン等を備えた防犯灯です。緊急時に警察への通報及びその周辺の画像を警察署等々に伝送することができるシステムのことです。
 平成13年度及び14年度は国費によるモデル事業として、さらに平成15年度からは国の補助事業として整備が進められ、16年度以降は各都道府県警察の県費で整備が進められ18年の3月末現在、全国49地区において473基が運用されています。このほか地方の独自事業として7府県25地区で合計193基が運用されております。
 一方、子ども緊急通報装置というのがまたあるのです。これは非常に似ているのですが、非常用赤色灯、非常ベル、通報者撮影カメラ、インターホン等を備えた装置で、通学路や児童公園等に設置され緊急時に警察へ通報できる装置です。この装置も平成14年度に国費によるモデル事業として、16年度は国の補助事業として整備が進められ、今年の3月末現在、全国55地区で計378基が運用されています。このほか大阪府では府の独自事業として6地区で27基が整備、運用されています。
 この両システムを使用した警察への緊急通報により、公然わいせつ事件や放火事件の犯人逮捕につながった例もあり、事件の早期解決に一定の効果を発揮しているということは言えると思います。今後とも国民、全国警察及び関係省庁等の意見を拝聴しながら両システムの整備、拡充をしていくことを含め、この両システムについて多角的に検討を進めてまいる次第です。
 第5としまして警察と学校等との連携の強化についてです。その1は立ち寄り警戒の強化ということです。制服警察官による学校等周辺及び通学路のパトロール強化による犯罪抑止効果は既に再三申し上げている通りです。しかし、平成13年6月8日に発生した未曾有の惨事とも言うべき大阪教育大学付属池田小学校における殺傷事件を始め、学校に不審者が侵入する事件が依然として後を絶たない現状にあります。
 これも本当に痛し痒しのところがありまして、学校を果たして要塞化していいのかという問題もあります。市区町村によっては学校が一時避難場所となっている所が多いのです。要塞化してしまって何か災害が発生した時は入れなかったとか、それは文科省のほうでも痛し痒しの面があるのです。そうはいっても、このような現状を垣間見れば従前通りでいいとは言えないことは事実です。
 要塞化とまではいかないまでも学校に対する不審者の侵入する手立ては私の子どもが通っていた小学校でもリボンをつけるとか、そんなお金のかからない程度のものです。それでもやらないよりはましだ、ということで必ず受付に寄って先生あるいは用務員の主事さんからリボンをもらって入るとか、そんなような対策を取っていた記憶があります。
 今、小学校、幼稚園等においてボタンを押すだけで警察の通信指令本部にダイレクトにつながり、各県本部の通信指令本部の係官と通話ができるほか、同本部でどこの学校、幼稚園で緊急事態が発生しているのかが瞬時にして判明する「学校110番通報装置」の設置が急速に普及しているところです。
 その2は通学路における被害防止対策の徹底ということです。これも先ほど冒頭に申しました通り、約6割強が登下校時間帯において不審者に声を掛けられているということからすれば、通学路等における被害防止対策の徹底ということは当然と言えると思います。
 警察庁では特に通学路における子どもの被害防止対策を推進するため、文部科学省とも協議を進め、平成17年12月6日付で警察庁は各都道府県警察本部へ、文部科学省は全国の教育委員会へ両省庁の通達を添付して、それぞれの地域の管内情勢に応じた防犯活動を指示しました。
 具体的には警察官によるパトロールの強化、小学校の校区を単位とした防犯パトロール隊の編成、地域安全マップの作成の支援、被害防止教室の効果的推進、集団登下校の実施及び防犯ブザーの携帯の依頼、これはもう市町村によっては無償で配布している所もあります。あとは路線バスをスクールバスとして活用した安全確保対策の推進等々の施策を引き続き関係機関と連携を密にして確実に実施するよう、全国警察に指示を徹底したところです。
 その3は被害防止教室の推進ということです。私の所属しておりました警視庁では被害防止教室をセーフティー教室という呼び方で警察署の生活安全課を中心として管内の小学校とか中学校、幼稚園等々で実施しておりました。実際に私は生活安全課長としてこのセーフティー教室を担当しておりましたので、その体験を基に話を進めたいと思います。
 これは1部と2部構成で実施されます。第1部は子どもを対象としており、教職員、生活安全課員及び子どもらによる良い事例、悪い事例を織り交ぜたロールプレイ、劇を実施しております。ロールプレイはいろいろなケースを想定して、下校途中とか、あるいは一人で留守番中とか、マンションに住んでいる子どもが自宅マンションのエレベーター内とか。過去の被害事例に基づいた内容のものを良い事例、悪い事例を織り交ぜて、子どもの興味をひく上においても若干おもしろおかしく、3〜4遍実施しております。
 終了後、各ロールプレイについてどの点が良かったのか、あるいは悪かったのかを子どもを参加させ、かつ、子ども自らに考えさせて答えを導き出させる。そうした授業手法を駆使して子ども達に危機回避能力を身につけさせることに重点を置いた内容としておりました。
 そして、第1部の最後に東京都教育委員会と警視庁が提唱している「いかのおすし」という言葉を不審者等に遭遇した際に大きな声を出せる訓練を兼ねまして、子ども全員に大声で唱和させて第1部を締めくくっておりました。
 さて、この「いかのおすし」という言葉の意味、ご存知の方はいらっしゃいますか。そうですね。既にご存知の方もいらっしゃいます。「いかのおすし」の「いか」は不審者等について行かないの「いか」。「の」は不審者等の車に乗らないの「の」。「お」は不審者等に連れて行かれそうになったら大きな声を出すの「お」。「す」は不審者等からすぐに逃げるの「す」。「し」は不審者等に遭遇した事実を保護者等に知らせるの「し」。
 この言葉をくっ付けて「いかのおすし」という言葉にしております。子ども達にもすぐに覚えられるように工夫された言葉となっており、保護者等々からも好評を博しているしだいです。
 第2部は子どもは各教室に帰します。体育館、講堂等々で保護者、学校関係者、教育委員会及び地域住民等との意見交換会をフリートーキング形式で実施しています。警察から特に学校当局に集団登下校の要請並びに教職員、保護者及び地域住民等による子どもの登下校時間帯に合わせた見守り活動を実施していただくことが子どもを犯罪から守る最良の防犯対策になるのだということを強調してお願いをしておりました。これが先ほど申し上げました83運動です。
 要するに、人の目が一番、子どもを犯罪から守る最良の方策になるのかなと言えると思います。これはまた後ほど申します。
 話は変わりますけれども、先ほども申しました通り全国的な盛り上がりを見せております自主防犯活動。これを長続きさせていただくための一つの考え方について生意気ながら付言させていただきたいと思います。
 それは、何々しながらの防犯活動の勧め、ということです。子どもを見守る活動など自主防犯活動を支えているのは皆様方の正義感、使命感、そしてちょっと大げさになるかも知れませんが自己犠牲の精神だと思います。世の中を少しでも良くしたいんだという。そのようなことから、防犯活動を始めることより継続させることのほうが難しいのが現実です。私も署の安全生活課長をやっていた時によく耳にしていた言葉です。
 そこで、私はこのようなお話をさせていただく機会があるごとに、何々しながらの防犯活動の勧めというお話をさせていただいております。それは、例えば子どもの登下校時間帯に合わせてお散歩をしていただく。家の前の掃き掃除をしていただく。隣近所の方などと立ち話をしていただく。犬の散歩、あるいは83の時間に合わせたお買い物。朝の8時からというのもなんでしょうけれども、夕方下校時間帯でしたらお買い物をしていただくとか。
 確かに、6月ぐらいになると暑いから午後の時間帯に散歩なんかしていられないということもあるでしょう。朝の6時とか涼しい時間帯に散歩したいというのも重々分かるのですが暑さ対策等々をしっかりとられて、ちょこっとでも街に姿を出していただくことが子どもを守る究極の安全対策になるというご理解をいただければと思います。
 この83運動の時間帯にこのような何々しながら、ご自分の用事を足しながら防犯活動を実施していただければ、それほど気持ちの上で負担に感じることなく活動を継続していただけるのではないかと生意気ながら思う次第です。防犯活動を息の長い活動としていただくための一つの考え方として参考にしていただければ幸いに存じます。
 長くなりました。最後になりますが、空き巣などのいわゆる侵入窃盗を繰り返していて逮捕されたある大泥棒のお話を紹介します。
 泥棒いわく、人の家に盗みに入る時に一番怖いのは住民の目だ。住民に見つかり通報されて捕まることが一番怖い、と取調官に供述していたそうです。やはり、再三申しました通り、地域の力、地域の連帯感こそが子どもを守ることや、空き巣などの犯罪の抑止に大きな効果を発揮することが、この泥棒の話からもご理解いただけると思います。
 本日ご臨席の皆様方にも、どうかそれぞれの地域、職域におかれまして、より一層の防犯活動の輪を広げていただきますことと、ご家族を含めました今後ますますのご多幸、ご健勝を心よりご祈念致しまして結びとさせていただきます。本日は取りとめのない話を最後までご静聴いただきまして、誠にありがとうございました。(拍手)


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