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防犯ボランティアの活性化事業 「中央研修会」報告書

 事業名 防犯ボランティアの活性化事業
 団体名 全国防犯協会連合会 注目度注目度5


 (質問)「私のところでも団地の中で抜ける道は1本しかないのです。そのリーダーの人が私達はそういう手がないから監視カメラを付けようと言うのです。とても付けるだけの資金もありませんから駄目です。今ほかの所では撮っていますが、地域の方にしてみるとできるだけ自分の手を出さなくて。要は警察のほうへ予算を要求しろと言われるのですが、とても追いつかない。」(研修生)
 団地のほうは難しい。どこでも苦しみますよ。なかなか思いが伝わっていかない。
 だんだん時間がなくなりましたので、短い時間、あと5分ぐらい、少しものすごく大切な話をしたいと思います。
 最後は子どもの安全は周りでもって見守りましょうねというわけです。それは分ります。特に幼い子ども、小さい子どもにつきましてはこうなるのです。(被害)安全基礎体力というのは15歳になったら大体自分で自分の安全は守れます。だけどゼロ歳の子どもは、その子の家庭とか地域とか警察とかが守っている。ですから一番大切なのは何か。安全基礎体力を付けなくてはいけないのは幼稚園から小学校1年にかけてなのです。なぜか。
 幼稚園までは保護者もしくはそれに準ずる人達が送り迎えしていた。しかし、ある4月1日という日をもって、その子はランドセルをしょって学校へ行かないといけない。この時に初めて子どもは独り立ちしていくわけです。ここの独り立ちの時にしっかり基礎体力を付けないといけないのです。1年で365日安全・安心なんて考えるなと僕は思う。それも大切だと思うが、やるべき時にきちんとやっておく。そう思います。
 逆に言えば、例えば小学校3年、4年の時に変な人を見たら逃げろ。変な人を見たら逃げろと言うなら僕らをみたら子どもは皆逃げていく。もっと言うと、そんな子どもが育っていって20歳、30歳になっていった時にどんな社会ができるわけですか。僕はそんなのは嫌だ。
 変な人を見たら逃げろというのではなくて、変な人とはこういうことなんだよとか、変な場所というのはこういうことだよということが、はっきり頭に入るまではそんなことを言うことはない。むしろ大切なことは、この時には大切な人がいるんだよ。あなたのことを一生懸命見ている人がいるんだよということをしっかり教えなきゃいけない。
 変な人ということが分かるためには、変じゃない人はこんな人だよということをまず教えないといけない。そういうこと無しに変な人を教えるのは僕は嫌だ。幼稚園の時に、皆一人ひとりが大切な人なんだと思う気持ちが大事。だからよく言う、そっと子どもを抱きしめてあげなさい。そういうことを積み重ねなさいということなのです。
 そして幼稚園に行く、幼稚園から小学校に行く時に、そっとそういう人だけではないんだよということを教えればいい。変なことに遭いそうになったら逃げるんだよということをそこで教えればいい。
 本当はこういうゼロ歳から15歳までの安全基礎体力を作る安全カリキュラムというものを作らないといけない。これは学校に期待したって駄目だ。地域が作りなさい。地域ごとにいろいろなものが違うはずだ。だけど、こういうふうに考えればいいよという基礎的なものは、もうでき上がった。もし良かったら後で松原専務理事のところにメールを打ってくれれば送ってあげますよ。
 今年、文部科学省での特別研究でそれをやることになった。皆、がんがんやっています。資料をどんどん送りますよ。言ってください。それを見れば大体僕らが言いたいことが分かる。そこで、時間がないからどんどん行くけれども、まず安全基礎体力の一番最初はあなたがおっしゃったように逃げるということ。あなたは逃げるということではなくて歩き方を言った。全くあなたの言う通り。まず、逃げる。叫ぶ、鳴らす。これが3原則です。
 逃げるといった場合、一番の問題は誰から逃げなくてはいけないかというのがはっきりしない。よく言う。知らない人から逃げる。あれは駄目なのです。知っていたってやるんです。隣のお兄ちゃんが一番危ないかも知れない。ではどんな人から逃げなくてはいけないかというのは、やはり地域ごとに考えなくてはいけない。少なくとも言えることは、先ほど言ったようにその場、その人、その時に似合わない人しかいない。
 そして変な人と不審者と危ない人は違う。変な人というのは知っていても変だねえという人。それは障害者だって変かも知れない。言葉がうまくしゃべれない人もいるかも知れない。それは変な人だ。だけど不審者ではない。その次の不審者の場合はよける、回避するという行動。走って逃げるしかない。だけど危ない人というのは向かって来る。不審者であって向かって来る。
 もっと言うと、向かうというのは単にガーッと体でもって向かって来るのではなくて、言葉を掛けるということも一つのコミュニケーションです。コミュニケーションを取ろうとする。その場、その時、その人が似合わない人。これもコミュニケーションを取ろうとする。しゃべり掛けてくる。しゃべらなくても歩いてくる。これは危ない人なんだ。この時には走って逃げろと言うのです。
 こういう分け方をきちっとしなくてはいけない。そういうのは小さいマニュアルでいいから作りなさい。それに何を書かなくてはいけないかというのを僕は持っていますから、いつでもメールで送ってあげる。
 まず、逃げる。では、どのぐらいの所にいて逃げたらいいのか。
 例えば私とあなたと走る力が違う。若いあなたのほうが速い。例えば子どもだって、子どもと大人といえば走る力が違う。目の前から走って逃げたってすぐ捕まる。だから、ある距離を置かなくてはいけない。ある距離を置きながら、どのぐらい逃げ通せばいいのかということになる。
 ここに子どもがいる。この子どもはどこまで逃げればいいのか。延々1キロも2キロも逃げる。そんな馬鹿なことはやめよう。少なくとも20メートル。先ほど言った20メートルと同じ。犯罪者は20メートルの中に入っていくと急速にやる気をおこす。逆に言えば、20メートルを超えると急速にやる気が無くなる。だから、言えることは20メートルをともかく逃げろ。それだけの力を付けろという話なのです。
 先ほど言った、幼稚園から初めて小学校に行って、そして3年生にまでなる子どもがどのぐらい間を置いておけば、その20メートルを逃げ切るかという話。
 実は実験というのは科学的な測り方をしなくては駄目なのです。誰もやっていない。ぜひやってください。あなたは何メートル走れますか。この変な人が何メートルまで来た時に、この間に何メートル置いた時にこの子は20メートル逃げ切ると思うか。手に何も持っていない。背中に何もしょっていない。登下校の途中ではなくて、ともかく身軽な時に4メートル。男の子も女の子もなし。4メートル。4メートルとはどのぐらいか。分からないよね。
 私達大人も含めて、子どもの距離感覚が急速に無くなったのです。それが昔だったら例えば、このぐらいだったら危ないとか、鬼ごっことか何とかから学んだ。そういうものがない。素朴な地域の遊びを通して教えてあげる。教えるのは大切なのです。
 今4メートルと言った。ところが子どもがランドセルをしょって、手にバッグを持っていたら6メートル必要なのです。小学校3年の子どもで。このぐらいかな。逆に言えば、先ほどあなたが話し掛けようとした子どもが道を歩く時にふざけてもいい、登下校の時は楽しいとは思う。だけど、少なくとも6メートル向こうを前を見ながら歩かなくては駄目だ。お遊びに行った時は4メートル前を、ちらちら見ながら歩かないと駄目だ。もっと言うならばやはり登下校の時ぐらいは、きちんと前を見て歩いて行く。そういう歩き方を教えないと駄目なのです。早くおうちに帰ろう。それで、まず帰るということが必要なのです。
 この前、いまだに立派な畑がある都内の某所で朝、子どもが校長先生、大変だ。変なおじさんが包丁を持ってブラブラしながら道を歩いていると走って来た。それで校長は役に立たない刺またを持って走って行った。先生はバットを持って走って行った。確かにいた。変なおじさんが包丁を持ってブラブラ歩いていた。御用だ、と皆でやった。
 そのおじいさんはえらくいばって、お前達はおれのことを知らないのかと言った。何と聞いたの。おれはここら辺全部持っているんだよと言う。その大地主のおじいさんがキャベツを採りに包丁を持って行った。確かに、おじいさんがよろよろ歩いているのを皆で御用だとやった。おじいさんは怒って、もう来年からの寄付は無しと言った。(笑)やはり人間というのはもう少し冷静になっていくことが必要だね。
 もう一つ、叫ぶ。叫ぶというのを言わない人がいる。ウォーと言えとか、火事だと言えとか女房の名前を呼べとかいうのがいるけれども、一番いいのはやはり「助けて」でいいの。力いっぱい。子どもは発声の練習をしているようで、本当は最大の声は出ていません。だから、体が震えるほど、一度練習させること。
 そうすると、幼稚園の時にやったその経験はいざとなったら20歳でも利く。これは事件の時に女の子がやった。声を出した。出せる。身体が震えるほどでないと大きな声にはなっていないというのが分かる。
 それから、声を出すだけでは駄目なのです。助けてとか言いながら手足を振る。つまり、耳で知らせて、喉で知らせて、目で知らせる。これが大切なのです。走る、叫ぶ、そして例えば、防犯ブザーを引く。防犯ブザーをこんな所につけていたら駄目なのです。というのは皆さん方がやってみたらいい。バッと人間が行った時に正面から抱きつくか、後ろから抱きつくか、いずれにしろ手を抱え込むのです。そうした時にこの手は上に上がらない。
 だから一番いいのは、もちろん前を見て、問題点の前6メートルぐらいを見ながら、おかしいなと思った時は防犯ブザーを引き抜く体勢を取らせる。だけど、普段からそんな子どもを作りたくないよね。でも、やるならばこの腕が動くこの範囲内でもって付けさせなければ本当はいけない。
 ブザーも鳴っただけでは誰も来ない。やってみてください。鳴ったって、エッという感じですよ。鳴らしながら声を出す。手は押さえられている。声を出せ。やったら殺されると言う。やらなくたって殺される。ほかには聞きたくはないですか。いっぱいしゃべりたいけど、今日はこのぐらいにしよう。(拍手)
 松原専務理事のほうから何か、もし必要でしたら私のメールアドレスを聞いてください。
 
 司会
 先生には多岐にわたるご講義をいただきまして、本当にありがとうございました。今日は本当にお忙しい中、ご講義をいただきましてありがとうございました。もう一度先生に拍手を。(拍手)


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