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防犯ボランティアの活性化事業 「中央研修会」報告書

 事業名 防犯ボランティアの活性化事業
 団体名 全国防犯協会連合会 注目度注目度5


 端ほど経済的に辛い時代を今迎えている、子育てを含めて。端ほど身勝手な見なくてもいい、聞かなくてもいい情報が一挙に走り回っているのです。そういう崩れた中において一挙に子どもをなぐさみものとする犯罪が起こっている。そういう時代ではないかと私は思うのです。多分間違っているとは思います。間違っていてもらいたいと思います。
 だけど、はっきり言えることは、皆さん方のはずれの小さい街でも同じような事件は今は起こっても不思議ではない。事件が起こったところでは、まさか、と皆言っていますよ。もしくは、そう言えばと。「まさか」、「そう言えば」ということをやられているのです。
 それで、事件現場を見てみよう。(パワーポイント)これは広島です。広島の方はおられますか。どこですか。「私は東広島市です」。(研修生)じゃ、近い。30キロぐらいです。ここが起こった小さい街です。この赤いのが引ったくりの発生現場です。この事件が起こった直後に行きました。
 この安芸区の小さい街です。それは呉に近いということで昔の海沿いの街というのはそうだったのです。急に山にかけ上がるでしょ。かけ上がる手前の海を埋め立ててきて、人を住まわせていた。この女の子は関東のほうから移って行って3ヵ月程経ったところでやられたのです。その子はどこに住んでいたか。海沿いの公務員宿舎に住んでいて、埋められた所を歩いて行って、この山の上のこの学校に通っていた。片道2キロの道を歩かせた。
 もう街づくり、学校づくりは、僕はやはり考えないといけないと思う。ランドセルしょって、この道をこの山を。これは死体が捨てられていた所です。これは学校の門です。サカキバラ事件の時と同じなのです。山あいの上にある学校というのはやはり出入り口が限られる。
 サカキバラ事件の時は細い道路が三差路のような形で流れていた。この場合はこの正門からの道が一本しかない。正門の前の道を下りて行く。この辺は木が1本。両側はすごく高い切り立ったがけ状の道がある。この道をずっと下りて行くと、真っすぐ行く道と折れ曲がる道がある。折れ曲がる道を彼女は歩いていた。折れ曲がる、そして階段を下りたあとにここがある。これは通学路なのです。
 そして実はちょっと見にくいけれど、ここにお墓がある。つまり、ここの通学路のこの両側は人が住んでいないお墓だった。お墓の道を歩かせた。そして手前に公園がある。痴漢に注意ですよ。常に痴漢が出る。その道を彼女は3ヵ月歩いた。階段を下りた。下に交番がある。大体人間の監視は本来、上から下を見ることは容易だけど、下から上を見るのはほとんど力がない。
 この道をずっと歩いて行きます。そうすると立派な家が並んでいる。どうしてか。昔、この辺はかもじといって女性の付け毛というものを盛んに作った作業所なのです。みんな大金持ちで、いい家がずっと並んだ。ところが何が起こったか。1980年代から1990年代にかけて、まずそのかもじ産業がつぶれていった。そして若い者は職がないから外に出て行った。この家を維持することができなくなった。
 それで目がない。それまでは、この窓からこの道路を通る子ども達、道路で遊ぶ子ども達を皆で街で見守った。その目がなくなった。そして皆はどうしたか。ここにブロック塀を建ててわが家だけ良ければいいという町づくりになってきた。そして最後に何が起こったか。一つずつ家が消えていった。その後空き地になるか、もしくはここに見えるようにアパートになっていった。誰も責任を取ることのない空間がどんどん町の中に広がっていった。
 だけど地元の人にとってみれば、まだうちは伝統的な街よ、という思いだけはあった。その「ずれ」がバシッと突かれた。こういうふうになっていったわけです。
 それで、この道は通学路。犯人は無職の外国籍の男性です。そういう男性がいつの間にか住み始めて、いつの間にかここら辺でぶらぶらしているということを誰も注意しない。そういう町になってしまった。そしてこの犯人はここに、この石に座っていた。そして女の子が向こうから帰ってきた。
 その時に犯人はチャオと気楽に声を掛けた。そのチャオと声を掛けたのを誰も見ていない。誰も見る人の目がなかった。そして、ここで犯人は「僕の部屋に行こう、もっと何かある」と言った。そして犯人がこの道を横切って、ここの外階段を上がってこの部屋に入った。そこで絞め殺された。誰でも見えるんだ。見る人がいれば見える。しかし、誰も見ていない。
 唯一ここにいた82歳か何かのおばあさんが、実は家族から離れて一人で住んでいた。そのおばあさんが自分の台所のすりガラスに影が映ったのを見ていた。後で僕は聞きに行った。おばあさんは何と言ったか。「私は足が不自由だけど、どうしてあの時私は声を掛けなかったのか。」こんな事件です。
 日光に行きます。これは日光街道です。ちょっと入ります。彼女の通っていた小学校がある。彼女が通うことになったであろう中学校もある。そういう道を真っすぐ行く。そうすると三差路にぶつかる。とてもきれいな田畑。私はこの今市は大好きです。この前今市へ行って市長と会って話した時に、私はここに住みたいと言った。いい街です。広い田舎の田園が広がっていますよ。
 しかし、この道を真っすぐこう行きます。そうすると皆さん方は見たと思う。ここの所。ここが犯行現場だと思っている人が大勢いると思う。実はここじゃない。ここで報道陣をカットしたから報道陣はここからテレビを映す以外なかった。ここで女の子は「じゃあね、また明日」と言って、友達はこっち側に行き、本人はこっちに行った。分かれ道だったのです。ここで彼女を見たのが最後だった。
 それでこんな道を行くわけです。いい所です。何か本当に失われてきた日本の農村が広がっていますよ。私は住んでもいいと今でも思う。そしてこの杉木立の中を抜けて行く。そうしますと、真っすぐな道が出てくる。そしてここら辺、バブルの時にいろいろなすごい開発をやったのです。だけどバブルがはじけて開発の跡だけ残して人は住んでいない。
 ただ、ここに1棟の木造住宅がある。その向こうに1戸の2階建ての住居がある。そういう所なのです。こっちが田んぼ。女の子がずーっと歩いて来た。においが残っていた。警察犬で追わせたら、においが残っていた。そして突然、この電信柱の所でもって女の子のにおいがなくなった。犯罪はどこでも起こる。ここです。ここまではずーっとにおいがあった。
 この道はこう行くと、まあ普通の通学路なのです。だけど、この子の家はこう行ったこの先の新しく開発された新興住宅街だった。この新興住宅街から早く学校に行こうと思えば、この真っすぐの道を通るよりも裏道のこの林の中を抜けたほうが早い。それでこの子は時々、という表現をしていましたが、この道を歩いていたというわけです。
 非常に象徴的なのですが、こういう道なのです。すごいゴミが捨てられている。無責任なんですよ。ゴミがある、落書きがある。それはわれわれが理論的に言うならば、次の大きな犯罪を生み出す素地となる、ということを言う。
 それもあるかも知れないけれども、なぜ落書きが嫌で、なぜゴミが嫌なのかというと、そこでは何でもできるということを表している。場合によっては人の嫌がる犯罪だって出来るということの表れなんです。ゴミは許さない。うちは落書きはさせない。これはやはり大切なのです。それは私たちは嫌だとはっきり言えばいい。ここでゴミは捨てるなと。だけど、この周りはゴミだらけ。自動車から冷蔵庫から何でも捨ててある。そして上の方に高速が通っているのですが、こういう中を女の子は歩んでいった。
 つまり、昔で言えば人間関係が濃くて、そして犯罪も起こらなかったけれども、こういう街でも起こる。そのベースには何があったか。町が壊れた。そこのところをやはり皆さん方はそういう町の壊れがどこにあるのか。どういうことが言えるのかということを、やはりきちんと見ていく。皆さん方はやはり定点観測。定まった目でわが愛する町を見る。大切なのはそういう観測する目です。
 この前、今市へ行って少しお話ししました。その前にNHKで特集を組んだ時に行って、これだけは言わせてくれと言ったのです。それはあなたの横にきっと犯人はいる。
 イギリスでものすごい犯罪が起こった時に、カメラがあったけれどカメラが吹き飛んだ。
 しかし、きれいに映った画面があった。1週間後にそのカメラの映像を基にしてテレビで、あなたの横に犯人はいるとバーンとやりました。
 次の日犯人は捕まりました。やはり情報を出していいのだ、これからの犯罪もそういう情報戦争だということ。情報戦争というとき、どういう情報を犯人に出せばいいかというと今までのように「気を付けよう暗い道」のような看板を出してもだめです。
 逆にそういう看板を何ヵ月も何年も出して看板のめくれていったものを置いても、かえって犯罪者はやりやすい。気持ちがだれている。やりますよ。むしろ、短い間でいいから1ヵ月、先ほど言ったような前兆現象のあった1ヵ月なら1ヵ月、2ヵ月なら2ヵ月の間スパッとやるのです。攻撃的防犯。
 どういうことか。二つある。一つは目に見える形で。もう一つは相手に攻撃的な情報を出す。われわれは見ている。われわれは動ける。われわれはここで捕まえた。そういう攻撃的な。そういうものは刺激的ですから、あまり長いこと置いたって、効果はない。だから1ヵ月なら1ヵ月、2ヵ月なら2ヵ月と切ってしまう。そして引き上げる。攻撃的な。そういうことなのです。今までのところで何かありますか。
 (質問)「今攻撃的にやるとおっしゃった、1ヵ月とか何か。ある程度長期にやらないと住民に浸透しないと思うものですから、私の所では先生と反対に長期的に、それでできるだけ皆の意識を盛り上げながらと思ってやっているのですけれども。」(研修生)
 おっしゃる通りです。私が言ったのは対反対説。そういうパンフレットやポスターみたいなものがある。もう一つ別に地域の人、特に住んでいる人達への一つの教育的なものとしてあります。だから、私が言いたいことは今までこちらの教育的なところだけは皆やっていた。そうではなくてもう一つ、こちらにあるのではないかといことです。いいことです。やはり必要です。
 それではっきり言っておく。今まで皆、こういう問題は警察にまかせておけばいいと思っていた。だから急に立ち上がって皆頑張れといって誰が行きますか。やりませんよ。だけど、そういう人をなるべく育てていかないといけない。だから皆さん方は多分、そこら辺で苦労していると思う。一緒に行こうや、スクラム組もうやと言っても、いや、やる気のある人達がやって働きに行かなきゃ行けない。お金は出すからやって。こんな話になっている。


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