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●第52回全国里親大会報告
 
 昨年の10月1日(日)、神奈川県横浜市で第52回全国里親大会が開催されました。参加者は総勢700人。雨模様にも関わらず会場は熱気に包まれました。
 10時、神奈川県里親会の星野崇会長の開会の辞に続いて主催者、行政、来賓の方々のあいさつがあり、表彰式がありました。
 その後、厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長の藤井康弘氏より行政説明。行政の取り組みの現状を話していただきました。
 昼食をはさんで午後からは基調講演。東洋大学社会学部社会福祉学科教授で日本社会福祉学会会長の高橋重宏氏に「子どもの権利からみた里親制度−社会的養護におけるあり方」というテーマでお話をいただきました。
 日本の施設中心の児童養護と先進国の家庭を中心にした児童養護の違い、子どもの権利としてみた場合にどのような児童養護のあり方が望ましいのか、など。子どもの権利の視点から、児童養護についてきちんと話していただいたことで、原則的で大切な児童養護のあり方を学ぶことができました。今回の大会の大きな収穫であったと思います。
 基調講演の後、高橋氏をコーディネーターにシンポジウムが行われました。テーマは「里親制度を地域でどう支えるか」というもの。パネラーにはお医者さんや元小学校の先生という方もいらっしゃって、具体的な話を聞くことができました。
 最後に全体会が開かれ、一昨年の大会主催県沖縄から大会処理の報告、さくらネットワークプロジェクト(全国里子会)の活動報告、全国里親会から里親制度の推進に関する要望、次回開催県の岩手からあいさつがあり、4時半に終了しました。
 
大会プログラム
1 開会・式典
 
2 行政説明
厚生労働省雇用均等・児童家庭局
家庭福祉課長 藤井康弘
 
3 基調講演
東洋大学社会学部
社会福祉学科教授 高橋重宏
テーマ
「子どもの権利からみた里親制度−社会的養護におけるあり方−」
 
4 シンポジュウム
テーマ
「里親制度を地域でどう支えるか」
 
5 全大会
 
6 閉会
 
行政説明をする藤井家庭福祉課長
 
各分野から5名のシンポジストが参加
 
神奈川県各地の里親会が手作りポスターを展示しました。
 
「顕彰者の方々」
 長年にわたり、里親として、また里親会活動に貢献された方々です。受賞おめでとうございます。
 
全国里親大会会長表彰状(敬称略)
北海道 角田哲也・幸恵
鎌田良二・悦子
中谷孝幸・八重子
岩手県 中嶋弘志・キヨ
福島県 保住進・トシ子
茨城県 林重治・なほ
栃木県 阿久津啓司・マキ子
群馬県 中野京子
埼玉県 野口喜市・通子
飯島博・ひろ子
千葉県 木ノ内博道・まさ子
東京都 舟山幸信・恵子
後藤功一・多美子
山田和伸・寧子
神奈川県 御代川馨一・美和子
岩田幸男・那美子
新潟県 後藤正宏・史子
富山県 砂川芳治・孝子
岐阜県 山北郁二郎・朝子
滋賀県 山添潔・真智子
大阪府 龍本信雄・一子
兵庫県 阿部浪郎・幸子
菅長義文・明美
島根県 島田力・二三子
岡山県 古屋野泉・笑子
広島県 横山光志・良江
山口県 佐伯文雄・孝子
徳島県 幡鉾竹夫・吉田悦子
熊本県 松浦征六・多津子
大分県 引田正信・俊子
宮崎県 入田長生・米子
沖縄県 兼城賢一・カツ子
さいたま市 原澤正吉・一子
千葉市 山口秀雄・八千代
川崎市 山田光次・郁子
横須賀市 下田均・正子
静岡市 松浦富幸・雅江
京都市 鶴丸主惠・富子
大阪市 塩月則治・澄子
 
全国里親大会会長感謝状(敬称略)
三重県 岸田武・敦子
吉住邦夫・智江美
京都府 神光明・厚子
兵庫県 千谷忠弘・照美
広島県 浜本廣
仙台市 片桐葉子
 
記念品を受け取る受賞者
 
●前日に全国里親研究協議会が開かれました
 全国里親会の開催された前日、9月30日(土)には全国里親研究協議会が開かれました。セレモニーの多い全国大会だけでなく、参加型で討議したり、みんなで学びあおうというのが趣旨。会場となった上大岡のウイリング横浜に380名が参加し、熱心な討議が行われました。
 内容は、下記の6つの分科会と子どもだけの会合の7つ。
 
(1)第一分科会:里親いちねんせい−未委託の里親、養育を始めて間もない里親の分科会。
(2)第二分科会:地域の中での子育て−小さな子どもの養育と地域、がテーマ。
(3)第三分科会:里子の思春期とどう向き合うか−里子の自分探しにどう付き合うかがテーマ。
(4)第四分科会:自立支援制度を知る−各種支援策の紹介。
(5)第五分科会:子どものライフストーリーとは?−里子のライフストーリーブックを作ることによって、里子の過去に向きあうのがテーマ。
(6)第六分科会:子どもの立場から見た社会的養護とは−子どもの権利を実現するための社会的養護について考えるのがテーマ。
(7)さくらネットワークプロジェクト−里子、養子、元里子、あるいは施設の子どもたちが自由に本音で話し合う。
 
 分科会終了後、全体会が開かれ、それぞれの分科会の報告がなされました。
 どの分科会も熱心に討議され、その熱気は翌日の里親大会に持ち越されました。
 神奈川県里親会では、現在報告書を作成中ということです。


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