統合失調症の薬物療法の基本方針
1. 抗精神病薬の使用指針
1)鎮静を目的とした抗精神病薬の使用は避ける
→抗精神病薬の大量投与は行わない
→錐体外路症状や遅発性ジスキネジアの発現さらに認知機能も低下させる
→大量投与・高用量投与は患者の回復を阻害する
2)抗精神病薬の併用投与は避ける
→抗精神病薬同士の併用は避け、単剤で治療する
→多剤併用が有効であることを証明する根拠はない
→大量投与につながりやすい
2. 抗精神病薬療法の効果をあげるために
1)興奮や情動の不安定化への対応はベンゾジアゼピン系薬剤もしくは気分安定薬(パルプロ酸、炭酸リチウム、カルパマゼピン)を併用する
→抗精神病薬の増量による対応は、大量投与による副作用を利用した管理だけを目的とした処方行動であり、患者の回復には阻害要因にしかならない
2)用量に関してはD2受容体を70%程度占拠する量を目安とする
→リスペリドン=2〜4mg、オランザビン=10〜20mg、ハロペリドール<10mg
石郷岡 純, Schizophrenia Frontier, 2(4): 234-238, 2001
抗精神病薬の閾値
症状改善度(BPRS: Brief Psychiatrec Rating Scale)
幻覚による行動
緊張
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