3-2-2 乗務員アンケート
車いすの乗降、固定装置全般に関する乗務員から見た利用実態・ニーズを把握するため、バス乗務員の方(122人)ヘアンケート調査を実施した。
(1)調査の概要
(1)対象者
バス乗務員の方(122人)
(2)調査方法
別添. アンケート用紙による自記入式
(2)調査結果
(1)車いす使用者の利用、介助(スロープで乗車から車いす固定までの流れ)で配慮している点
「できる限り歩道に近づけて停車する」等が3つの選択肢で90%を超えた。
「固定ベルトの装着をして良いか確認する」は、79.5%。
図3-16 車いす使用者の利用介助での配慮点
回答者数:121人<複数回答> |
<その他の内訳>
・走行中もミラー等で利用者に注意を向けている
・バスのドアと歩道ガードレールの切り欠きが必ずしも合っていないバス停が多いので気を付けている
・やむを得ず歩道に車いすを降車できない時は、了解を得て安全に車道から歩道に向かっている
・あせらず、ゆっくり、ていねいに全てに関して案内する
・バスの降車口がガードレールの乗降口に合わない時にはやり直す
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(2)乗降用スロープの設置・乗降・車いす固定に要する時間
停止位置を確認してから車いすを固定するまで(Step1+2)に、平均して5〜6分かかっている。
図3-17 乗降用スロープの設置、乗車に要する時間
Step 1
図3-18 車いす固定に要する時間
Step 2
図3-19 車いす固定解除に要する時間
Step 3
図3-20 降車、乗降用スロープの格納に要する時間
Step 4
※固定については、その詳細な操作方法まで設問上設定していなかったため、極めて短時間で固定が完了しているケースが見られる。しかし、乗務員や利用者ヒアリング等から推察すると、3点式のベルト固定の所要時間だけでなく、車いすのブレーキと横ベルトのみの所要時間が含まれていると考えられる。
(3)車いすを使用した乗客から車いすの固定を断られた割合とその理由
乗務員が車いすの固定を利用者から断られる割合は「利用者10人中7人〜10人」と回答した乗務員が全体の8割近くを占める。
固定を断られる理由は、「固定に抵抗を感じるから」が最も多く、次いで「時間がかかるから」、「他の乗客の反応が気になるから」と続いている。
図3-21 車いすの固定を断られた割合
図3-22 車いすの固定を断られた理由
回答者数:110人<複数回答> |
<車いすの固定を断られたその他の理由>
・車いすのブレーキで大丈夫だと断られる(4件)
・しっかりとつかまっているから大丈夫だと断られる(2件)
・介添の人がおさえているから大丈夫だと断られる(2件)
・遠慮される
・乗務員に気をつかっている
・車いすがリースで、傷つけると損害金をとられるのでやめて下さいと言われたことがある
・(車いす使用者から)ベルトで縛られたくないと言われる
・やはり、健常者と同様に対応して欲しいという気持ちを伝えられる
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(4)スロープ、車いす固定装置への改善要望とその理由
上位2位までは歩道の構造の改良を求めるものであるが、ほぼ同率で「車いすのベルトでの固定を、短時間にできる装置に変えてほしい」も8割を超えた。
図3-23 スロープ、車いす固定装置への改善要望とその理由
表3-10 その他の内訳
固定装置の改善 |
車いすのフレームで固定する物ではなく、タイヤで固定できるようにしてほしい |
車いす用の輪留めがあれば良い |
車いすのハンドル部分のロック |
電車の連結器のようにワンタッチで固定できるとよいと思う |
固定装置をワンタッチにしてほしい |
ベルト方式でなく、機械式の圧着できる様な装置にしてほしい |
固定装置は折りたたんだいすから出るしくみにしてほしい |
固定ベルトはいすの横などに設置し、シートベルトみたいに引きだすように改善してほしい |
乗用車のシートベルトのように車体から直接ベルトを引き出して固定するようにして欲しい |
ほとんどの方が固定は希望しておらず、自分自身も抵抗を感じる |
車いす固定ベルトは必要ないと思う |
バス停の改善 |
バス停によっては乗降口(ガードレールのあいた場所)が狭いので広くしてほしい |
ガードレールの切れ目を広げてほしい |
車いす使用者への要望 |
電動は非常に重いので、ノンステップバスの時間を調べて、一般車には乗らないでほしい |
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