2-1-2 固定装置
車内での車いすの固定は、急ブレーキ、衝突時など事故防止のための安全性が求められている。
一方、乗務員の操作性向上のために、車いすと車両側の装置がワンタッチで固定できる装置を開発することが望まれるが、わが国のノンステップバスでは、「前向き・3点ベルト式固定」が運用されており、固定に要する時間は約3分以上を要している。
※次世代普及型ノンステップバスの標準仕様での前向き固定の事例
欧州では、車いす使用者が自走して車いすスペースまで移動することも可能な「後向き・背もたれ板式」が主流であり、北米でもACトランジット(カリフォルニア州)等ベルト方式から後向き方式に転換する事業者がみられる。
※ノンステップバス車両における横ベルトのみの車いす固定事例
・標準仕様の3点式ベルト(上記写真)は固定作業が煩雑で、車いす使用者又は介助者が遠慮する等の理由でほとんど使用されていない(第3章を 参照)。
※ワンステップバス車両における横ベルトと輪留めを併用した車いす固定事例
車いす固定スペース
輪留め
※欧州ローフロアバス車両における後ろ向き乗車の事例
後向き・背もたれ板式(バンホール社A309)
車いすスペースの座席は通常折りたたまれている。 |
写真右が車両進行方向→ |
後向き・背もたれ式(マン社Lion's city)
※車いす固定装置の一例
リアロック(英国unwin社)
前向き・片輪挟み込み方式
巻き取り式ベルト
赤い解除レバーを押すとベルトを緩ませ、自動で本体に巻き取られ収納が完了する。20G対応。前後左右交換可能。 |
標準仕様の乗降装置、固定装置を使用した場合の、車いす使用者の乗車〜降車までの手順をフローに整理した。
図2-5 車いす使用者の乗車〜降車までの手順
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