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新規範発見塾 Lecture Memo vol.28

 事業名 基盤整備
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


武力を持つなら安上がりは原子爆弾
 予測その四。交際する相手国を限定して全方位外交はやめる。日本と心が通じる国にだけ投資する。日本と体質や心が違う国には投資しない。つまり相手国を選ぶようになる。私は銀行員でしたが、昔から銀行は当然それをやっていました。あんな国に貸してはだめだと言って断りました。民間でしたからね。だったら、国家もやればいいのです。やってはいるのですが、それは口には出せないらしい。
 「あなたの国は金を返しそうもない国だ。日本から見ると信用できない国だ」というのを発表したらいいのです。外務省はこわいからやりません。通産省だってこっそりやる。だがアメリカはやった。「世界には、ならず者国家が三つある」とか、ハッキリ言う。
 相手にハッキリ言ったほうがわかりやすくていいですね。それを日本人は「みんないい国です。あなたの国も立派です」と言っておいてから、「だめ」と言うから、変に思われるのです。
 だから、全方位の親善外交はやめて、交際相手国を限定する。私がそれを言うと、「そんな急に線は引けない」と言うが、「では、ABCと線を引いて交際の程度を段階的に区分して格付けすればよい」と考えます。ケータイの番号は絶対教えない相手とかは、個人では普通にやっていることです。実際、今にそうなるでしょう。
 予測その五。国連強化が日本の生きる道であると決めて必死でやる。アメリカが逃げていったら、あとは全部引き受ける。国際社会というものをつくる。すでに日本国内には、そういう麗しい社会があります。これを世界に広めるのが理想だ、と、むかし社会党の人は言った。ではそれを本気でやりなさいということです。今はそれもやらずに様子を見ているだけです。常任理事国になりたいと言っているのは、まさにそれです。常任理事国になりたいということは、責任もかぶるということですからね。
 今、日本の外務省は「常任理事国はもっと金を払え」と主張している。もしも二つとも実現したら、日本は常任理事国になって金をたくさん出すぞ――というのは国連を乗っ取るという話です(笑)。無意識にそれをやっている。本当に、それをやるかもしれません。または日本主導で新しい国際機構を、問題別につくることも考えられます。
 予測その六。自分が武力を持つ。そして、世界を取り仕切る。海外派兵もする。これももうやったことです。
 さて、こうした方法の一番安上がりで効果的なのは原子爆弾を持つことです。やっとここまで話が来ました。
 予測その七。今まで国際関係は美辞麗句で飾られていて、その結果、国際金融までも美辞麗句で飾られていた。しかし、こうやって順を追って考えてくると、もう美辞麗句にはだまされない日本人になる。日本国の内部でも、復興援助とか、人道支援、国際貢献、開発援助だとか、友好親善のシンボル的事業で立派なものをつくろうとか、そういうスローガンはあまり通用しなくなってきました。知らず知らずのうちにそうなっています。こんなのはみんなキレイゴトだと気がついてきたからですね。
 一番初期のころは開発援助と言った。ところが、本人に開発する気がないものを援助したってダメです。全部、汚職で取られてしまうだけでした。そのころ、日本輸出入銀行とか、海外経済協力基金などの名前がついているところに呼ばれると、「言葉遣いが全部間違っている」と思いました。開発援助というのなら、ほんとうに開発の可能性がある国だけにしなければいけない。「そういう仕分けをしてから、援助をしよう」と主張しました。
 すると、しばらくしたら、国連がそれをやり出した。国連が仕分けして、言葉をつくった。ディベロップド・カントリー、開発が済んだ国。ディベロッピング・カントリー、いま開発が進んでいる国。もう一つ、その真ん中がアンダー・ディベロップド・カントリー。アンダーだけれどもディベロップドなんです。ディベロッピング・カントリーというのは見込みがない、だめという意味なんです。
 しかし日本はそれを「開発途上国」と翻訳した。
 そうしたら、日本では開発途上国だから現在進行中だろうと国民は思った。とんでもない。そんなもの、現在進行していません。ますます逆になっています。行ってみたらわかる。これは外務省の人だって、通産省の人だってわかっている。「あれはダメだ」と酒を飲んだら言うのです。しかし、予算をとって配ると、リベートが政治家や業者に来ます。自分たちの仕事も増えます。
 
日本の官僚制度がこれだけ続いている理由
 ただし、自分個人ではあまりリベートを取っていないのが、日本国のすばらしいところです。個人では取っていないから、国民は許した。けれども、税金はとめどもなくどこかに消えてしまった。
 日本の官僚制度がこれだけ続いている理由ですが、個人では取らない。ただし、ポストで取る。団体をつくって、そこへ行って月給で取る。
 その団体は何をやっているかというと、仕事なんか全然していない。仕事は全部外注。その外注仕事が私のところへ来ることがある。書き上げて報告に行くと、総裁だ、副総裁だという人が座っていて、勝手に私の意見やレポートのつまみ食いをする。「あなたは、何を働いているのか」という話です。税金を取ってきて、仕事は外注する。さやを取っているだけです。そんな総裁なら要らない、という話をするといくらでもある。
 通産省の友達が出世しようと思って、中小企業大学校というのをつくればさぞやよかろうと考え、制度をつくって、大蔵省へ予算申請をしたら予算がついて、中小企業大学校というのができてしまったことがある。
 その当時、相談を受けるたび、「そんなものつくったって、来る学生はいませんよ。誰が教えるんですか。教える先生もいませんよ。教える中身は何ですか。そんなもの、立ち枯れですよ。結局、あなたの先輩が天下って校長になるだけでしょう」「それでいいんだ」と、実際、そういうのが全国、津々浦々にできた。
 しばらくしたら「来て教えろ」と言う。「ほらみろ。先生はいないじゃないか」。発案した通産省の人が教えるべきなんです。それを外注して、「来て教えてくれ」と言うのはけしからん話ですが、実情調査のため行ってみた。建物だけ立派で、寂しいけれども生徒がいることはいる。中小企業の二世が多い。「あなたは、何でこんなところに習いに来たのか?」と聞いたら、「県庁の命令です」と言う。それで「県庁は?」と聞いたら、「通産省の命令です」。
 だから、命令で学生を集めて、一回何千円ぐらいの先生を連れてきて、それで自分だけは理事長だ、校長だと言って座っている。そういう手の込んだ汚職はするが、露骨には取らない。
 こんなことを何で新聞は書かないのか、テレビで言わないのかと思います。県庁の命令で一年間は習いに行ったが、何にも役に立たなかったと言っている人がたくさんいるのです。なぜそれを報道しないかといえば、県庁や通産省ににらまれたくない。それから「同じようなことは厚生省だって、労働省だって全部やっているのだから、一つだけを報道するのは不公平だ」と言う。では全部やればいい。
 美しい建前に公金が使われていて、中身がない。「それは許せない」と言った小泉首相がやる改革を、国民は支持した。安倍さんも同じ事をやれば支持すると思います。そういう浮動票は地下に眠っている。それなのに、ちょっと遠慮したので支持率が下がったのだろうと思います。


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