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11. 福島県(ふくしまけん)ばんだい荘(そう)あおば和太鼓の会(わだいこのかい) (福島県)
― プロフィール ―
 昭和62年、「知的障がい児施設ばんだい学園」の学園祭に男子6名と職員1名で和太鼓の演奏を行いました。その演奏が好評となり、昭和63年より本格的な取り組みとなりました。当初、行事にむけての練習が主でしたが、平成11年「知的障がい者更生施設ばんだい荘あおば」となってから、和太鼓の会として週に1回の練習に取り組むようになりました。和太鼓を打つことで、一つのことに集中できる力、そして発表することで、日々の生活への自信につながっていると思われます。メンバーの中で自宅へもどられた方、グループホームヘ移られた方がおり、メンバーが少なくなってしまいましたが、週に1度の練習に頑張っています。
 
 
― 実践報告 ―
和太鼓を通して
福島県ばんだい荘あおば
 私達が太鼓に取り組み始めてから18年目を迎えました。当初は、施設内行事にむけての練習が主ということで、いつも太鼓にふれあうという感じではありませんでした。平成11年に児者併設の施設となり、知的障害者厚生施設福島県ばんだい荘あおばとなってから、和太鼓の会という名称で週に1回の練習に取り組んでいます。
 当時、職員の中に太鼓と関わっていた方がおり、利用者の方々が打ちやすいリズムをつなぎ合わせて曲を作り、リズム打ちの練習から始まりました。和太鼓では速さの違い、音の強弱で曲を作り上げています。太鼓を打った時の振動、響きを身体で感じ取り、リズムを覚えることで自信につながり、練習に意欲的に取り組むことで、集中力が自然に身についてきたように感じられます。
 平成元年より、地元猪苗代町を中心に和太鼓の演奏依頼を受けて、様々な催しに参加してきました。全く知らない地域の方々の前で演奏することは、大変緊張することであり、普段の生活では経験できないこともたくさんありました。演奏が始まる前には、緊張のあまり黙り込んでしまう方、はしゃいでしまう方と様々でした。しかし、いざ本番となるとみんなの気持ちが一つになり、力強く、そして集中して一生懸命する姿がみられました。その感動を演奏する側、聴く側で共感できたことはすばらしいことだと思います。
 太鼓の練習を通して私たちが感じたことは、一人ひとりの性格が打ち方にもあらわれてくるということでした。職員として日々の生活状況、性格を理解しているからこそ、その方々にあった太鼓、打ち方で一つの曲を作り上げることができました。そしてみんなの心が一つになった時、達成感が生まれてきました。
 日々の練習、地域での演奏を通して培った集中力、自信を今後の生活に活かしていけたらと思います。
 今回このような大きな大会で演奏する機会をいただき、本当にありがとうございました。ここで演奏したことが、和太鼓の会のメンバーにとって、今後の自信につながっていくことと思います。


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