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フォローアップ資料
[フォローアップ資料1]
オリエンテーション
 
■実習のテーマ
・基礎コースの実習テーマは、「共感・傾聴」「自分の聞き方の自覚」「紹介先を把握しておくことの必要性(リソースブック)」
・応用コースの実習テーマは「メンターの枠組みの自覚」と「技法に基づいた相談練習」
 
■「メンターの枠組みの自覚」とは
・相談内容や方法、時間、回数、場所、助言内容の限界を自覚し、抱え込みすぎないこと
・英国自閉症協会の支援原則SPELLはここでも役に立つ
 
S Structure: わかりやすく、見通しがきく環境や日課、答えやすい質問の工夫
P Positive: 肯定的な指示の言い方、禁止のみではなく代替案の工夫
E Emphasis: 共感する努力をする
L Low arousal: 刺激が多すぎると混乱するので、短く・小さく・視覚化する工夫
L Links: 地域とのつながり
相談を受けた場合も
S 〜専門家ではないこと、相談を受けられる時間(終了時間)を予め伝える
P 〜具体的なことで話すように意識すること
E 〜話の分かるところと分からないところは分けてフィードバックすること
L 〜お説教は控えること、一回で終わりにしなくてもいいこと
L 〜一人で背負わないこと、地域の情報を提供(そのためのリソースブック)
 
■「技法に基づいた相談練習」とは
・具体的なことばの使い方について、練習を経て取捨選択し、自分のものにしていく
 
(1)ねぎらい:相談することには後ろめたさがある(相談してくれてありがとう)
(2)肯定的に聞く:共感的な短いコメント(良かったね、大変でしたね)/相手の言葉の繰り返し(単なるオウム返しでなく、ポイントを)/相づち・頷き(なるほどね)
(3)相談のポイントをはっきりさせる:(・・・と・・・が困っているんですね)
(4)良くできていることを探して返す:(・・・と言うところはすごいですね、・・・が得意なんですね)
(5)解決策につかえそうな現在の対処を強調する:(「疲れると嫌になって無視しちゃうんですよ」⇒「無視してやり過ごすって大事なことかもしれないですよ。なかなかできることではないですよ」)
(6)前向きの方向付けをする:相手にとってたやすく、できそうなところから方向付けする(今やれそうなことは何ですか?)
 
■その結果、
 地域の相談資源として、これまで明確にされてこなかったペアレントメンターの位置付けが確立され、専門機関にはできない角度からの支援が可能になっていく
 
資料1
スケジュールの確認
 
◎ぺアレントメンター養成の流れ
・支部から推薦
・基礎研修:「基本的な傾聴態度実習・メンター業務に必要なリソースブックの理解」
・応用研修:「メンターとしての枠組みを意識する実習(電話、例会等の場面設定)」
・サポートブック研修:「家族の願いや成年後見の視点を重視した、年度毎改訂するものを作成していく研修会の講師養成」
・名簿登録&公開(了解者のみ)して、今後展開される各地の基礎研修やサポートブック研修講師に
・メーリングリストを使ったケーススタディ学習
・各地の実践を報告する全体交流会
 
◎応用研修の日程
・10時から11時:日本自閉症協会の活動とその歴史から
 
・11時から12時:
 中央情勢報告、各地のリソースブック作成状況などの報告、午後のグループワークについてオリエンテーション(メンターの役割、昨年からの課題の再確認、午後のロールプレイについて説明、3つにグループ分け)
 
・12時から13時:昼食
 
・13時から16時:
実習(1)電話相談の仮想事例をもとに、3人ずつグループでロールプレイ×2周(導入と終わり方の練習・わからないことを聞かれた時)→グループ討議
 
実習(2)例会相談での仮想事例をもとに、全体を3グループに分けてインシデントプロセス法を用いながら検討をするデモンストレーション×2周→グループ討議
 
*実習台本は数例サンプルがあるので、それをもとにして下さい
 
・16時から17時
全体討議(1)今日の実習について
全体討議(2)地域で活動するための相談規定、時間、紹介の仕方等の点検、情報交換
全体討議(3)メンター養成の流れ(案)について意見交換
 
資料2
実習の概要
 
実習(1)電話相談
・3人ずつのグループを作る(3人を越える場合は、4人組を作る)
・A: 相談→メンター→観察、B: メンター→観察→相談、C: 観察→相談→メンター
・4人のグループでは、観察を2回に増やす
・相談者役は台本を一つ選ぶ
・相談者とメンターは向き合わないよう平行に座る、ついたて、背中合わせに座る
・電話相談の状況を想定して、メンターの状況も様々に設定し(他の用事をしながら、相談体制がとれている状況など)、相談を開始し進行
・1周目:導入と終わり方、わからないことを聞かれた時の応答を意識する
□最初の導入の練習:
 名前は無理に聞かなくて良い、話したいことの内容を聞く、終了時間などの電話相談のルールを提示する(この電話はお互いのルールとして1回30分となっています)
□終わり方の練習:
 話の切れ目で相談の終了を告げる。必要であれば再度の相談が可能であることを伝える(今日はこれで時間が来ましたが、別の日の0時なら再度の電話も可能なので、よろしくお願いします)
□解決をあせらず、共感を重視する
□適切なところを紹介する
 
・2週目:1週目の反省を元に再チャレンジ
 
*「導入と終わり方」「わからないことを聞かれた時」をテーマにした討議
 
実習(2)例会相談(インシデントプロセス法)
・全体を3つのグループ(SV数)に分ける
・話題提供者、アイデア提供者、書記を選び、司会はSVが行う、残りはギャラリー
・話題提供者は台本を一つ選ぶ
・話題提供者、アイデア提供者、司会は輪になって座り、書記はホワイトボード脇へ
・インシデント提示、情報収集、アイデアの提供、話題提供者のコメントの順で進行
・1週目:SV主導でデモンストレーション
・2週目:参加者から司会者役を募り、話題提供、アイデア提供、書記なども変更する
 
*例会の持ち方についての情報交換


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