抗不安薬
*二次的な不安に対して使用
*副作用は比較的少ない
・アルプラゾラム、エチゾラム、ブロマゼパム、ジアゼパム他
抗不安薬の種類
作用分類 |
特徴 |
一般名 |
製品名 |
短期 |
短時間で発現 |
エチゾラム、フルタゾラム、クロチアゼパム |
デパス、コレミナール、リーゼ |
中期 |
効果は持続 |
ロラゼパム、アルプロゾラム、ブロマゼパム |
ワイパックス、ソラナックス、レキソタン |
長期 |
1日以上持続 |
ジアゼパム、クロルアゼポキシド、メダゼパム |
セルシン、コントール、レスミット |
超長期 |
3日以上持続 |
ロフラゼブ酸エチル |
メイラックス |
|
睡眠薬の種類(1)
バルビツール酸
GABAの増強→催眠・鎮静作用
*治療量と致死量が近い
(1)習慣性:徐々に増量の必要性
(2)精神依存:薬が切れると渇望
(3)身体依存:突然の中断で痙攣やせん妄
(4)併用薬の効果減弱:酵素誘導による代謝亢進
最近は・・・
てんかんに使用することはあるが不眠への使用は減少
睡眠薬の種類(2)
ベンゾジアゼピン系
抗不安薬のうち、睡眠作用の強いもの
脳内の抑制系神経伝達物質であるGABAが関係
GABA受容体に結合して、構造を調節し、GABAの作用を活性化する
*血中濃度の半減期により分類される
横軸は問題行動の軸であり薬物療法よりも治療教育的対応の意義が大きい。
縦軸は精神科的症状の軸で上にいくほど薬物療法が優先する。実際にはこの二つの軸を明確に分割するのは困難であり、「こだわり」などは両者が交じり合って出現していることが多い。
|
自閉症の薬物治療の実際
検索の手順 |
注意すべき点 |
診断と状態像の確定 |
言語・社会性などの発達の遅滞が問題なのか
多動・癇癪などの行動上の問題なのか |
身体医学的検索
(EEG、CT、MRCTなど) |
けいれん準備性有無(脳代謝賦活薬)
器質性疾患の有無 |
臨床心理学的検査 |
知能障害の有無とその程度
認知障害の様相とその度合い(行動療法の併用) |
心理・環境的背景の探索 |
生活・教育環境の改善 |
標的症状の選択 |
客観的症状の選択と薬物使用前の評価 |
選択薬物の種類 |
抗精神病薬、脳代謝賦活薬、抗けいれん薬
催眠薬、抗パ薬、食欲増進薬など |
薬物使用の必要性の決断 |
本人、家人への必要事項説明 |
副作用の予側と予防 |
定期的臨床検査、抗パ薬の投与
過鎮静、眠気、体重増加の有無 |
投与量と投与法 |
剤型と服薬法の指導
投与者、投与回数、投与時間の指導 |
薬物療法開始後の管理 |
治療効果に関する、家人、教師からの情報
副作用の早期発見、薬物の変更 |
|
医療との連携の心得
・本人、家人の了解のもとで行う
・本人のためを第一に、お互いの活用資源を効率的に利用する
・それぞれの立場を尊重しあって連携する
・行き詰まった時こそ、他の機関と連携する
医療の利用の仕方
・医療への希望は具体的に行う
・抱える問題は、経時的かつ客観的に行う
・必要な情報は記録しておいてもらう
・必要なら、何回でも話し合う
・可能なこと、不可能なことを確認しておく
発達障害と医療
1)精神科医療
中心は“精神病”の治療
子どもの精神医療は少数
児童青年(小児)精神科
2)小児科医療
中心は“身体”の治療
発達障害に重点を置く小児医療は少数
小児神経科
成人に達しても、診療を続けることが多い
児童青年精神科からみる問題点
1)大学医学部に標榜する講座がない
大学で育てる場が限られている
(名大、横浜市大、信州大、神戸大、千葉大など)
2)児童青年精神科医療施設での治療
全国児童青年精神科医療施設協議会が中心
(国、都道府県、市町村立がほとんど)
専門医の絶対数の不足
経済的裏づけが得にくい
医療経済面からの問題点
マンパワー、多職種の必要性
1 医療保険制度に十分には反映されていない
手間と時間が必要
精神科:加算(入院・外来)
小児科:療養型
2 民間医療機関がかかわりにくい
経済的裏づけの不足
発達障害を対象とする医療機関の現状
外来:
“発達障害の治療”を掲げる医療機関の増加
東京では二十数か所?(この数年で増加)
精神科医師に加え、小児科医師も参加
療育も行なう医療機関も数箇所
入院:
子どもの精神科専門病床は800〜900床?
成人の病床は?
国公立精神医療機関?(施設化)
入院治療の必要性
短期の入院治療が大前提
1)行動上の問題を対象
不眠、自傷、他傷、極端なこだわり、拒食など
精神科病床が担当
2)合併症の治療
症状の訴え、治療への理解が得られるか
合併症病棟が担当だが限定される
精神科病床で他科治療が出来ないか
発達障害の治療(対応)
1)これまでの対応
福祉:強度行動障害への対応
医療:極めて限られた医療機関での対応
2)発達障害者支援法以降の期待
専門医療機関の設置(短期医療の充実)
専門医師の増加
ノーマリゼーションと医療
発達障害があってもなくても同等の医療を!
そのためには:
専門医の増加を
経済的裏づけを
各分野の連携を
障害関係者はもっと声を!
|