ウミガメ絶滅の危機
多くの野生生物が地球上から姿を消しつつあります。ウミガメも例外ではありません。人間は剥製やベッ甲細工、皮革製品などを作るため、また肉を食用とするためにたくさんのウミガメの命を奪いました。これまで日本は海外からも大量のウミガメやその加工品を輸入し、その数は何百万頭にものぼると言われています。現在は、ワシントン条約により国際的な取引は禁止されました。
日本国内での規制や保護体制はまだ不十分、地域によっては、いまだにウミガメの捕獲や採卵が続いています。
さらに近年の彼らを取り巻く環境変化はウミガメ絶滅への道に拍車をかけています。
海亀料理店のメニュー:肉が美味しいアオウミガメは今日でも一部の地域で食べられている。
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ワシントン条約
正式名称を「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」と言い、動植物やその一部、又は加工品の国際取引を規制するものです。動物約3000種、植物約3200種を対象としています。'75年に発効されましたが日本が締結国となったのは'80年です。
絶滅の危険の高い種から順に「付属書I(絶滅の恐れが強く取引を認めない)」、「付属書II(取引を規制しないと絶滅の危機に直面する)」、「付属書III(原産国が独自に規制する)」の3段階に分類されています。ウミガメは8種類すべてが「付属書I」にあげられ厳しい規制が求められています。各国の事情で即座に輸出入禁止に踏みきれない種については一定期間の「留保」が認められています。
日本では、この「留保」を利用して条約批准後もウミガメなどの大量輸入を続け世界的な非難をあびてきました。'93年、最後のタイマイが「留保」から外され、やっとウミガメ全種の輸出入が禁止されました。
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