2006 国際保健協力 フィールドワークフェローシップ 活動報告書
本プログラムは(財)笹川記念保健協力財団の支援により、日本の医学生等に開発途上国における国際保健医療協力の現状等を学ぶ機会を与えることを通じて、国際保健医療協力あるいは、公衆衛生行政の分野で活躍する人材を育てることを目的とするものです。
国際保健協力フィールドワークフェローシップ事務局
(財)笹川記念保健協力財団
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※本書は2006年8月に実施された国際保健協力フィールドワークフェローシップの報告書です。尚、参加者の掲載学年はフェローシップ参加時のものです。
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私たちが日本へ帰国する時のこと。マニラの空港でのセキュリティチェックは、日本を発つ時のそれよりも、ずっと厳しいものでした。私たちがフィリピンにいる間に、ロンドンで飛行機爆破未遂事件が起こったからです。遥かかなたで起こった事件が、遠く離れたこちらに大きな影響を及ぼす。距離があるからといって、関係無いということにはならない現代世界。相互依存が深まった世界に私たちは生きています。
相互依存の深化した世界ですから、遠い他国の人々の窮状も私たちには無関係ではない、と言っても言いすぎではないと思います。同時に、一人一人の善意・努力が遠く離れた世界の人々に良い影響を与えることもできる世界であるとも信じています。
そうした世界に生きる私たちは、きっかけはそれぞれ異なりますが、国際協力の分野に関心を持ってきました。そして幸いなことに、笹川記念保健協力財団が企画してくださった充実の研修に参加させて頂きました。非常に多くのことを感じ、学びました。将来につながる大きな、現場体験でした。
一人一人感じたことは異なります。バックグラウンドが多様な13人でしたから、同じ問題に対しても各人の捉え方は様々でした。それら多彩な意見をまとめたものがこの報告書です。本報告書を読んで頂くことで、お世話してくださった多くの方々への感謝の念が少しでも伝われば幸いです。
行く先々で素晴らしい出会いを経験した11日間でした。多くの方々の支えがあって、私たちは素晴らしい経験をすることができました。笹川記念保健協力財団の方々、講義をしてくださった先生方、海外でのアレンジをしてくださった方々、本当にありがとうございました。
8月3日に私たちは初めて知り合いました。毎日の議論では互いを刺激しあいました。今、研修を終えた私たちは、研修を新たな出発点としてそれぞれの道を歩み始めています。私たちはこれからも努力し成長すると決意しております。将来私たちのそうした努力が実を結んで、すこしでも多くの人が幸せになれば嬉しいです。本研修でお世話になった人から受けた多大なる恩は、私たちがこれから関わる人々の笑顔、という形で返していきたいと心に誓っております。
第13回国際保健協力フィールドワークフェローシップ
チームリーダー 東京医科歯科大学 内田 暁
2006年国際保健協力フィールドワークフェローシップ参加者名簿
国内・海外研修参加者 |
所属 |
齋藤 怜 |
浜松医科大学6年 |
西 晃弘 |
東京大学6年 |
内田 暁 |
東京医科歯科大学5年 |
佐野宏徳 |
山口大学5年 |
白神一博 |
千葉大学5年 |
高谷紗帆 |
北海道大学5年 |
田畑敦子 |
鳥取大学5年 |
舛岡伸高 |
名古屋大学5年 |
梶本隆夫 |
弘前大学4年 |
辻 麻理子 |
慶應義塾大学4年 |
中野紗也香 |
滋賀医科大学4年 |
原 ひでみ |
岡山大学4年 |
原田麻紀子 |
国際医療福祉大学3年 |
西村秋生(指導専門家) |
国立保健医療科学院 国際協力室長 |
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国内研修参加者 |
所属 |
門井謙典 |
東京歯科大学6年 |
濱田美帆 |
福島県立医科大学5年 |
アリョーナ ツェーソドロルツォー |
国際医療福祉大学4年 |
榎本 愛 |
昭和大学4年 |
柴田和香 |
自治医科大学4年 |
高久尚美 |
国際医療福祉大学4年 |
中野賢二 |
自治医科大学4年 |
長嶺由衣子 |
長崎大学4年 |
服部真実 |
日本大学4年 |
山測園子 |
千葉大学4年 |
山本慶子 |
帝京大学4年 |
木甲斐友里 |
国際医療福祉大学3年 |
木村美奈子 |
国際医療福祉大学3年 |
後藤明子 |
佐賀大学3年 |
小西麻由 |
神戸大学3年 |
田近映子 |
滋賀医科大学3年 |
田中惣治 |
国際医療福祉大学3年 |
中川真理 |
国際医療福祉大学3年 |
中島基全 |
国際医療福祉大学3年 |
藤岡真理子 |
獨協医科大学3年 |
飯村真世 |
国際医療福祉大学1年 |
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〈1日目〉2006年8月3日(木)
於:国立保健医療科学院
9:30〜9:40 |
開会挨拶
国際保健協力フィールドワークフェローシップ企画委員長
国際医療福祉大学 総長 |
大谷藤郎 |
9:40〜9:45 |
来賓挨拶
国立保健医療科学院 院長 |
篠崎英夫 |
9:50〜10:30 |
「国際社会に生きる日本−日本の国際化とは」
前駐中国日本大使 |
谷野作太郎 |
10:35〜11:15 |
「保健医療分野における国際協力」
独立行政法人国際協力機構人間開発部技術審議役 |
小野喜志雄 |
11:15〜11:55 |
「国際医療協力の課題」
東京女子医科大学客員教授
/笹川記念保健協力財団 理事長 |
紀伊國献三 |
12:00〜12:40 |
「開発途上国における寄生虫症の現状」
慶應義塾大学熱帯医学・寄生虫病学教授 |
竹内 勤 |
12:40〜14:00 |
(昼食) |
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14:00〜14:40 |
米国CDC専門家からみたField Epidemiology Training Program Japanの展望
Foreign Advisor to FETP-J,
国立感染症研究所感染症情報センター |
John M. Kobayashi |
14:40〜15:20 |
「日本のNGOの役割と活動」
堀切中央病院 院長 |
本田 徹 |
15:20〜15:40 |
(ティーブレイク) |
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15:40〜16:00 |
国立保健医療科学院の紹介
国立保健医療科学院 国際協力室長 |
西村秋生 |
16:00〜17:45 |
フリーディスカッション
〜国際医療協力、公衆衛生活動を中心に〜
<座長> 国立保健医療科学院 院長
<パネルメンバー>
厚生労働省大臣官房国際課国際協力室 室長
国立国際医療センター国際医療協力局
派遣協力第二課 課長
国立保健医療科学院 人材育成部 部長
厚生労働省健康局 疾病対策課臓器移植対策室
主査(フェローOG) |
篠崎英夫
金井 要
仲佐 保
水嶋春朔
高岡志 |
18:00〜 |
懇親会(於 国立保健医療科学院食堂) |
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〈2日目〉2006年8月4日(金)
於:国立療養所多磨全生園
高松宮記念ハンセン病資料館
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<座長>国立療養所 多磨全生園 園長 |
青崎 登 |
9:00〜10:00 |
「ハンセン病の現状と国際協力」
国立感染症研究所 所長 |
宮村達男 |
10:00〜10:50 |
「ハンセン病の基礎と臨床」
国立感染症研究所ハンセン病研究センター生体防御部 部長 |
石井則久 |
10:50〜11:30 |
園内見学 |
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11:30〜12:30 |
(昼食) |
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13:00〜14:00 |
高松宮記念ハンセン病資料館見学(仮展示場)
高松宮記念ハンセン病資料館運営委員 |
佐川 修 |
14:30〜16:30 |
「開発途上国と結核対策」
(財)結核予防会結核研究所 顧問 |
田中慶司 |
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8月5日(土) |
午前 移動 (保健医療科学院→成田→マニラ)
午後 オリエンテーション |
8月6目(日) |
終日 NGOフィールド活動見学 |
8月7日(月) |
終日 WHO西太平洋地域事務局訪問・研修
夕方 学生主催懇親会開催 |
8月8日(火) |
午前 JICAフィリピン事務所訪問・研修
午後 現地医科大学及び付属病院見学 |
8月9日(水) |
午前 移動 (マニラ→レイテ)
午後 現地保健省公衆衛生プログラム見学 (PHC関連活動見学) |
8月10日(木) |
終日 現地保健省公衆衛生プログラム見学 (ハンセン病施設、外来)
移動 (レイテ→ビリラン) |
8月11日(金) |
終日 JICA保健プロジェクトサイト見学 (母子保健) |
8月12日(土) |
午前 JICA保健プロジェクトサイト見学 (母子保健)
午後 移動 (ビリラン→レイテ→マニラ) |
8月13日(日) |
午前 総括ミーティング
午後 移動 (マニラ→成田) 現地解散 |
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