GESAMP/EHSの作業の継続のための資金計画
11.19 当委員会は、GESAMP/EHS会議の資金の困難さに関してMEPC 54における検討及び当委員会が今会期で本件をさらに審議することを想起した。短期資金の状況に関して、事務局は、2006年のGESAMP/EHSの第2回会期の資金を出すため2007年の予算割りあてを使用するとしたMEPC 54における当委員会の提案に従った。その結果、GESAMP/EHSの第43回会期が2006年6月にIMO本部で開催された。
11.20 当委員会は、評価と共にベネズエラ政府が2006年6月の第96回理事会で2007年のGESAMP/EHSの第44回通常会期を招集するために50,000米ドルの惜しみない申し入れを行ったことを銘記した。2007年に計画されている作業でベネズエラの資金の編入の運営計画が現在完了し、GESAMP/EHS活動の費用をカバーするための短期的な資金の問題はこのように解決した。
11.21 長期資金の解決策を見いだす問題に関して、当委員会は、その様な解決法としてGESAMP/EHSが実施する危険評価の作業から直接利益を受ける、これら貨物の利害関係者、すなわち製品の製造者を巻き込むことが可能であるとしたMEPC 54における提案を想起した(MEPC 54/24、10.33項〜10.37項)。
11.22 事務局は、2005年に設置されたGESAMP-バラスト水作業部会の資金計画のある点で作成された、長期資金の解決策のために使用することができる要素の最初の概要を説明した:
.1 化学物質の危険及び安全評価に関する作業部会(ESPH 12)が2006年9月に開催され、2007年1月1日の改正MARPOL附属書II及び改正IBCコードの発効の作業を含めることの検討で、例えば、製造者がタンク洗浄の添加剤の成分についての情報をGESAMP/EHSの評価のため提出する際、いわゆる“所有者支払いの原則”を適用することができると提案された;
.2 製造者の支払いは、評価のために提出された化学物質ごと又は複合的な加入による料金とすることができる;
.3 IMOが受領した資金は、事務局が提供する技術支援(dossier preparation)ばかりでなく、GESAMP/EHSの会期に関係した7〜8人の専門家の謝礼及び交通費をカバーすることも可能とするべきである。
.4 GESAMPは法的な組織ではなく国連組織の共通の顧問組織であるため、GESAMPへの直接の支払いは、不可能である。代りに、運営事務局としてその役割を持ち、GESAMPの代理として、IMOに支払いを行うべきである;
.5 国の主管庁を通した製造者の料金の支払いの経路が望ましいが、このことは、しばしば関連した主管庁の負担と考えられる。現実的な解決策をその様な料金の経路のために見つけなければならない。
11.23 当委員会は、本件をさらに検討すること及び、長期資金の解決策のための適切な提案の合意のため、GESAMP/EHS議長と共同でこれらのさらなる仕上げを事務局に指示することを招請された。
11.24 事務局の提案に応じて、多数の代表団は、GESAMP-EHSの作業に資金を提供するための長期の解決策を見つけるべきであることに合意した。検討で、以下の点が挙げられた:
.1 個々の洗浄添加剤の成分の評価へ融資するシステムが作成された場合、ESPH 12で提案された、例えばいわゆる“所有者支払いの原則”に基づいて、分離した2件のシステムの作成を防ぐため、将来、同一のシステムをばら積み液体の評価に使用可能であることを考慮しなければならない;
.2 1ヶ国の代表団は、製造者から船舶で輸送される化学物質の危険評価の費用を徴収するべきではないとの見解を表明した;他の代表団は、現在のGESAMP/EHS作業部会による化学品の危険の評価手順がある間は、産業界による自己分類を利するとの見解を表明した;
.3 化学品の製造者/輸送者が、適切な時期に、危険評価のためすべての要求されたデータを提出した場合、年一回のGESAMP/EHS会合で十分である;及び
.4 バラスト水管理システムの使用する活性物質の評価の現在の費用は、申請ごとに50,000米ドルである。将来、GESAMP/EHSの作業の資金を提供する料金システムが合意された場合、化学品毎の料金は、全体でおおむね50,000米ドル以下となる見込みである。
11.25 当委員会は、事務局及び意見による提案を基にGESAMP/EHSの作業の長期資金計画の作成を事務局に指示することに合意した。目標は、採択の目的でMEPC 56での審議及び2008年のGESAMP/EHS活動の準備に使用するため十分に作成した資金計画を提出することである。これに関連して、事務局にMEPC 56への提出前に見直し及び最終化のためBLG 11でのESPH作業部会へ資金計画案を送付することを要求した。
“海上活動から海洋環境に流入する油の評価”に関するGESAMP報告書
11.26 当委員会は、最近完成した“海上活動から海洋環境に流入する油の評価”と題されたGESAMP報告書及び研究No.75の要約及び勧告を提供した文書MEPC 55/11/7を紹介した。全文書は、MEPC 55/INF.5として配布されている。事務局は、全文書がGESAMP報告書及び研究の刊行物として可能な限り早期に出版されることを公表した。
11.27 当委員会は、1994年に、MEPC 35がGESAMPに海洋活動(例えば、海上輸送、沖合の調査及び生産)から海洋環境に流入する油に関するすべての入手可能なデータ源を慎重に評価すること及び、特に、その様な流出データの供給に使用可能なアプローチの作成を指示したことを想起した。したがって、1997年に作業を開始した、GESAMP油流出作業部会の委託事項は、海上活動から海洋環境に流入する油の現在の年間の量を推定すること及び特にその様な推定を行うための方法の強化に焦点を当てることであった。
11.28 GESAMP報告書は、推定を行うための流出及び方法の双方に向けられていてかつ船舶及び船舶関連活動からの油流出源の種々のタイプを大局的に特定し、不確かな領域も指摘した。同報告書は以下の4件の領域をカバーしている:
.1 油流出の推定を行うためのアプローチ;
.2 船舶からの油流出;
.3 沖合の調査及び生産からの油流出;及び
.4 他の油流出及び関連した話題。
11.29 同報告書で使用された流出評価は、計算及び計量の双方から推定された。事故による流出に関するデータを除外して、大多数の予想は、範囲又は信用できる限界、言い換えれば、流動性の措置を欠いた。したがって、提出された流出量の最大量は、同部会が異なる世界の船舶及び海上を源とする関連のある流出を積み上げたものであり、同部会は追加の調査、監視、評価、規定及び業界の注意を要する流出源を指摘した。
11.30 最近10年間(1988年〜1997年)の入手可能なデータに基づく、船舶及び他の海上活動からの、年間のメトリックトンによる、海洋環境へ流出する油の年間平均流出量は、文書MEPC 55/11/7の6.2項に記載された内訳、及び6.3項でのさらなる説明で、年間合計1,245,200トンと予想される。
11.31 研究は、MEPC 55/11/7の7ページ及び8ページに記載された、油流出予測を提供する能力を進捗させる必要性を強調している、9件の勧告も示している。その様な推定は、今後何年間かは、MARPOL 73/78及び関連国内法の有効性を評価するため並びに沿岸及び沖合の海洋生態系及び生物資源への油の危険を推定するために重要である。
11.32 当委員会は、特に、以下の政策に関心を向けている勧告に、注意を向けた:
.1 (勧告 4):“運航上の廃油の排出を管理し削減するため、船上の油水分離器の保守及び正確さを評価し高めること。”
.2 (勧告 7):“小型船舶(すなわち、レクレーション船舶)からの油流出は、重大な懸念であり、広範囲に監視を行い毎年要約すること。”;現在のデータは主として北米のデータに基づいていることが銘記された。研究は、その様な取組みの組織及び基金を当委員会で検討することが必要であると勧告した。
.3 (勧告 8):“沈船からの油流出(例えば、戦争関係の事故)を、脆弱な海岸線に近い船舶の数及び位置、並びに残骸の劣化の状態により、入念に選択して監視すること。海岸線、生物資源及び生態系に危険を及ぼすその様な流出の危険を、多数の第二次世界大戦の残骸の劣化状況、及びそれらの危険を減少させるために取る行動により、相当の緊急事項として扱うこと。”
11.33 最終的に当委員会は、同GESAMP報告書の完了に9年掛かったことを助言された。そしてそれは、非常に長期間であった。結果は、同報告書で使用されたデータが1988年〜1997年の期間をカバーしたものであった。そしてそれは、現在の基準より相当に古いデータと見なされる。事務局は、GESAMPが2004年に戦略計画で採択した新しい手順及びアプローチは将来よりよく計画され時期を得て伝えられた助言の結果となるべきであることを助言した。
11.34 英国代表団は、GESAMP研究が非常に価値のある参照文書であると述べた。同代表団は、当委員会にOSPAR条約に従い2001年1月1日以来北西大西洋における油分の混ざった掘削泥の排出を段階的に削除したこと及び生産水中の油の現在の排出基準が水1リットル当たり30mgであることを通知した。
11.35 議長は、GESAMP研究の海洋環境への油流出の年間流出が、船舶及び沖合の活動の様な、MEPCの権限の範囲での大多数の活動によるものであると示していること及び当委員会が将来の審議でGESAMP研究を考慮すべきであると述べた。しかしながら、当委員会での審議が望まれる、1件の問題がある。それは小型船舶からの油排出である。本件は、長年本委員会の作業計画で取り上げられていて、現在高レベル行動計画に含まれているにもかかわらず、当委員会は、出発点である、本件を扱うためのガイドラインをまだ作成していない。
11.36 当委員会は、代表団に当委員会の将来の会期で小型船舶からの油排出の問題の審議及び提案の提出を招請した。
11.37 当委員会は、長期間待った同報告書の準備に対しGESAMPに、GESAMP研究の主要著者としてDr. Peter Wells(カナダ)に、同研究を準備したGESAMP作業部会のメンバー及び同報告書に貢献した元IMO職員Dr. Manfred Naukeに謝意を表明した。
国連通常過程の下の評価のための評価
11.38 当委員会は、2006年6月にニューヨークで開催された、国連通常過程の下の“評価のための評価”の第1回特別運営委員会の決定を通知された(MEPC 55/11/9)。同決定は、“評価のための評価”の指揮のための組織の構築、権限、参加者の配置、及ぶ資金の流通の必要性を扱った。
11.39 当委員会は、Mr. Jean-Claude Sainlosが特別運営委員会に出席し、GESAMP運営事務局としての同氏の能力、“評価のための評価”に関して助言するためのGESAMPの申し入れ及び特別運営委員会の将来の会合に出席するためオブザーバーとしてGESAMPの招待を望むことを説明した。この申し出は歓迎され、“評価のための評価”(MEPC 55/11/8)を基本文書として使用し全世界及び地域的海洋評価活動に関する検査を最新化しているUNEP-WCMC報告書案を見直すため2006年9月18日〜20日にIMOで開催されたGESAMP小勉強会の成功という結果をもたらした。
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