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7 OPRC条約並びにOPRC-HNS議定書及び関連決議の実施
7.1 当議題項目の下での審議のため、文書MEPC 55/7(事務局)、MEPC 55/7/1(事務局)MEPC 55/WP.1(第5回OPRC-HNS技術部会の報告書)が当委員会に提出された。
 
海洋環境への化学品の流出の計画及び対応に関するガイダンス文書
 
7.2 当委員会は、第4回OPRC-HNS技術部会が合意した、海洋環境への化学品の流出の計画及び対応に関するガイダンス文書の最終案を提供している文書MEPC 55/7(事務局)を審議した。
 
7.3 オランダ代表団は、同文書を審議して、有益なガイダンスマニュアルになると認めた;しかしながら、同代表団は、用語体系が同様の内容に関して他のIMO文書に使用されるものと一致していないこと及び化学品のための世界的に調和されたシステム(Globally Harmonized System for chemicals)の参照を含んでいないことを銘記した。3.3章が、MARPOLの下で認められているとして、運航上の排出に焦点をあてている、それゆえ、その見解で、マニュアルの準備及び対応の範囲外であることを銘記した。そのため、オランダ代表団は、マニュアルから3.3章の削除を勧告した。
 
7.4 マニュアル起案に携わった通信部会の参加者として、CEFICからのオブザーバーは、同章をばら積みの化学品に関連した危険を読者に習熟させるために含めたと述べ、そのため、残すべきであると感じた。
 
7.5 本件に関する検討にさらに付け加えて、当委員会は最終的に、3.3章を残したまま、文書案を承認し、以下を行った:
 
.1 事務局に用語体系の問題を処理するため、世界的に調和されたシステムの情報を含めるため及び図及び写真を最終化するためIPIECAと共に作業を行うことを指示した;
 
.2 3.3章が運航上の排出のみに適用され、特に化学品の流出の準備及び対応に関連したものではないことを明確にするため事務局に同章の導入に適切な表現を含めることを委ねた;及び
 
.3 上記の完了時に、事務局にIMOマニュアルとして公表のための文書の提出を指示した。
 
レバノン油流出危機の国際的対応
 
7.6 当委員会は、IMO、REMPEC及びレバノン油流出危機に対応した広範囲な国際社会が実施した作業の概略を提供している文書MEPC 55/7/1(事務局)を審議し、その中に含まれた情報を銘記した。
 
7.7 特に、当委員会は、事故の初期から、事故の管理及び対応でレバノン政府を支援するための資材の流通、レバノンへ入ってくる国際支援の調整で環境省を支援するための多数の専門家の配置、及び、2006年8月後半に開始された、国家的な復旧及び再建の訴えを含めるための5,000万米ドルの油流出清掃及び能力設立計画の作成で提供した支援を通した時を得たかつ調整された流出対応を確保した、IMO及びREMPECの作業を銘記した。
 
7.8 提供された情報を銘記して、当委員会は、レバノンでの油流出の対応への取組みに対しIMO及びREMPECに評価を表明し、文書MEPC 55/7/1の附属に記載された、これに関連した多数の国、国際機関、非政府間機関が提供した広範囲な支援を認めた。
 
7.9 当委員会は、事務局に将来の事故のための最小限のレベルの準備を維持させるため加盟国にも海洋汚染対応基金(Marine Pollution Response Fund:100,000米ドル)から利用された資金の再補給を促した。
 
7.10 米国代表団は、特に、事故の早期の段階で事態を監視、レバノン主管庁と協力及び流出に対応して米国が提供する支援の種類を明示するため設置された、大気環境庁(NOAA)、沿岸警備隊(CG)、環境保護庁(EPA)及び米国国際開発庁(USAID)の参加で、米国国務省が先導した機関間部会である、レバノン油流出作業部会の設置を銘記して、レバノンでの油流出に関して米国内で実施した作業を強調した。
 
7.11 当委員会は、レバノンでの油流出に対応して現在提供されている支援、特に、レバノン北部沿岸の清掃を実施するため米国の流出請負業者SEACORと始めた500万米ドルの契約、レバノン環境省及びREMPECが提供した国際的な流出協力の取組みと協議中して作成した構想、に関して米国が提供した情報も銘記した。
 
7.12 米国代表団が提供した情報を審議して、当委員会は、レバノン油流出の対応から学んだ教訓を調査するための技術部会の提案と意見が一致した。
 
第5回OPRC-HNS技術部会の報告書
 
7.13 当委員会は、第5回OPRC-HNS技術部会が2006年10月2日〜6日に議長Mr.Ezio Amato(イタリア)の下で開催されたことを銘記した。
 
7.14 技術部会の報告書(MEPC 55/WP.1)を紹介して、同議長は、OPRC-HNS技術部会がその作業計画で相当に進捗したと述べた。その後、同氏は、以下の項目に要約された、第5回技術部会の主要な結果を紹介した。
 
マニュアル及びガイダンス文書
 
7.15 当委員会は、“油流出の危険評価及び対応準備の評価に関するマニュアル”及び最終使用者へより実用的なガイダンスを伝えるため再編成提案に関する進捗を銘記し、カナダが調整した通信部会を通して文書を最終化した同部会の取った一連の行動と意見が一致した。(MEPC 55/WP.1、3.2項〜3.8項)
 
7.16 当委員会は、特に、長時間の検討及び、数件は同マニュアルの範囲及び内容の実質的な変更を伴う、UNEPから受領した意見に取り組むための同部会が到達した最終的な結論を考慮して“海洋への油流出に続く損害の評価及び復旧に関するIMO/UNEPマニュアル”の進捗を銘記した。当委員会はさらに、新規及び改正された内容を処理するためIMO及びUNEPが実施した作業を銘記した。そしてそれは、最終的に、改正草案を最終化しTG 6へ提出するためイタリアの調整役もとの通信部会へ戻された。(MEPC 55/WP.1、3.9項〜3.16項)
 
7.17 当委員会は、“油汚染に関するマニュアル、第V章−行政面での油汚染対応の見直し”改正の同部会による進捗及び進捗した状態を銘記し、事務局に文書を最終化し、MEPC 56による承認のため最終草案を提出することを指示した。(MEPC 55/WP.1、3.17項〜3.22項)
 
7.18 最新化された“MARPOL-How to do it.”マニュアルよりも広く適用される、“油汚染に関するマニュアル、第I章−防止”の見直しに関する技術部会の検討及び勧告を審議して、当委員会は、状況に応じて、油汚染に関するマニュアル、第I章の改正を承認した。(MEPC 55/WP.1、3.23項〜3.31項)
 
7.19 当委員会は、HNS事故の法律及び行政面を扱うガイダンス資料の作成に関する同部会の検討を審議し、結局は同部会が作成する、的確な方法及び国際的に要求されたガイダンス資料の範囲を決定するための情報源として海事主管庁から入手可能である資料の審議の必要性に意見が一致した。(MEPC 55/WP.1、3.32項〜3.38項)
 
訓練
 
7.20 当委員会は、TG 5が審議した時にコース案をさらに作成するための顧問の募集を妨げた、2006年前半の経済的な制約による2件のHNS事故のための準備及び対応関する導入コースの作成の遅れ銘記し、事務局に第6回技術部会会合へ提出するためのコースの作成を促進させるために要求された資金を確保するためあらゆる必要な措置を取ることを指示した。(MEPC 55/WP.1、4.2項〜4.4項)
 
7.21 当委員会は、OPRC訓練者訓練コースの見直しの進捗並びに、特に経験及び、OPRCコースの基礎に関して作成され、訓練員の必要性により合わせるために修正された、CEDREから入手可能な資料を考慮して、コース見直しに関する作業を促進させるための通信部会の設置を銘記した。(MEPC 55/WP.1、4.5項〜4.10項)
 
7.22 当委員会は、重大な油流出事故での政府高官及び幹部のための簡単なパッケージを含むMEPC回章(MEPC.1/Circ.538)を承認した。(MEPC 55/WP.1、4.11項〜4.14項及び附属1)
 
情報の提供及び交換
 
7.23 第4回R&Dフォーラムの編成に関して同部会が実施した予備の検討を銘記して、特に、可能性のあるテーマとしてHNS及び重油を提案した、2009年のINTERSPILLの様な、他の関連した国際シンポジウムと協力してその様なフォーラムを編成することを銘記して、第4回フォーラムの共同組織及び共同資金の適切な協力者を明示することの必要性に意見が一致した。(MEPC 55/WP.1、5.1項〜5.6)
 
7.24 当委員会は、2006年9月5日〜7日に、ポーランド、グディニアでヘルシンキ条約の保護の下で実施された年次汚染対応演習、2006年バーレックスデルタ演習に関するポーランド代表団が技術部会に提供した情報も銘記した。
 
7.25 当委員会はさらに、以下の演習に関する発表の間に、ロシア代表団が技術部会に提供した情報を銘記した:
 
.1 オブザーバーとして参加したルーマニア及びスウェーデンからの代表者と共に、2006年6月15日に、黒海のノボロシースク港外で実施された、捜索及び救助及び油流出対応に関するロシア−トルコ共同演習;及び
 
.2 海洋及び沿岸の保護、管理及び開発のための北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の海洋環境緊急時準備対応地域活動センターの下で、ロシア、日本及び韓国が共同で実施した演習。3.3章が運航上の排出のみに適用され、特に化学品の流出の準備及び対応に関連したものではないことを明確にするため事務局に同章の導入に適切な表現を含めることを委ねた。同演習は、オブザーバーとして参加した中国及びMERRACからの代表者と共に、2006年5月11日にサハリンのアニバ湾で行われた。
 
他の機関との協力
 
7.26 当委員会は、特に、2006年版国際機関の共同核緊急管理計画、2006年海洋汚染削減の地域協力に関するIMO/UNEPフォーラム及び両組織に関連した緊急時の共同の配置を正式なものとしているUNEP/OCHA共同環境部門が署名した覚え書きへのIMOの貢献を銘記して、他の国際機関と事務局の実施した活動及び協力を認めた。(MEPC 55/WP.1、6.2項〜6.4項)
 
7.27 当委員会は、文書MEPC 55/7/1を審議する際当委員会へ直接説明された、レバノン油流出危機に対応したIMO及びREMPECが実施した活動に関する同文書に含まれた情報の同部会の見直しを考慮した。(MEPC 55/WP.1、6.7項〜6.12項)
 
OPRC及びHNSに関する実施の技術協力
 
7.28 当委員会は、本件に関するMEPC文書で要点を述べている、OPRC及びHNSに関連する技術協力活動の実施に関する報告書の同部会の審議を銘記した。(MEPC 55/WP.1、7.1項〜7.6項)
 
TG 6の作業計画及び暫定議題
 
7.29 当委員会は、附属19に記載された、第6回OPRC-HNS技術部会の作業計画及び暫定議題を承認した。
 
7.30 当委員会は、アルバートエンバンクメントの改修が完了していない場合、英国及びフランスの申し出を考慮して決定する会場で、MEPC 56の前週に会合を行うOPRC-HNS技術部会の第6回会期の計画も承認し、一般に報告書を承認した。(MEPC 55/WP.1、9.7項〜9.10項)
 
議長及び副議長の選出
 
7.31 当委員会は、2007-2009年の3年間の技術部会の議長としてMr. Mark Meza(米国)及び副議長としてMr. Nick Quinn(ニュージーランド)の選出を歓迎した。(MEPC 55/WP.1、9.1項〜9.3項)
 
7.32 同様に、当委員会は、現議長Mr. E. Amato(イタリア)に同氏のOPRC-HNS問題に関する委員会の作業への貢献及び議長として3年間の技術部会の同氏の運営に対して感謝した。(MEPC 54/WP.1、7.1項〜7.9項)


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