MARPOL附属書Vの見直し
6.18 当委員会は、MEPC 54が、他の関連機関及び組織と協力して、MARPOL附属書Vの見直し及び海洋廃棄物の海洋発生源へ向けての有効性の評価をIMOに招請している国連総会の決議A/RES/60/30を銘記したことを想起した。
6.19 当委員会は、同会期において、MARPOL附属書Vの見直しは、特にMARPOL附属書Vの下の廃棄物の排出に向けて、MARPOL73/78並びにロンドン条約及び議定書間の境界の問題を明確化するロンドン条約/MEPC共同通信部会の勧告を考慮するべきであると提案したことを想起した。当委員会は、ロンドン条約/MEPC共同通信部会の報告書を議題項目11の下で審議する予定であることを銘記した。
6.20 当委員会は、最終的に、MEPC 54が、結論として、以下を行ったことを想起したMEPC 54/21、11.27.1項及び.2項:
.1 国連総会の招請を銘記しMARPOL附属書Vの見直しに着手すること、及び海洋廃棄物の海洋発生源へ向けた有効性の評価を行うことに合意した;
.2 各代表団にこの目的のためMARPOL附属書Vを見直すための当委員会の関連議題項目の下の提案の提出を招請した。
6.21 当委員会は、今までにこの招請に応じている3件の文書:MEPC 55/6/3(ノルウェー)、MEPC 55/6/4(ニュージーランド)及びMEPC 55/6/7(BIMCO)があったことを銘記した。
6.22 ノルウェーは、文書MEPC 55/6/3で、MARPOL附属書V及びその実施のためのガイドラインの見直しに関連して乾ばら積み貨物からの貨物残留物の排出要件の見直しを提案した。貨物残留物は、“湿”状態(洗浄水)及び“乾”状態の双方で審議を行うべきであり、濁度;沈殿;生化学的酸素要求量;毒性;長期影響;及び浮遊物資の様な、一連の基準を考慮するものである。
6.23 ニュージーランドは、文書MEPC 55/6/4で、現在十分に規制されていない軟化段ボールブリスターパックの様な包装材料の混ざった廃棄物により引き起こされた問題についての懸念を表した。ニュージーランドは、二重のアプローチ:IMDGコードに記載された危険物質を含む廃棄物にふれている追加項目を含む附属書Vの第3規則(1)(a)の改正;及び語句“プラスチック”に、軟化段ボールブリスターパックを含めるべきであるという効力の統一の解釈の承認、を提案した。
6.24 当委員会は、MARPOL附属書Vの下の貨物残留物の問題に関してさらなる意見及び提案を提供している文書MEPC 55/6/7(BIMCO)を銘記した。BIMCOの見解で、“乾貨物からの貨物残留物を含む貨物ホールド洗浄水”と名付けた新しい廃棄物の種類を含めることによる“MARPOL附属書V実施のためのガイドライン”の改正は、問題を明確にする。
6.25 当委員会は、ノルウェー、ニュージーランド及びBIMCOの提案に支持のあったことを銘記し、それらがMARPOL附属書Vの見直しの開始点として良い基礎となることに合意した。
会期間通信部会の設置及び委託事項
6.26 当委員会は、カナダ調整役*の下で会期間通信部会を設置することに合意し、全体的に、MARPOL附属書Vに見直しを扱う目的で、以下を指示した:
.1 以下を考慮して、MARPOL附属書V及び関連したMARPOL附属書V実施のための改正ガイドライン(決議MEPC.59(33)、改正として)の包括的見直しのための、骨子、作業方法及び時間枠を作成すること:
.1.1 他の関連機関及び組織と協力して、MARPOL附属書Vの見直し及び海洋廃棄物の海洋発生源へ向けての有効性の評価をIMOに招請している国連総会の決議A/RES/60
.1.2 文書MEPC 55/11/3に記載されたロンドン条約/MEPC共同通信部機会の勧告;
.2 文書MEPC 55/6/3、MEPC 55/6/6及びMEPC 55/6/7並びにMEPC 55で作成された意見を考慮して、MARPOL附属書V及び関連したMARPOL附属書V実施のための改正ガイドラインの最初の改正案のリストを準備すること;
.3 MEPC 56へ文書による報告書を提出すること。
MARPOL附属書I及びIVの明確化、解釈又は改正
6.27 当委員会は、改正MARPOL附属書I及び附属書IVの異なる要件の明確化、解釈又は修正のための数件の提案であるMEPC 55/6/2(マーシャル諸島及びINTERTANKO)、MEPC 55/6/5(IACS)、MEPC 55/6/8(IACS)及びMEPC 55/6/9(オーストラリア)を審議した。
6.28 文書MEPC 55/6/2を紹介して、マーシャル諸島は、改正MARPOL附属書Iで、受入施設に関する第38規則が、現在の附属書Iでは第9規則の参照により同様の第12規則(2)(e)で提供されている、油タンカーの貨物区域からの油性残留物に関する受入施設を提供する義務の記述を除外したと思われる事実に当委員会の注意を促した。共同提案者の見解では、(現在、貨物残留物を除く油又は油性混合物の排出要件に関る第15規則に参照のみされている)油タンカーの貨物区域からの排出要件に関する第34規則の記述を、油タンカーの貨物区域からの残留物の受入施設を提供するべきであること及び、これに関連して、改正MARPOL附属書I第38規則2.5項の改正案の一文を文書に含めることを明確にするために、改正附属書Iの第38規則2.5項に含めるべきである。
6.29 検討に続き、当委員会は、文書MEPC 55/6/2に含まれたマーシャル諸島及びINTERTANKOの提案に合意し、附属16に記載された、改正MARPOL附属書Iの第38規則2.5項の改正提案を承認し、事務局長にMEPC 56での採択の目的で検討のためMARPOL改正手順に従い回章することを指示した。当委員会は、未発効である、改正提案に加盟国政府、港湾主管庁及び産業会の注意を促すため事務局にMEPC.1/Circ.541の発行を指示した。
6.30 当委員会は、当委員会に、以下の様に読める、改正MARPOL附属書Iの第37規則4項に記載された要件遵守の評価のための基準と意見の一致を招請している文書MEPC 55/6/5(IACS)を銘記した:
“すべての載貨重量5,000トン以上の油タンカーは陸上の損傷時復原性及び残余構造強度コンピュータ計算プログラムにすみやかに接続できること。”
6.31 当委員会は、IACSが表明した見解と意見が一致し、以下の基準がこれらに関連した責任問題を含む、原則及び改正MARPOL附属書Iの第37規則4項が作成された下での予想に適合していることに合意した:
.1 船舶と船舶の最新型のコンピュータにアクセスできる陸上のサービス提供者と船上でリンクする契約の存在の証明及び写しの船上での保持;
.2 訓練された人員と共に試験済みのコンピュータハードウェア及びソフトウェアが上述の規定に従いコンピュータ計算能力の提供が可能であり能力を有することを示しているサービス提供者からの鑑定書の入手;及び
.3 船長がいつでも陸上の会社にアクセスする方法を有していることの証明。
6.32 文書MEPC 55/6/8を紹介して、IACSは、当委員会に、附属書IVの適用を受けるすべての船舶が、大きさ及び汚水処理プラント又は汚水貯留タンクを備えているか否かに関わらず、港湾の受入施設は汚水を陸揚げするための配管及び陸上接続フランジを備えなければならないという結果の、MARPOL附属書IVの第10規則(1)を実施するための基準を提供している自身の解釈MPC 86について通知した。
6.33 当委員会は、IACSの上記解釈を支持し、附属17に記載されたMARPOL附属書IVの第10規則(1)の要件の統一の解釈として承認した。
6.34 オーストラリアは、文書MEPC 55/6/9で、改正MARPOL附属書IIの第1規則6項の“途中で(en route)”の定義を改正附属書Iにも適用するべきであることを提案した。この理解は、現在の附属書Iの第9規則から削除され、その結果、同様の改正附属書Iの第15規則には記載されていない、船舶の機関室からの油性残留物の排出の制限として、一番近い沿岸から12マイルの最小距離を必要とする。このように改正附属書Iで“途中で”の定義がないことで、船舶が航行中である場合最も近い陸地からの最小距離要件なしに排出を認められると解釈される可能性がある。オーストラリアの見解では、船舶は、港湾区域又は内水内での排出禁止の結果となる、“海上で”とするべきである。加えて、“海上で”の語句を、“内水の外側”の表現を共に限定することにより、改正附属書Iの目的のために、さらに明確化するべきである。
6.35 検討に続き、当委員会は、附属18に記載された、改正MARPOL附属書Iの第15規則2.1項のための“途中で”の語句のための、以下の統一の解釈に合意した;
“途中で”は、船舶が、航海の目的で実用的である限り、可能な限り海上の広い範囲へ広める排出の結果となり妥当かつ実用的である、最短距離の航路からの逸脱を含め、ある針路を海上で航行中であることをいう。
船上の焼却炉の容量
6.36 当委員会は、評価と共に油残留物の処分のための焼却炉に関する文書MEPC 55/INF.8(デンマーク)を銘記した。そして、同文書は、投入したスラッジの成分により焼却炉の容量(リットル/hour)がある範囲で変化するという事実に当委員会の注意を促した。その結果、ORBに記録される一時間当たりに焼却されるスラッジの量は、IOPP証書の追補に記載された容量を超える可能性があり(例えば、スラッジの水分量が多い場合)このことは、ORBに焼却されたと記載されたスラッジの一部が他の方法により、違法に、処分されたとの寄港国監督官の疑いにつながる可能性がある。
*調整者:
Mr. Paul Topping
Environment Canada
351 St. Joseph Blvd., 12th Floor
Gatineau, Quebec, KIA OH3
Canada
Tel: +819-953-0663
E-mail: paul.topping@ec.gc.ca
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