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他の関連する国連組織との協力
 
4.28 当委員会は、MEPC 41の要求に従い、温室効果ガス排出の削減及び京都議定書の要件に従った燃料油の使用に関してIMO事務局及び国連機構変動枠組み条約(UNFCCC)及び科学及び技術面にかかる補助組織(SBSTA)間の協力を継続している。さらにIMO総会は、決議A.963(23)により、IMO事務局にUNFCCC事務局及び国際民間航空機関(ICAO)との協力の継続を要求した。UNFCCC及びIMO事務局間の協力は、1998年以来継続していて、MEPC会期及びSBSTA会期の結果は、2機関間で報告される。
 
4.29 当委員会は、IMO代表が、2006年5月にドイツ、ボンで開催されたSBSTA 24に参加し、議題項目7(c)−“国際航空及び海上輸送に使用される燃料からの排出”の下で船舶からの温室効果ガス(GHG)に関する最新のIMOの作業を通知したとする文書MEPC 55/4/2(事務局)の情報を銘記した。SBSTA24の議長は、IMO代表からの情報を歓迎し、船舶からの温室効果ガス排出削減に関する作業に対しIMOに感謝を表明し、両事務局間の緊密な協力の継続を望んだ。
 
4.30 当委員会は、ICAO及びIMO事務局間の協力に関する最新の情報を要求し、IMO GHG調査の最新化を提案している、UNFCCC過程に関するさらなる情報を提供している文書MEPC 55/4/15(ノルウェー)の情報を銘記した。
 
4.31 当委員会は、国際航空及び海上輸送からの排出に関する作業を、2005年11月にカナダで開催された、SBSTA 23から継続するためSBSTA 24において部会を設置することを銘記した。SBSTA代表団のメンバーは、本件をICAO及びIMO委任するべきであり、京都議定書第2.2条及び決定2/CP.3により解決するべきである、一方、数カ国の代表団がこの議題項目を完全に削除することを提案したと述べた。数カ国の代表団は、本件に関して十分な検討を望んだ、しかし、UNFCCCが全会一致を要求したとして、結論は合意されなかった。当委員会は、SBSTAが次回会期(2006年11月)で本件の審議を継続する予定であることを銘記した。当委員会はさらに、事務局が同時に開催されるBLG大気汚染作業部会の会期間会合のためSBSTA 25へ参加する予定のないこと、しかし、GHG作業に関する同会期の結果を文書による報告書で提出する予定であることを銘記した。
 
4.32 当委員会は、海運及び航空からの温室効果ガス排出の制限又は削減に関する近年のICAO及びIMOの事務局間の協力がUNFCCCメカニズムを通してのみ行われ、両機関の事務局間の直接の協力が行われていないとする事務局からの情報を銘記した。
 
4.33 当委員会は、国際海運からのGHG排出の問題を審議している他の関連する国連組織との協力が必要であることに合意し、事務局に決議A.963(23)に従い協力を継続することを指示した。当委員会は、同部会にいかにしてIMO及びICAO事務局間の協力を高めるかについて審議することを指示した。
 
IMO-GHG調査の最新化
 
4.34 当委員会は、第42回会期において、当委員会が事務局に船舶からのGHG排出に関する調査を開始することを指示し、運営委員会の設置及び調査資金の提供に合意したことを想起した。気候変化の船舶による現在までの寄与の最も包括的な評価は、1997年の大気汚染会議のフォローアップとして、文書MEPC 45/8で2000年に発行された船舶からの温室効果ガス排出に関するIMO調査に含まれた。船舶からのGHG排出に関するIMO調査は、船舶が世界のCO2総排出量の約1.8%に寄与していると予想し、当時、CO2排出に関して実施された輸送方法作業と比較してこれより良い結果となった輸送方法はなかった。
 
4.35 当委員会は、調査の最新化が将来の決定のためのより良い基礎とするため必要であり、決議A.963(23)のフォローアップの進捗を支援することが可能であることに合意した。
 
4.36 当委員会は、大気汚染作業部会にIMO GHG調査の最新化の時間枠を審議すること及びそのための委託事項案を作成することを指示した。
 
船舶CO2排出インデックシング−試行からのデータ及びインデックシング計画の欠点
 
4.37 当委員会は、MEPC 54が同ガイドラインの見直しは時期尚早であることに合意し、同ガイドラインは、見直しのためのより良い基礎を提供するため、可能な限り多くの現実的経験を得るため、見直しをMEPC 58において又は以降に行うと規定していることを銘記した。背景として、当委員会は、ガイドラインの修正提案を徹底的に審議するべきではない、しかし、MEPC 58での審議を心に留めておくことに合意した。
 
4.38 当委員会は、CO2インデックシング計画に関する以下の文書:MEPC 55/4/3(ドイツ及びノルウェー)、55/4/4(ノルウェー)、55/4/8(韓国)、55/4/12(インド)、55/4/14(インド)、MEPC 55/INF.9(日本)及びMEPC 55/INF.11(韓国)を作業部会で審議するべきであることに合意した。
 
4.39 当委員会は、インデックシング試行に関する情報を提供した加盟国及びそれを可能とするため協力した海運業界の、ガイドラインの使用を促進するための努力に感謝し、他の主管庁及び業界がガイドラインを使用する際、同情報を考慮することを望むと表明した。
 
4.40 当委員会は、大気汚染作業部会に任意の船舶からのCO2排出インデックシング試行のための暫定ガイドラインに関する文書に含まれた試行からの情報を審議し当委員会に報告することを指示した。
 
GISISのGHGモジュール
 
4.41 当委員会は、いかにして任意の船舶からのCO2排出インデックシング試行のための暫定ガイドラインに従って実施した試行の結果を収集し、加盟国及び海運産業が比較及びさらなる調査のためアクセス可能とするか審議した。当委員会は、MEPC 54において、中央データベースの設置のための大気汚染作業部会からの助言(MEPC 55/4)と意見が一致したことを想起し、文書MEPC 55/4/11で事務局が提供した情報を審議した。文書MEPC 55/4/4(ノルウェー)及びMEPC 55/4/14(インド)は、CO2インデックシングからの運航上のデータのための中央データベースの設置を支持した。
 
4.42 当委員会は、大気汚染作業部会に大気汚染作業部会に、いかにして設計及び管理を行うかを含め、GISISのGHGモジュールのための助言の提供を指示し、いかにして報告している機関内にデータベースを設置するために事務局との協力を達成するか審議した。
 
排出権取引の可能性
 
4.43 当委員会は、文書MEPC 55/INF.7で提供された排出権取引の背景及び海運にその様なメカニズムを導入するための可能性のある異なったアプローチに関する情報を銘記した。当委員会は、排出権取引が、国際海運からのGHG排出の制限及び削減を達成する必要のあるメカニズムを特定及び作成する際、決議A.963(23)により求められた、可能性のある運用上及び市場を基とした一つの解決法であることも銘記した。当委員会は、作業計画に従い、GHG排出を扱うための技術的、運用上及び市場を基とした方法をMEPC 56及びそれ以降に審議するべきであることに合意し、文書の審議を次回会期に延期することに合意した。
 
大気汚染作業部会の再設置
 
4.44 検討に続き、原則としてMEPC 54で合意されたとして、当委員会は、岡村敏氏(日本)議長の下以下の委託事項で大気汚染作業部会を再設置した:
 
 “加盟国の提出及びプレナリーで作成された意見を考慮して、大気汚染作業部会に以下を指示した:
 
.1 文書MEPC 55/4/5(英国)及びMEPC 55/7(フィンランド及びノルウェー)を審議し、可能であれば、MEPCがMEPC回章により普及させるため当委員会の承認のために排気ガス-SOxスクラバーシステムのための洗浄水の基準案を最終化すること、また、今会期での最終化が不可能な場合は、いつどの様にして洗浄水の基準を最終化するか審議すること、また、これを通信部会の設置を通して行う場合は、同部会の委託事項を起案すること;
 
.2 当委員会の承認のために排気ガス-SOx洗浄システムのためのSECA適合証書の標準書式案(MEPC 55/4/9、附属)を最終化すること;
 
.3 作業計画に従い並びに特にIMO及びICAO事務局間の協力を改善するために、技術的及び方法論的大局観から、決議A.963(23)のフォローアップ行動を審議すること;
 
.4 任意の船舶からのCO2排出インデックシング試行のための暫定ガイドラインに関する文書MEPC 55/4/3(ドイツ及びノルウェー)、MEPC 55/4/4(ノルウェー)、MEPC 55/4/8(韓国)、MEPC 55/4/12(インド)、MEPC 55/4/14(インド)、MEPC 55/INF.9(日本)及びMEPC 55/INF.11(韓国)に含まれた試行からの情報を審議すること;
 
.5 IMO GHG調査の最新化のための委託事項案を準備し、その様な最新化のための可能な時間枠を設定すること;
 
.6 いかにして設計及び管理を行うかを含め、GISISのGHGモジュールのための助言を提供すること;及び
 
.7 2006年10月12日、木曜日に、文書による報告書をプレナリーに提出すること。
 
大気汚染作業部会の報告書
 
4.45 作業部会の報告書(MEPC 55/WP.6)の審議前に、当委員会は、以下を銘記した:
 
.1 作業部会は、国際民間航空からのGHG排出の作業に関するICAO事務局代表が提供した口頭での情報を歓迎した。ICAOは、国際民間航空の専門機関であり、189の加盟国を有する。1960年代までさかのぼる作業で、ICAOは、主に航空機の騒音及び航空機エンジンの排出に焦点を当てた。その削減作業に関して、ICAOは、最初に技術的及び運航上の削減の選択肢に焦点を当てた。1998年以来、ICAOは、排出削減のための市場を基とした措置の実行可能性及び費用対効果の高さを調査してきた。同調査は、とりわけ、自由な排出権取引がこの業界にとって費用対効果の高い措置であると結論付けた。第35回ICAO総会の決定に従い、ICAOは、国際民間航空からの排出をUNFCCC過程と一致する排出権取引計画へ組み入れるためのガイドラインを作成している。ガイドラインの作成の仕事は、複雑で資金を要しさらに加盟国及び専門家の積極的な参加を必要とした。この問題でも、ICAOは、現存する任意取引計画に関する情報を含む報告書を準備している。
 
.2 作業部会は、ICAOがUNFCCC事務局と緊密に協力して、環境計画に関して成し遂げた進捗を最新化したUNFCCC過程を保持して、UNFCCC関連会合へ定期的な声明を提供したことを銘記した。ICAOは、将来GHG関連事項に関するIMOとの緊密な協力の可能性を歓迎した。そして、それは、この問題での国連組織間の協力を強化するためのICAOの表明した長期政策と一致した。
 
4.46 作業部会の報告書(MEPC 55/WP.6)を審議して、当委員会は、報告書を一般に承認し、特に以下の行動を取った:
 
.1 米国を調整役として排気ガスSOx洗浄システムのための洗浄水基準に関する通信部会*の設置を承認し、以下の委託事項を承認した:
 
通信部会に以下を指示した:
 
.1 文書MEPC 55/4/5(英国)及びMEPC 55/4/7(フィンランド及びノルウェー)を考慮して、決議MEPC.130(53)、MARPOL附属書VI、第14規則(4)(b)項−排気ガスSOx洗浄システムのためのガイドラインに従い、以下を含む、洗浄水排出基準を作成すること;
 
.1 洗浄水評価−方法を参照;
 
.2 利用されている洗浄水監視;
 
.2 上記を考慮して、MEPC.130(53)との不一致を明示すること;及び
 
.3 MEPC 56へ文書による報告書を提出すること;
 
.2 附属10に記載されたSECA適合証書の標準書式を承認し、事務局に決議MEPC.130(53)−排気ガスSOx洗浄システムのためのガイドラインの付録として添付することを指示した;
 
.3 事務局にMEPC会期の結果及びIMO内の他のGHG関連作業の結果をICAO事務局に報告することを指示した;また、さらにICAOに作業の結果をIMOに報告することを招請した;
 
.4 IMO事務局にSBSTAの次回会期に出席するための職員の配置を指示した;
 
.5 次回会期でGHGに関するIMO調査の最新化のための委託事項案の問題を再考するための作業部会の勧告に合意し、加盟国及びオブザーバーに最新化及び委託事項の範囲の情報の提出を招請した;及び
 
.6 GISISのGHGモジュールに関する事務局が求めた助言を次回会期で再考するとした作業部会の勧告に合意し、加盟国及びオブザーバーに残っている問題に関する情報の提出を招請した。
 
*調整者:
Mr. Wayne Lundy
U.S. Coast Guard
Tel: +1 202 372-1379
E-mail: wayne.M.Lundy@uscg.mil


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