[未定稿]
ドイツの地方税制度
I ドイツ連邦共和国の概要
1 政治形態:16の州で構成される連邦制国家(1990.10.3 ドイツ再統一により形成)
2 人口:約8,244万人(2005年度)
3 面積:約35.7万km2(日本の約0.94倍)
II 地方自治体の概要
1 州政府(16州:旧西ドイツ11 旧州+旧東ドイツ5新州)
・自らの議会を通じて法律を制定し、自らの政府を通じて施行することが可能。
独立した州憲法裁判所を有する。
2 地方自治体
○郡・・・市町村の連合体として広域業務に関するものを実施。州の下級行政官庁。自治権は認められているが全権限性は有しておらず、原則として独自の課税権を持たないため、その財源は、所属市町村の分担金及び州からの交付金等となる。
○特別市・・・市町村の事務と郡の事務を併せ持つ、比較的大規模な都市。
○市町村・・・州以下の地方自治組織。地方行政サービスの大半を提供。基本法(第28条第2項)により、市町村に対しては強い自治権を保障。
※連邦政府と州政府の法的管轄権
ドイツの国会は、連邦議会と連邦参議院から成り立つ二院制。連邦参議院は16の州を代表し、種々の制約はあるものの、連邦制に基づいて各州の意思を連邦の立法・行政に反映させることができる。
III 地方自治体の所掌事務
・連邦政府は、社会生活状況の改善に資するときに州政府の任務に関与することが可能。
・州は、法と秩序、教育、幹線道路に対しては、市町村と共同責任を負う。
・地方自治体には、包括的権限が与えられており、補完性の原理に従って住民の要求・他団体の担当外の領域において、事務を実施可能。
※連邦・州・地方政府(特別市・郡・市町村)における機能分担は、下記のとおり。
機能 |
連邦政府 |
州政府 |
特別市 |
郡 |
市町村 |
初等・中等教育 |
|
○ |
○ |
○ |
|
高等教育 |
● |
● |
|
|
|
住宅 |
|
○ |
○ |
○ |
○ |
健康対策(病院) |
|
|
▲ |
▲ |
|
健康対策(その他) |
|
|
▲ |
▲ |
▲ |
社会福祉 |
社会保障 |
|
▲ |
|
▲ |
ごみ処理 |
|
|
▲ |
|
▲ |
上下水道 |
|
|
▲ |
▲ |
|
公共交通 |
|
○ |
○ |
○ |
|
レジャー(公園・スポーツ) |
|
|
▲ |
|
▲ |
文化振興(劇場、博物館) |
|
○ |
○ |
○ |
|
経済開発 |
|
○ |
○ |
|
○ |
警察 |
|
● |
|
|
|
消防 |
|
○ |
○ |
○ |
○ |
電気の供給 |
|
政策 |
○ |
○ |
|
|
※●・・・連邦、州に固有の事務。
▲・・・地方自治体(特別市・郡・市町村)に固有の事務。
|
(出典:Local Government Finance: An International Comparative Study) |
IV 地方財政の状況
[地方の歳入・歳出構成]
(1)州・・・州の財源としては、税金、補助金、交付金、使用料、手数料、公債その他があり、州の財源の70%は税収、18%は補助金または交付金である。
(2)市町村・・・市町村の歳入は、.税収(29%)、補助金・交付金(44%)、資本移転(7%)、その他(20%)。ただし郡の歳入はこれと異なり、使用料・手教料、(約30%)、構成市町村納付金(約25%)がその大きな部分を占め、税収は少ない。
〔歳入構成〕
州の歳入構成(2000)
市町村の歳入構成(2000)
〔歳出構成〕
州の歳出構成(2000)
市町村の歳出構成(2000)
|