鳴門競艇開設準備
◇モーターボート運営委員会を設置(昭27、3、29)
モーターボート競走の実態を調査するとともに競走場設置を促進するため市議会内にモーターボート運営委員会を設置し、役員の選出については各常任委員会より一名宛だし選考した結果、次の議員が選任された。
委員長 永楽亀太郎氏、副委員長 山上利明氏、副委員長 多田甚助氏。
◇大村市ヘモーターボート場視察のため市長及び議会関係委員出張(昭27、4、5)
◇丸亀市ヘモーターボート場視察のため市長出張(昭27、4、16)
◇大村市のモーターボート競走テストレース視察報告(昭27、4、21)
永楽委員長より大村市で行なわれたモーターボート競走テストレースの視察結果は、競馬、競輪以上に有望であるとの報告をうける。
◇モーターボート競走施行について(昭27、5、12)
モーターボート競走を開催するについて、慎重を期すため委員会を四部門にわけ、それぞれ専門的に調査研究し、更に綜合調査研究を続け、その綜合調査の結果によってやるかやらないかを決定することとした。
一 経営と競技 二 敷地(海面を含む) 三 建物(スタンド)
◇専門委員会を開催(昭27、6、23)
三部門にわけ検討した結果、一応競艇事業は実施推進すべきであるとの結論に達した。
施設の建設
施行指定が昭和二十七年三月十七日にされたものの競走場を建設する資金の調達にゆきづまった。地方自治体とはいえ公共投資資金を地方銀行から多額の借りいれをしている鳴門市にあっては、競艇事業そのものが不安定なものであり、銀行としては事業が健全であるとの保証が得られぬ限り貸付は不可能であるとことわられた。建設費及び運営資金の財源を確保するため関係者は日夜奔走したが、みとおしは暗く前途に不安をいだかせた。
その頃岩朝万次郎氏より大津町出身で兵庫県で活躍せられている谷崎善次氏が郷土で何か協力できることがあれば資金を融資してあげてもよいとの気持をもたれているのでこの際交渉をしてみたらどうかという話を市の理事者にもちかけてきた。
指定を同時にうけた大村市が昭和二十七年四月六日、津市が昭和二十七年七月四日に初開催しているにもかかわらず、鳴門市はまだ施設の建設みとおしがたっていなかった。
運輸省からは建設期日が相当遅れるのであれば許可を取り消すかも知れないとの意向がつたわり議会(議長篠原弥治兵衛氏)においても、市長(槇田 太郎氏)に建設計画について方針を明らかにすべしと本議会において質問を行ない、市長(槇田 太郎氏)も遂に建設資金については市中銀行等で借りいれはむつかしいので谷崎善次氏のご好意をうけ、契約交渉を行ない相手方の合意が得られれば、借用し施設を建設することに同意した。建設資金借り入れ交渉は理事者(市長槇田 太郎氏)と議会(議長篠原弥治兵衛氏)と岩朝万次郎氏があたり、いろいろ意見の交換が行なわれたが、最終的には谷崎善次氏が市の案を了解せられ建設資金については一応立替金で執行し、年次的に市が谷崎善次氏に償還する方法がとられることになった。
◇モーターボート運営委員会(昭27、7、13)
建設費について谷崎善次氏との交渉結果が報告され、施設費一三〇〇〜一五〇〇万円は谷崎善次氏から借り受け付帯設備三〇〇〜三五〇万円は市が負担する。着工は十二月頃とし、昭和二十八年三月中旬か下旬には初開催する。
◇モーターボート運営委員会(昭27、10、7)
競走場施設建設資金借りいれ契約協議
◇観光企業課が発足する(昭27、10、6)
放生課長ほか五名が発令される
◇モーターボート運営委員会(昭27、10、27)
競走場施設建設資金借りいれ契約協議
施設工事契約
請負契約書
一 工事名 鳴門市モーターボート競走場新設
二 工事場所 鳴門市撫養町桑島
三 工期
着工、昭和二十七年十一月二十日
完成、昭和二十八年三月三十一日
四 請負代金額 金壱千七百七拾弐万壱千円
五 契約保証金 免除
右工事について註文者(鳴門市長)を甲とし、請負者(神戸市兵庫区湊町一丁目谷崎善次並びに神戸市兵庫区鍛冶屋町共立建設株式会社代表取締役刑部昌武)を乙とし、徳島県建設工事標準請負契約約款等に関する規則、鳴門市契約条例、同施行規則並びに左記条項によって請負契約を締結する。
右契約の証として、本書参通を作り、当事者記名押印の上各壱通を保有する。
記
一 徳島県建設工事標準請負契約約款等に関する規則中左の通り訂正する。
第十六条、第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条、第二十八条、第二十九条、第三十二条、第三十六条を抹消する。
二 甲は、契約後速やかに着工準備金として契約金額の二割を乙に支払うものとする。
三 契約金額から着工準備金を差引いた残額は、一応乙が立替えるものとし、これの決済方法は次による。
1 甲が主催するモーターボート競走開催毎に売上金の百分の五相当額を競技終了の都度乙に支払う。但し甲の都合によって甲乙協議の上この率を変更することが出来る。
2 甲が競走場を他の都市に賃貸するときは、その使用料の二分の一の金額を乙に支払う。
3 前一、二号による一年間の支払金額が五百万円に達しないときは、五百万円を下らない金額とする。
4 償還期間は第一回の競技開催後弐ヵ年以内とする。
四 立替金の利子は原則として銀行金利とし、両者協議の上協定する。
五 工事は建物其他単位完成毎に、乙はこれを甲に引渡すものとする。
六 甲がこの競走場内に建造物の増改築その他附属施設等を行う場合は乙にこれをなさしめるものとする。
七 この契約書に記載していない事項については、甲乙協議の上この競走場建設目的を達成するため総て善意に協力するものとする。
昭和二十七年十一月十二日
註文者 鳴門市長 槇田 太郎(印)
請負者 神戸市兵庫区鍛冶屋町六番地
共立建設株式会社代表取締役 刑部 昌武(印)
神戸市兵庫区湊町壱丁目六四 谷崎 善次(印)
鳴門市撫養町才田字岩崎壱番地
立会人 岩朝万次郎(印)
工事 |
工期 |
契約金額 |
本体 |
昭和27年11月20日
昭和28年3月31日 |
円
17,721,000 |
第1回追加 |
昭和28年3月10日
昭和28年3月31日 |
4,364,000 |
第2回追加 |
昭和28年3月25日
昭和28年4月18日 |
3,110,000 |
第3回追加 |
昭和28年5月1日
昭和28年5月31日 |
2,597,000 |
第4回追加 |
昭和28年7月20日
昭和28年8月25日 |
175,000 |
第5回追加 |
昭和28年12月28日
昭和29年1月31日 |
825,000 |
総計 |
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28,792,000 |
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◇競艇事業運営を円滑にするため観光と企業とを分離し事業課として発足さす(昭28、3、20)
◇競走場の登録申請書を全国モーターボート競走会連合会に提出(昭28、4、2)
鳴事第145号
昭和28年4月2日
全国モーターボート競走会連合会長
足立 正殿
鳴門市長 槇田 太郎[印]
鳴門市営モーターボート競走場登録申請書送付について
標記の件につき競走場、ボート、モーター、選手及び審判員登録規則第2条の規定による競走場の明細書及び当該水面の所有者の同意書を別紙のとおり提出いたします。
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競走場その他施設の名称構造
名称 |
建坪 |
構造 |
入場券発売所 |
6.5 |
木造亜鉛葺平屋建 |
案内所 |
8.0 |
木造スレート葺平屋建 |
補助審判台 |
2.0 |
〃 |
本部 |
24.0 |
〃 |
便所 |
16.0 |
〃 |
警備室及び消防詰所 |
6.0 |
〃 |
事務室 |
17.5 |
〃 |
モーター、ボート検査場 |
50.0 |
〃 |
モーター、ボート格納庫 |
108.0 |
〃 |
モーターボート繋留所 |
2ヵ所 |
〃 |
モーターボート桟橋 |
1ヵ所 |
〃 |
油庫 |
3.0 |
鉄筋コンクリート平屋根 |
選手控室 |
82.5 |
木造スレート葺二階建 |
計 |
323.5 |
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