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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


昭和二十七年三月十五日
 株式会社常滑モーターボート競走協会創立。
 時至り全町民、全関係者の期待と好奇の眼の中に発足した競走協会は、
払込資本金 一〇、〇〇〇千円
第二回払込 一〇、〇〇〇千円
(昭和二十七年九月中)
第三回払込 二〇、〇〇〇千円
(昭和二十七年十二月中)
とし、会社役員には
取締役社長 鵜飼鍬吉氏(名古屋市)
取締役専務 杉江達太郎氏(常滑町)
取締役   山本庄太郎氏(〃)
〃    山本森次郎氏(〃)
〃    竹内富一氏(鬼崎町)
〃    沢田民四郎氏(西浦町)
等、主に常滑、西浦、鬼崎三ヵ町の有力者が就任し、事業遂行に便なることを図った。
 定款により定められた会社の事業内容は、
一 モーターボート競走会会場の施設
二 モーターボート競走会施行者と事業の協力提携
三 モーターボート競走会会場内における諸物品の販売並に請負事業
四 前項に附帯する一切の業務
 但し官庁の許可を要するものは之を除く。
である。
 ここにおいて態勢も整い愈々実動に入るわけであるが、差当って膨大な計画による埋立工事、陸上諸施設工事に要する約六〇、〇〇〇千円の建設資金の手当については解決を見ておらず、これがため昭和二十七年三月二十六日取締役会を開き、内一〇、〇〇〇千円は新株を発行現在の株主にて引受けるものとし、五〇、〇〇〇千円は大道相互銀行・東海銀行にて融資されるよう協力方をお願いすることとなった。
 資金のめどがつけば次には工事請負業者を決定し早々に建設に着手出来るわけであり、常滑町としてもこれを見越して全国モーターボート競走会連合会運営委員長矢次一夫氏に文書をもって、本年七月には待望の第一回競走が開催出来る旨を確約し出場選手等の手配方をお願いしたのである。
 然しながら何分にも小さな町のことであり、地元にては到底これだけの大掛りな工事をしかも短期間に実施出来る業者はなく、さんざん苦慮の結果これのあっせん方を連合会に依頼したところ、横浜市馬渊建設株式会社、埼玉県本庄町日米建設株式会社の二社の推薦を得たので、建設委員鵜飼社長・杉江専務は両社の経歴、内容等について慎重に審議の結果、日米建設に決定、工事段取り等も考慮し着工を五月十日、完成予定を同年九月三十日、請負金額三八、三五八千円とし、四月二十九日契約を行なった。
 なお、陸上建築物請負工事は鵜飼社長の関係で、名古屋市西区中部建設株式会社との間に請負金額一八、八〇〇千円、竣工予定同年八月三十一日とした契約が六月二十日に至り漸く取りかわされたものであり、常滑町が望む七月開催は到底無理なこととなった。このあたりからしてすでに株式会社常滑モーターボート競走協会の運営については多難な様相を呈していたものと推察される。
昭和二十七年四月二十五日
 常滑モーターボート競走施行組合(常滑町・西浦町・鬼崎町)設立許可申請書を愛知県知事に提出。
 株式会社常滑モーターボート競走協会設立については、常滑・西浦・鬼崎の三ヵ町より町会議員ほか町有力者の参加を得て事実上三町一体の姿で創立されたのであるが、一方施行者としては独り常滑町のみが誘致運動等を行なっており、この頃に至り漸く各町の町長及び町会議員より将来の常滑市実現への前提として本事業についても三ヵ町が共同して遂行すべきであるとの意見が高まり、また常滑町としても、常滑を中心としての大同団結は目前に迫る市制施行への踏石でもあることを充分認識しており、一面この競走事業が如何に大事業であり到底一町のみにての遂行は難事であると思われていた矢先のこととてまことに好都合の話であると賛成、四月早々に開かれた三ヵ町の町長・町議会議長の懇談会において、一部事務処理のための施行組合設置のことが何の障害もなく取り決められた。
昭和二十七年四月二十八日
 愛知県知事より常滑モーターボート競走施行組合が指定認可された。
昭和二十七年六月十二日
 競走法第二条第一項の規定による指定申請書を、常滑モーターボート競走施行組合管理者常滑町長より地方財政委員会委員長に再提出する。
 昨年十二月に一度申請した施行者指定認可申請書については、第一項より第三項に至る理由によって却下されたのであるが、その後地財事務官等を通じて知り得た結果によると、施行者は単独であっても人口が三万人以上なければならない。理由は、一競走場設置については施設その他の資本金として最低三〇、〇〇〇千円はかかると思われ、かかる莫大な資本金の支出方法、また事業不振の場合等を考えれば何れにしても人口三万人以上を有する市町村でなければその処理方法を合理化することは困難である・・・とのことであり、幸いにも常滑・西浦・鬼崎三ヵ町の共同体となった今ではその人口も合わせて三万一千余人となり、地方財政委員会の要求する人口の条件を満すところとなり、施行組合として再申請をすることとなった。
 なお、さきに常滑町より提出し却下となった理由については七月二十五日付文書をもって、常滑町長より地方財政委員会委員長宛に詳細なる説明がなされた。
昭和二十七年八月三十日
 競走法第二条第一項の規定による施行者指定の認可を受ける。
 伊勢の海の波は高かった。
 順風満帆の如き滑り出しをみせた株式会社常滑モーターボート競走協会ではあったが、現実は殊の外厳しかった。
 さきの取締役会においてとり決められた建設資金調達で破綻をきたしたのである。まず新株一〇、〇〇〇千円を現在の株主に割当てる件について意外に抵抗が強かった。一時はあれ程世論を沸きたたせた競艇ブームも、いざ再度にわたり自分の懐から金を出すとなるとやはり一抹の不安にかられるのか、会社首脳陣の意の如くにはならなかった。或いは当初会社設立を急ぐのあまり、町民に対するPR不足であったのかも知れない。ましてや五〇、〇〇〇千円の融資方を申し込まれた金融機関は尚更に冷ややかであった。堅実主義の銀行にしてみれば確たる裏付もなく、果して成功するものかどうかも疑わしい事業に融資することを躊躇するのは当然であったに違いない。
 土木工事請負業者日米建設株式会社に内金五、〇〇〇千円の支払いをした後は、これまですでに創業費仮払い約二、三〇〇千円等の出費もあり、会社設立資金の一〇、〇〇〇千円にては如何ともしがたく、陸上の建設部門を担当することとなった中部建設株式会社への内金支払い四、〇〇〇千円については八月三十一日支払いと九月三十日支払いの手形発行をせざるを得ない有様で工事に着手したのであるが、その後の工事費出来高払いも意の如くにならず、工事費支払いの遅延は請負業者の士気にも影響し、工事は遅遅として進まず、徒らに時日のみ費すという悪循環に落ち入り遂に中部建設に発行した手形も支払い不能の状態に立ち至ったのである。
 ここにおいて鵜飼社長も意を決し、伊奈常滑町長に対し競走場建設工事を常滑町にて引継がれたいとの申し出をしたのであるが、常滑町はこの申し入れについて、前後二回に亘り議会議員全員協議会を開き慎重審議の結果、建設工事八〇、〇〇〇千円という多額の経費を要することとて、資金の面において急速なる引継ぎは出来難いとの結論となり、この申し入れを断ったわけである。
 この回答に接した会社側では、再び新株一〇、〇〇〇千円発行を取締役会において決議し、昭和二十七年九月十五日現在の株主に対して割当てることとしたのであるが、これまた前回同様の結果となり遂に万策尽きた形となった。
 この非常事態到来のため町側では同九月十六日、常滑・西浦・鬼崎の三ヵ町に大野町を加えた四ヵ町の代表者会議を開き善後策を協議した結果、四ヵ町より新たな会社役員を推挙することとし、その候補者を常滑町より五名以上、他の三ヵ町よりは各一名以上を推薦しその中から選出することとなった。
 この代表者会議の決定は直に常滑町長より鵜飼社長に申し入れられたのである。然しながら新役員としても何分にも従来の経過からしてその運営も極めて至難であり大役であることは充分察知されるので、ここに慎重を期し運営委員五名を選び今後の会社運営について検討を重ねた結果、会社を引受けるについての条件を次のとおり各関係者に示した。
昭和二十七年十月九日
常滑モーターボート運営委員
滝田次郎(常滑町)
滝田福三(〃)
山本定一(西浦町)
竹内豊義(鬼崎町)
小島正三(大野町)
四ヵ町町長
鵜飼社長
日米建設株式会社
中部建設株式会社
 
引受条件
一 対会社
イ 旧株式は普通株とする。
ロ 新株式は優先株とし、普通株式に先立ち年一割の利益配当を受けるものとする。
ハ 旧役員は一応総辞職するものとする。
ニ 従業員は一応退職すること。
ホ 会社決議に際しては事前に四ヵ町の承認を得ること。
二 対四ヵ町
イ 四ヵ町は金二〇、〇〇〇千円以上を会社に融資すること。
ロ 四ヵ町はモーターボート競走施行にあたり、当分の間施行の事務を会社に嘱託すること。
ハ 常滑町は可及的速かに常滑港に橋梁架設工事を完成すること。
三 対請負業者
イ 日米建設株式会社は三八、九〇〇千円の請負代金を一割の値引すること。但し、立替工事金は減額して一二、〇〇〇千円とする。
ロ 中部建設株式会社は一八、八〇〇千円の請負金を一割の値引とす。但し立替工事金は減額して五、〇〇〇千円とする。
 すでに会社より常滑町に対してなされた建設工事引継ぎの件も不成立となった今では、新役員による会社建なおし案より解決の道はなかった。しかし請負業者にしてみれば、工事途中において契約金額を値引きさせられることについて、強い不満をもったのは、いたしかたのないことであった。
 即ち、日米建設よりは「承知なり難し。契約事項の実行を確約されたる場合には、一割の値引きすることもやむを得ないが、但し、現在までの出来分については、清算願いたい」。中部建設よりは「次の要望事項を確約されたる場合これを受諾する。(1)期日経過せし約束手形金額とその他に二、〇〇〇千円を十月二十五日までに支払うこと。(2)競走協会に関する今後の工事を、特命にて当社に下命下されたい」と強い要求が運営委員宛に提出され一時は険悪な空気が漂ったのであるが、後日新役員による会社再発足後の説得によりこれを了承、それぞれ契約を変更し工事続行となった次第である。
 四ヵ町・会社はこの条件を受諾した。
昭和二十七年十月二十五日
臨時株主総会開催
一 四ヵ町より推挙のあった新役員を迎えるため定款を変更して取締役八名、監査役三名の増員を決議し、それぞれ次の者を選任した。
取締役
滝田次郎氏(常滑)滝田福三氏(常滑)
水上義介氏(常滑)水野依信氏(常滑)
久田慶三氏(西浦)久田仁一郎氏(西浦)
竹内豊義氏(鬼崎)小島正三氏(大野)
監査役
滝田英二氏(常滑)山本定一氏(西浦)
山内しづ氏(大野)
二 出資金一〇、〇〇〇千円にては建設事業完遂不可能であり、資金難のためとする理由にて次の役員より辞任の届出がなされた。
取締役
鵜飼鍬吉氏 杉江達太郎氏
山本森次郎氏 山本庄太郎氏
竹内富一氏
監査役 竹村芳郎氏


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