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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


 この改造工事は全スタンドにわたったため、施工区分を設けレース運営に支障のない方法で施工したが収容能力の減少をきたし、護岸際に立見観覧台を設置せざるを得なかった。然しこの設置場所は競艇開催期間中の道路占用部分であるため開催毎に設置撤収を繰返さなければならなかった。
 ようやくにして昭和三十五年四月に全スタンドの改造工事が完了し、八月開設五周年記念特別レースを開催したところ売上は依然上昇をたどり、昭和三十六年前半の一日平均売上は二、一〇〇万円となり全国一位の売上成積を占めるに至った。
 昭和三十六年五月施行者より開設当初来の老朽施設部分と入場者の激増による場内施設の狭降を解消するよう施設改善の要望がなされた。当社もかねてより当競走場の立地条件を勘案した場内施設改修の研究が進められていた。この改修計画の着手に先駆け資金調達の円滑をはかるため、新株の発行を行ない昭和三十六年十二月一日をもって資本金五、二五〇万円とし、改修計画は着々進行しつつあったとき昭和三十七年四月二十日モーターボート競走法が恒久法として成立した。
 これを契機として更に改修計画の促進をはかるべく敷地拡張の折衝を行ない着手態勢も徐々に整いつつあるとき、五月九日突如として渡邊社長は黄泉の旅路にたたれた。業界その他に数々の業績を残され、更になお一層の英知を願うとき、永遠のお別れをしなければならなかった。会社葬は五月二十一日に社団法人神奈川県モーターボート競走会との合同葬により、関係者多数参列ししめやかに執り行なわれた。
 前述の如く当競走場施設の大改修に第一歩を踏み出さんとする重大な時期を迎え、取締役会は専務取締役小高吉男氏を取締役社長に選任した。この重責をにない小高吉男氏が取締役社長に就任するや、施行者より昭和三十七年六月モーターボート競走法の改正による競走場施設の改善及び整備の強化に関連し、全面的施設の改善が要望された。
 改修計画もようやく着工態勢へと進行し、改修構想に関連する敷地の拡張及び一部民家の移動も滞りなく完了し、八月改造工事に着手した。初期の構想は従来のスタンドを撤去し鉄骨鉄筋コンクリート構造によるスタンドをはじめすべての施設を網羅したものであった。このため競艇開催上工事を三期に分け、第一期工事部分より開始した。従って第一期工事のスタンドは撤去されたため、これの代替として敷地拡張部分に高さ十米に及ぶ仮設パイプスタンドを設置した。改造工事の進行に伴い、資金対策として再度増資を行ない昭和三十七年十二月十九日をもって資本金を一億円とした。昭和三十八年四月第一期工事を終了し、鉄骨鉄筋コンクリート構造のスタンド及び投票所、売店等の諸施設が設けられた。折りしもモーターボート競走法の恒久化に伴い施設改善調査委員会が設けられ、五月当競走場の調査が行なわれた。その結果委員会より改造工事の第二期第三期の残余の部分も順次初期の計画通り遂行するよう要望された。
 
護岸を利用した観覧席
 
 然し昭和三十九年に至り中川放水路護岸は高潮対策として築堤工事が施工されることとなり、その規模は従来の護岸より約二十米川表に伸び堤防天端は五米を占め更に高さはA.P七・三米となる巨大な堤防に様相を一変することとなった。再度にわたる高潮対策工事は従前の比ではなかった。この堤防が完成するとき当競走場の諸施設は競走水面への視界が全く不良となり、既に第一期工事を終えたスタンドさえ過半数の部分は見通しを欠くと予測された。然しながら公共事業には抗し難く、再度競走場諸施設の改造を余儀なくされ初期の構想は振り出しに戻る事態となったため、急遽急逮再検討を迫られた。
 
スタンド全景
 
 この中川護岸築堤工事は七月中旬より施工され、工事日程の関係上八月と十月の二ヵ月は水面使用が不可能となり当競走場は開催を中止せざるを得なかった。この工事の進行につれ逐次施設への影響は日増しに顕著となって現われて来た。そのため工事の進行に並行して影響を受ける施設より先ず着手することとなり、十月水上施設全般にわたり設置替えすると共に、主審判塔は高さ二十五米に及ぶ鉄骨構造をもって新設した。以来各所にわたる諸施設の再整備実施に関連し、資金調達の一部として昭和三十九年十二月一日をもって当社第三回の増資を行ない資本金を一億四千万円とした。昭和四十年に至り築堤工事もいよいよ噴上工事より盛土工事へと進行した。眼前に視界を遮えぎる巨大な堤防の姿が日一日と型づくられる時、レース運営に一抹の不安さえ感じさせられた。しかし当社総力を結集しこの事態打開につとめ、既に視界全く不良の旧スタンドは全面的に撤去し、地上十三米から十六米に及ぶパイプ組立方式によるスタンドを仮設し本格的スタンド完成までの間対処した。
 
江戸川競走場
 
 一方競技関係施設は四月より着手しレース運営に支障なき施工方法をとりながら、又築堤工事との関係を調整しつつ行なわれた。それがため競走水面へ至る昇降桟橋をはじめ、仮設施設等に多額の費用を投入せざるを得なかった。昭和四十年九月二十日整備施設が完成し関係者列席のうちに落成式が挙行された。
 巨大な堤防が着々完成に向って進行するかたわら、当競走場主要進入路である堤防下道路は幅員を拡げるべく整備途上にあったため、荒廃し凹凸甚だしく時として一面砂挨となり又路面至る所水溜りとなり全くの悪路と化した。又これに加え、小松川周辺の交通事情は麻痺状態の徴候を呈した。従って営業成績は低下の傾向となって現われ、堤防工事の進行状況に比べ道路整備は遅々として進行しなかったため、当社職員は一粁に及ぶ路上の整地や排水作業等開催中の殆んどこれに終始した。
 昭和四十一年五月漸くにして築堤工事が完了し、投票所新設に着手することとなった。そのため七月に仮設パイプスタンドを撤去し盛土造成工事が施工され傍ら堤防天端上にパイプスタンドに代る仮設立見席を設け、収容能力及び競走水面への視界の確保につとめた。かかる築堤工事の影響を受け競走場施設の再整備途上であったが、八王子市、武蔵野市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市の十市に依る競艇事業組合が施行者として昭和四十一年三月に認可を受け、東京都十市競艇事業組合(昭和四十二年四月より東京都六市競艇事業組合となる)は、当競走場に於いて月二日開催することとなった。
 昭和四十一年十月十三日盛土造成工事を終え投票所新設のため地鎮祭が挙行され、建設工事は急ピッチで始められた。これと共にスタンド建設の構想がたてられ、堤防工事以来度び重なる仮設施設を設けながら多額の経費を費やして来たが堤防法面を利用したスタンド実現を目指し、関係各位の御協力を得折衝したところ、当競走場の実情が認められ堤防法面一六〇米を利用した階段式スタンドを設置することとなり、十一月より着手した。これ等の工事はいづれも突貫工事をもって施工され十二月二十八日年の瀬を迎え竣工した。
 このスタンドは更に昭和四十二年九月に中川放水路上流に向って四十米延伸され、モーターボート競走の熱戦を眼下に見下し競走水面に接する二〇〇米のスタンドとなった。
 然しながら多額の建設費を投入し場内施設の再整備を行ないながらも、今なお昭和三十八年四月に第一期工事を終えた鉄骨鉄筋コンクリート構造のスタンドの大改造が残された。
 当時護岸高A.P四・五米を考慮し施工されたものであったが、堤防天端高A.P七・三米の巨大な堤防と化したため、この有蓋スタンドの機能は大部分阻害される結果となった。
 この大改造にあたっては慎重に立案計画がなされ、この程改造計画の大綱を見るに至ったが、当施設が河川堤塘敷附近地にあるため、構造上これに関連する許可を得着工されることとなり観覧席をはじめ投票所等諸施設を含み総工費約四億円を必要とする大改造となる。
 顧みれば昭和三十四年九月より公共事業としての中川護岸工事をはじめ、大堤防の完成に依る影響のため投下せる資金実に八億円にのぼり、まさにこの対策に終始したといっても過言ではない。


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