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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


ファンの実態調査実施
 このような状況下にありながら、来場するファンは真の競艇ファンであることは言を待たない。そこで、堤防工事終了後の施設改善と、ファン誘致の今後の施策を立案するうえに役立たせるため、昭和三九年三月一六・一七日の二日間にわたり、ファンの実態調査を実施した。その結果は下表のとおりであった。
 調査は調査員(一二名)による面接法により行なった。
 
1. 調査人員 606人
2. 住居・職業別
江戸川区 182人 (30.0%)
周辺区 256〃 (42.2%)
その他 168〃 (27.8%)
サラリーマン 209〃 (34.5%)
自営業 213〃 (35.2%)
その他 184〃 (30.3%)
3. 利用する交通機関
都バス 165人 (27.2%)
施設会社バス 115〃 (19.0%)
タクシー 144〃 (23.8%)
その他 182〃 (30.0%)
4. 競艇場に来る交通機関について
便利と思う 100人 (16.5%)
不便と思う 369〃 (60.9%)
普通と思う 109〃 (18.0%)
その他 28〃 ( 4.6%)
5. 開催日は何で知るか
日刊新聞 401人 (66.2%)
予想新聞 75〃 (12.4%)
看板 93〃 (15.3%)
その他 37〃 ( 6.1%)
6. 江戸川競艇場に何年位来ているか
3年未満 281人 (46.4%)
5年未満 154〃 (25.4%)
6年以上 171〃 (28.2%)
 
 これらの調査の結果、一見して顕著な割合を示した交通機関の問題は、今後の大きな課題として提起されたのである。そして、いつでも気軽に行って、帰れる競走場になりたいものとつくづく感ぜられた。
二施行者による開催
 都市への人口過度集中は、都心部における地価の上昇、居住環境の悪化などの結果を招き次第に東京の人口を都心から遠距離の地におしやり、都下三多摩の急激な膨脹という現象をひきおこし、下水道、学校等の公共施設及び道路の整備など、行政需用の増大を招くこととなったのである。
 ここにおいて、競艇を実施し、財源の一助にすべく都下十市(東村山・小平・日野・国分寺・八王子・三鷹・調布・昭島・小金井・武蔵野)は昭和四一年三月七日自治省の指定を得て競艇事業を実施することとなり、同年四月七日都知事の許可を受けて、東京都十市競艇事業組合を設立し、江戸川競艇場において昭和四一年度から実施することとなったのである。
 そして、開催の手続や準備の都合で、同年六月三〇日、七月一日の二日間に第一回の開催が行なわれた。
 開催にあたっては、次のような方針で協定がなされた。
一 従業員が同一であるので、労務政策は一体制を確保するため、都が主管する。
二 競走の日取りは、第二節の前二日と後二日を交互に行なう。
三 次のように、都と十市競艇事業組合と判然と区別して使用することができないもの及び共同で行うことが適当であるものは、都において一括して購入し、又は実施し経費については開催日数割に按分することとした。
(一)印刷物(投票券及び出走表、入場券を除く)の購入
(二)物品類(賞品を除く)の購入
(三)宣伝広告
(四)その他、統一的に処理を心要とする事務
 その他、前日前回、前期払のような支払事務もお客さんの便利のため、都がすべて行なうこととした。又、事務援助を目的として、都は地方自治法の定めるところにより、競艇係職員を派遣することとした。
堤防かさ上げ工事後の諸施策
 前にもすでに述べたとおり、護岸が一層高くなったことにより、場内テレビや、仮設スタンドの設置等の緊急措置が講ぜられたにもかかわらず限られた人数であったため、ファンの間から、見えない、見せない競艇場と悪評を招き売上成績は下降の一途をたどったのであるが、三年にわたる築堤工事が、昭和四一年五月に終了するや、これまでに失ったファンを呼びもどすことと、工事期間中においても江戸川競艇に通ってくれたファンに対するサービスとしても、第一に、見よい、買いよい競艇場へ脱皮しなければならない。それには一日も早く諸施設の改善が望まれた。
 高くなった堤防越しの観戦は、より高いスタンドを造らねばならないのは当然であるが、高い位置から見るということは、レースの迫力も興味も半減することは必定である。
 より見よいためには、競走水面サイドに観覧席を設ける必要があり、これがためには堤防を利用した観覧席が考えられるのである。
 しかし、これには河川法により河川管理者の許可が心要であり、施設会社において許可の申請をしたのであるが、競艇事業の主管部としても、このことについて副申をし、昭和四一年一二月七日に至り許可をえ、ここに全国初の堤防スタンドが出現したのである。
 この堤防観覧席の建設に併行して、買いよい新投票所の建築も進められ、同四一年一二月末の開催から使用することとなった。また、この年は、川面を風が吹き抜けるためか、水の流れが変化したためか、以前にも増して水面状況が悪く波浪による中止順延は八日間にも及んだのである。このような中止順延は、ファンをとまどわせる結果を招きファンからは、少しでも風が吹くような時は、電話による問合せが目立って多くなった。
 これに対する対策として、これまでの波に強いボートの改良だけでなく波を消すための積極的対策を立てるべく、以前にも増して波浪対策が関係者の間で真剣に検討されたのである。そして、施行者、競走会、施設会社は運輸省の船舶技術研究所と建設省港湾技術研究所をおとずれ、波を消す方法について研究員の意見を求めた結果、鉄くずを入れたカゴを風の方向側に浮かせるか、九州大学の教授が考えた気泡を水中から出す方法とか、又は竹か板を浮かせる方法とかが考えられるが、航行船を通すところは全面的に敷設できないこと。よしんば敷設しても効果は競走水面の全域にわたっては不可能であるとのことであった。そこでさしあたっての抜本的対策はやはり、ボートの改良しかないこととなったのである。しかし、ボートの改良については、長い間ボートの更新の都度なされて今日に至っているので、考慮の余地は全くない現状に関係者は頭をかかえ、比較的波に強いといわれるランナーバウトの採用を考慮したのである。
 ランナーバウトは旋回性能等がハイドロプレーンに比べよくなく、レースの興味がないとして開催当初に使用して以後、長い間採用せず今日までハイドロプレーン一本で実施し、ファンの間でも一つの特長として認識されてきたのであるが、波浪対策としてはやむをえないところで再採用に踏み切ったのである。
今後の課題
 このように、次から次へと難問が十数年の苦節の年月を経た今日においても依然として目前にあるのである。
 加うるに、車の年々激増する割合に追いつかぬ道路整備は渋滞度を増々激しいものとし、気軽にファンを寄せつけようとはしなく、江戸川競艇の浮沈をかけることにもなりかねないほど、重大化してきているのである。
 しかし、幸いにもここ数年の間に建設中の橋が競艇場の上、下流に三本完成する予定であるので、それまでは耐え難きをたえ・・・一歩々々かつての栄光を求めて、家族ぐるみで楽しめるよりよい施設と環境づくりにたゆまず槌音を響かせ、そして、文字どおりレジャーとして、スポーツとして発展することを念願し努力を重ねなければならないと思うのである。
収益金の使途について
 都がモーターボート競走事業を始めて以来、一〇余年を経た今日までの収益金は(昭和二九年度〜昭和四一年度)四〇億六千万円余であったが、これらの益金は他の競走事業の益金とともに一般会計に繰出し、昭和三二年までは福祉事業、三三年と三四年には六・三制整備として老朽校舎の改築、屋内体育館の建設に使用され、昭和三五年以降は改良住宅、公営住宅及び母子住宅の建設に使用されたのである。
 そして、今後一層ファンの支持を得て収益を更に上げ、ますます増大する行政需用の一端のにない手として住民の福祉の向上に役立つことを念願してやまないのである。
 
堤防観覧席、左に投票所がある


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