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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


江戸川競艇場の誕生
 昭和二五年一〇月九日、中川放水路において行なわれた日米親善モーターボート競走が契機となって、江戸川区が水禍に悩み、区政発展にとかく暗影をきざすことにかんがみ、河川を利用することによっていかに発展し得るかということが、区の声となり競走法が成立公布されるや、江戸川区議会議員によって自動競技場招致実行委員会が結成され(委員長滝沢正之)、都議会に請願が出され、昭和二八年一一月二四日には都の財務委員会で請願審査の結果、必ず一ヵ年以内に開設せられるよう努力されたいとの意見が付され採択されたのである。
 昭和二九年四月二六日には東京都競艇施設KKが設立され、同五月一日付をもって運輸大臣に競走場建設について事前審査の申請を提出するとともに、河川敷に工作物を設置する許可並びに公有水面占用について申請書を提出(昭和二九年六月一四日)昭和二九年八月六日には許可を得るとともに、同年一一月二九日には競走場建設についての認可を得るに至り江戸川における競艇開催は着々と準備が進められて昭和二九年一二月一〇日埋立工事に着工という運びとなったのである。
 これにともなって、江戸川区議会議員による自動競技場招致実行委員会は、目的を達成したため、解消された。
 一方、東京都においても、前記施設会社において、いよいよ工事に着手せんとする段階に至ったので、この施設の完成と同時に、これを都において、都営モーターボート競走施行のために使用することに決定したが、都は、大森平和島において、実施中のモーターボート競走の成績は良好とはいえない現状にかんがみて、江戸川における競走の実施にあたっては、都財政の負担となるがごとき結果を避けるため、次のような条件をもって使用承認をしたのである。
一 施設の借上料は、勝舟投票券の総売上金の4/100に相当する額の範囲内において、別に競走場貸借契約を締結する。
二 競走施行の結果、都の財政に欠損を生ずるようなことがある場合は、その後の競走を中止することがある。
三 前項の場合又は、法律の改廃その他の事情により、事業を中止する場合においても都は、これによって貴社のこうむる一切の損害補償等の責を負わない。
四 競走場の建設並びに、競走実施による附近住民その他関係人よりの一切の苦情補償等は、貴社の責任において処理解決し、競走の実施に万全を期すこと。
五 工事の施行に当っては、設計内容その他について連絡をとること。
 かくして建設が着々と進められた結果、昭和三〇年六月三日には竣工の見込となるにおよび施設会社からは、早期開催について、都に対し願出が出され、引き続き、江戸川区観光開発協会よりも同様趣旨の願出もあった。
 都においても開催準備を進めていたところ、昭和三〇年八月一二日から、江戸川の競走場を使用して、都営第九回を実施することになったのである。
 江戸川の初開催の成績は、下表のとおりで当初見込んだ予定一日売上目標四八〇万円に対しまずまずのすべり出しであった。
 
開催日 昭和30年8月12〜17、19〜24日
売上 52,763,700円(1日平均4,396,900円)
入場 28,630人( 〃 〃  2,385人)
 
江戸川においての全日本選手権競走の実施
 江戸川における事業成績は、石の上にも三年という諺にもあるが、ようやく三年という年月を重ねファンの認識も高まり上昇をみることができ、昭和三二年度においては、一日平均一、二一二万円余の売上を記録し、当時の全国各地の競走場のトップの成績をうるに至り、はからずも、昭和三三年度モーターボート選手権大会が当地において開かれることとなったのである。
 業界最大の行事として行なわれる第五回全日本モーターボート選手権大会が、関東において、しかも江戸川競艇場で開催されることは、最高の栄誉であった。
 そこで、これが開催と運営にあたっては、満都のファンにボートレースのだいご味を満喫してもらうと同時に、この競艇事業が法の趣旨の実現のため、確固不動のものとなることを念願し、関係者の協力を得て、第五回全日本選手権大会は昭和三三年八月一日から六日間に至り熱戦の火ぶたを切ったのである。
 その結果、一日平均一、九三五万余円の売上を記録。第一回から第四回までの売上記録を更新することができ、成功のうちに終了。
 以降着実な伸び率を示しつづけていったのである。
 なお、三津川要選手が初優勝を飾った。
 
第5回全日本選手権大会の入場式
 
法改正後の施設改善
 モーターボート競走事業は、昭和二七年事業開始以来、他の類似競技と同様、常にきびしい世論の下に運営され、過剰な観客誘致やサービスをせず、自粛自戒により今日に至っているのである。その間、公営競技の制度全般についての公営競技調査会の答申もあって、競技場の環境を整備し健全娯楽としてできるだけその弊害を除去する事で存続ということになり昭和三七年一〇月には、競走法の改正をみ、ここに恒久法となったのである。
 これによって、各競走場におけると同様、施設会社においても、従来の土盛の木造スタンドを撤去し、鉄筋コンクリートの大スタンドの建築にとりかかり、昭和三八年四月に完成をみたのである。
 そして、より良い環境造りと施設の改善は今日においてもなお競技運営の根幹として重要なこととされているのである。
中川堤防かさ上げ工事始まる
 昭和三四年に発生した伊勢湾台風の結果から数々の教訓を得、東京都においてもその海象・気象等の状況と地盤沈下区域の拡大にかんがみて、伊勢湾台風級の高潮に対処し得る防潮堤を設置しなければならないこととなった。
 江東地区は、東京都内においても最も地盤沈下の激しい区域で、満潮面以下の低地地域で、ぞくに〇メートル地域とされているので、このような災害が発生した場合は、非常に多くの被害をもたらすことは必至である。
 そこで東京都は、これら低地地域の護岸のかさ上げを緊急に実施することとなり、昭和三八年度から三ヵ年計画をもって、工事の着手となったのである。
 江戸川競艇は、東京の東部を南北に流れる河川を利用して実施しているが、この中川の堤防越しに観覧席と投票所等の施設を設けてある関係上、この堤防のかさ上げによりレースの観戦に支障が出ることは必至であった。別掲写真のように、従来の堤防の高さAP(APとは平均水位)三・七mからAP七・三mになるのであるから当然堤防越しから見る場合は、より高い位置から見なければならないこととなるわけである。もとよりこの工事は、公共の福祉を目的とした工事である以上、一競走事業の利益は考慮の余地がないのは当然であり、やむを得ないものであったのでむしろ工事の進行に支障のない範囲で、競艇を開催すべきこととなったのである。
 そこで、競艇の開催日程について、この工事の主管局である建設局第五建設事務所と工事施行の工程表に従って、充分な協議がなされ、決定されていったのである。
 これと同時に工事中は、種々の重機械類や器材によるファンの事故防止対策と、築堤工事であるからトラックによる土砂運搬の往来が激しくなり、これによる交通事故対策等について、慎重に検討し、次々と工事の状況の変化する中で対策が立てられ、工事終了の昭和四一年五月まで無事故を通したのである。
 そして、江戸川競艇場への主要幹線道路である京葉道路上にあって、この中川にかかる小松川橋附近の交通量は、日本においても有数のもので、その交通渋滞度は、常に都内最高の状態であり、日によっては国電亀戸駅からバスで二〇分で来るかと思うとある日は、一時間半をついやすという状況下に、売上の低迷をみ始めていた当時において、この堤防かさ上げ工事は、更に悪条件となり、かつて、日本一の売上を誇った競走場も次第に下降線をたどらざるをえなくなった。
 しかし、このような悪条件にもかかわらず、来場するファンは真に競艇を愛し、楽しんで来られるファンであり、有難いものとこの時程感じたことはなかった。そして、これらのファンのため、別掲のような仮設のパイプスタンドを設けるとともに、場内に有線テレビ四台を据えつけ、ファンの観戦の便に供したのであるが、なんとこのパイプスタンドヘ登るには八八段の階段があり、レースごとに登り降りすることは容易なことではなかったが、ファンは、この堤防かさ上げ工事のためやむを得ないものと理解し、工事終了後の施設の改善に期待を寄せ、せっせと登ってくれたのである。
 
堤防のかさ上げ工事始まる
 
組み上げたパイプ・スタンド


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