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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


東京都営大森競艇の開催から中止まで
 このような準備期間を経て、昭和二九年都営大森競艇は関東におけるモーターボート競技のトップを切って、昭和二九年六月五日から八日までを一節、同一三日から一六日までを二節、同二三日から二六日までを三節として一二日間を開催した。
 この第一回の開催は、売上八七、二一四、四〇〇円、入場人員四九、二九二人という成績であり、当初の目標額一日一千万円に対しまずまずの成績であった。
 モーターボート競技のファンは、皆無であったのでファンの獲得にはきめ細かい宣伝とボートエンジンについての知識の啓もうを合わせ行なわなければならなかった。関係者が一心に努力を続けた結果、次表に示すごとく徐々にではあるが、売上成績は向上し、希望が湧いてきたのであるが、売上の増加にもかかわらず入場人員は減少し、いっこうに増加の傾向がうかがわれず、ついに五回以降は回を重ねるごとに売上も低下していく状態に関係者はあせりを覚えてきたのである。
 
売上 入場人員 1日人員

昭和29年 6月(第 1回)
     7 (  2 )
     8 (  3 )
     9 (  4 )
    10 (  5 )
    11 (  6 )
    12 (  7 )
昭和30年 1月(  8 )
     2 (  9 )
     3 ( 10 )

87,214,400
93,357,600
94,415,200
88,346,300
83,577,300
79,323,100
47,897,100
66,464,100
47,015,300
42,085,400

49,292
36,285
32,695
20,963
13,872
12,422
4,187
9,572
4,188
3,452

4,107
3,023
2,724
1,746
1,156
1,035
348
797
349
287
 
 このまま推移するならば、当初の目的を達成するどころか、大きな欠損を生ずることになることは必至であり、関係者は更に一段と奮起しなければならなかった。そこで、担当課長以下タスキがけに宣伝ビラ、マッチ等を持参し、各競走場へと人海戦術でPRに努めたのであるが、いっこうに好転しない状況が続き、いろいろと原因追求のため討議が繰返され、ある人は、競馬・競輪と違って、最後の追込みがなく、レース自体が単純で興味がなくスリル感に乏しいからだとか、また、ある人は、ファンのモーターボート競技に対する知識の不足からだとか、あるいは、すぐ両隣に大井競馬場、川崎競馬場、川崎競輪場があり、はさまれたような形で立地条件が悪いからではないかといわれながらも事業の育成に向って努力したにもかかわらず、ついに昭和二九年度における一〇回の開催における収支は、三七、三九四、六二七円の赤字となってしまったのである。
 この間にあって、売上の成績不振ばかりかモーターボート競走の実施に伴って、種々と多くの難問題が地元から提起されたのである。
 即ち、昭和二九年六月大森貸船組合は、都議会に陳情し競艇開催によりこうむった損害に対する補償要求として補償金を含め、場内の売店、自転車預り、場内の清掃の請負について、権利の無償譲渡等が出されたが、話し合いの結果、都及び大森水上レクリエーションKKが四〇万円を支払うとともに、自転車預り施設、掃海作業の請負を提供することにより解決をみた。
 また、昭和二九年一〇月二九日には地元町会より騒音に対する苦情が相ついで起り、事業の継続運営があやぶまれることにもなりかねない状況となったが、騒音防止対策について、抜本的対策が早期に実現できる状態にはなかったので、事業の公共性を説明することにより了解を得なければならなかった。
 住民のうける有形、無形の損害については、何んらかの形で解決をはからなければならず、町会と話し合った結果補償金一三〇万円を支払うことで和解が成立。この補償金支払によって今後何等の異議を申立てないことを約したのであった。
 このように大森競艇実施にあたっては、難業苦業の連続に事業の継続は危機にひんし、ここにおいて、都は、中止か継続かの岐路に立ち至り、その事業の推移をみながら検討を加えていたのであるが、好転のきざしが見えないところから、中止の時期を検討せざるを得なくなったところ、大森水上レクリエーションKKより昭和三〇年六月二〇日を以て知事ならびに議長あて、このまま推移すれば施設会社においても、今後の対策諸準備もあり至急中止の時期を決定するよう請願陳情があり、都議会、財務委員会においても「理事者は適当な時期に中止すること」で了承を得中止の時期を検討した結果、次の事項を条件として、都営第八回大森競艇(昭和三〇年九月二日)をもって終了日とすることで財務委員会の了解を得て決定したのである。
 
売上 1日平均 入場 1日平均

昭和30年4月(1回)
  〃 5 (2〃)
  〃 6 (3〃)
  〃 7 (4〃)
  〃 8 (5〃)

47,324,500
65,391,000
69,984,400
69,316,500
48,086,600

4,734,200
6,539,100
5,832,000
6,301,500
4,007,200

5,207
2,619
9,017
23,378
9,844

520
261
755
2,125
820
 
 東京都知事安井誠一郎を甲とし、大森水上レクリエーションKK取締役社長山名義高を乙として
一 乙は、昭和二八年一一月二六日甲との間で締結した「公有水面の埋立をなす権利の譲渡契約」の本旨に従いモーターボート競走事業の施行のため必要に応じ、その施設を利用させるものとする。
 甲は、事業育成について、積極的に協力するものとする。
二 乙は、将来甲がモーターボート競走事業を、平和島埋立地において実施するため、三ヶ月前に競走場及びその付属設備の使用の申し出を受けたときは、いつでもこれに応ずるものとする。
三 乙が、モーターボート競走場に使用する目的のため、甲から譲り受けた埋立権に基く埋立区域(以下「埋立区域」という)において、都民のための水上レクリエーション施設を設けようとするときは、事前にその計画及び方法等につき甲と合議するものとする。
四 乙は、埋立区域における既存の事実及び将来において発生する事実に基く、第三者から補償その他の請求があったときは、その責に任ずるものとする。
 かくして、モーターボート競走事業の大森、平和島における都内初開催は、関係者の努力にもかかわらず失敗に終わってしまったのである。


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