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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


新聞で促進(記事転載)
 オリンピック終了後の戸田コースをめぐり、日漕内戸田対策委員会の突き上げによって、折角、了解が着きそうにみえた埼玉県と文部省並びに日漕主脳とのトップ会談が難行し、それに、体育振興特別委員会(大石武一会長)における社会党の柳田秀一氏の質問に始まり、スポーツ議員連盟(川崎秀二会長)までが政治的に動き出し、かてて加えて、河野国務大臣の管理権移管六ヵ月延期説までとび出しどたん場にきて「戸田コースは何処へ行く」という情勢になってきた。
 従来、競艇と漕艇は、共存していたのである。それを日漕はこの機会を利用して、飽くまで競艇をしめ出し、国立、競技場として、日漕が独占しようとして、活発な運動を各方面に展開している。日漕の言い分は、「元来、戸田漕艇場は、日漕が、国に協力して、若干の整備費用や労務を、提供して出来上がった」とか「今回のオリンピック戸田コースに国は三億円の費用を出して作りあげたのだから、当然、国有にすべきである」とか「ギャンブル競艇と、アマチュア漕艇とは共立すべきでない」とか、宣伝これつとめているようだが、もともと戸田コースは河川改修の際、国、県、地元が協力して、洪水に備えて作ったもので、(設計者の金森博士はオリンピックに使う意思があったようだ)労働力の提供は、日漕ばかりでなく、地元青年達も出労しているのである。
 今回とて、県は面倒な民家の移転や、環境整備などで三億円、競艇休止中の戸田、十市両組合に対し、補償として三億円、計六億円の県費を支出し、また、競艇両施行者は従来、競艇開催中その売上金の百分の一を水面使用料として県に納付していた。勿論、休止と同時に、県から補償を受けたが、開催中の利益の半額にも達せず、各市は、歳入減による事業の変更や、五百余名にのぼる従業員の処置等受任団体であるモーターボート競走会(染谷清四郎会長)までが、あらゆる困難を克服してオリンピックに協力したものであって、日漕が一方的にこのコースを独占しようなどとは思いもよらぬことである。県と文部省との間で取りかわした戸田コース地上権設定の期限は、この三月三十一日で切れる。しかるに、新聞報道によれば、河野国務大臣は、この期限を六ヵ月延期すると報ぜられているが、万一これが事実とすれば、とんでもないことで、法を守るものが、自ら法を破ることになる。地上権設定は、飽くまで当事者間の話し合いによるべきものであって、たとえ、閣内実力者といえども、借用者が一方的に期限を延期することなどは、独裁国ならいざ知らず、わが民主主義国家の憲法下にあっては、決して許されるべきものではない筈である。しかし、昨日の埼玉新聞の記事によれば、日漕会長が河野国務相をたずね「競艇場を将来ほかに移管するという条件で月六日の競艇場を認める」という条件を持ち込んだところ河野国務相は「関係者の間で早急に問題を解決するよう」といったと書いてあるが河野国務相も権限を認識してきたようだ。この際、当事者は雑音に耳を傾けず、期限切れと同時に地上権を解除し、戸田コース内に所有権を持つ国、県、地元は、それぞれ各自の所有物を管理し、しかる後、戸田コースの運営上について、関係者が協議の上、全体の管理権をいずれかに委任すればよいのである。改修された戸田コースは、全長二千四百米あり、競艇で使用する部分は、上流最端の六百米である。残りの干八百米は、日漕が何時でも自由に使用できるのであって、従来とも、漕艇二千米の競技を行なう場合は、たとえ競艇開催中であっても出発時間を打ち合せて、お互いの競技に何等支障なく、円満に運ばれてきたのであって、共存は可能である。また、競艇場内に在る国有地は、もと、村道付替えのとき廃道または村道に指定すべきであった細い通路敷があるのみで、水面コースでさえ、中央の幅、二十米は、戸田水利組合の所有である。最下流に建設された国有の艇庫や、本部事務所、並びにスタンド跡などは競艇再開には何等支障がないのである。従って、戸田組合が自分の所有地に競艇施設を建設することは建築基準法や、競艇施設基準に合致しておれば、自由であって、誰にも迷惑をおよぼさないものである。
 戸田、十市両競艇組合は、県の要請により、オリンピック終了後の、四十年一月より再開することを確約して、三十七年十月競艇を中止し、十市組合は、四十年一月より三月までの収益を各市に配分することとして、三十九年度は県から補償を受けていないのである。仮に問題が四月に解決して、施設者である戸田組合がただちに工事に着手し、幸い十月再開出来たとしても、四十年度は下半期だけとなりなお、この十月再開が危ぶまれることにでもなれば、十四市は財政上重大な危機に陥り、ために県に対し強硬に補償要求を余儀なくすることになる。しかし、お互いに多大な犠牲と困難を克服して国に協力した者同士が、いがみ合わなければならない結果になるなど、思っても悲痛なことである。県が再開について相当強腰に努力していることは、了解できるし、またその労を多とするものであるが、この機に臨んで、今一段の邁進を切に願うと同時に、文部省並びに日漕の一考を強く要望する次第である。
昭和四十年四月一日
都市事務局長 塩原圭次郎
 こんな状態で再開が予定期日に間に合わなくなったので佐藤副知事は運輸省に出向き、日漕の要望を入れて施設改善委員会が認めた設計より縮小することにし、コース使用日程はアマチュア優先ということで漸く了解を得て、早速戸田競艇組合は工事に着工することにした。
戸田との施設借上げ契約
 昭和四十年八月九日当組合は、陸上施設について文書をもって従来どおり借用方を申し入れ、同八月十七日付回答があったが、それによると、施設の使用料は百分の六(従来百分の三)、舟艇(オーナー)は戸田組合の所有とすること(従来戸田二、都市一の割合で所有)。これは七月三十日戸田競艇組合議会の議決によるものでその写が添付された。この回答は一方的であったが施設新設に対する借入金の返済は当時の売上で三ヵ年間と見られていたので事情止むを得ず契約期間を三ヵ年とし、その後の契約については双方協議して行なう旨を申し入れ、同年十月十二日付契約が取り行なわれた。
 かくして工事は昼夜兼行で行なわれたが、一部未完成のまま競艇は再開されることになった。
再開日と感謝状拒否
 昭和四十年十月二十八日待ちに待った戸田競艇場再開は戸田組合営をもって当時日本一を誇る新設マンモススタンドで盛大に開会された。当日、笹川会長に対し戸田、都市、競走会の三者名をもって感謝状及び記念品を贈呈することになっていたが、大阪でのあっせん会議の席上、選手即日帰郷の問題について関東ブロックが(代表塩原都市組合助役)全員退場したことから、笹川会長が都市組合からの感謝状拒否を発表し、開会前ゴタゴタ(このいきさつは塩原助役のメモに詳細記載してあるが、同氏の「今は発表の時期ではない」との要望により割愛する)したが、ひと先ず落ちついて無事開会式を終わった。
それから三年
 十市組合は再開に先だって新四市を加え、埼玉県都市競艇組合と改称、戸田競艇組合の再開記念競走のあとを受けて、十一月五、六、八、九、の四日間再開第一回レースを行なった。初め五日から八日まで四日間続けて施行する予定で選手等の配分を受けていたが、日漕から「アマチュア優先で七日の日曜は大学レガッタをやるので空けて貰いたい」との要望があり、止むを得ず七日の日曜日を割愛したため、売上げ等も余りかんばしくなく、平均売上一日、二四、〇七六、七五〇円、入場人員一日、三、六一一人であった。
 その後は大した問題もなく別表の通り売上げも世間並みに増進して現在一日平均、一億五百余万円、入場人員一日九千九百余人となっているものの、中止前の全国順位、第五位にとどまり未だ第四位に進出できないことは一考を要する次第である。
むすび
 沿革の筆をおくに当り当組合は借家住いのため、オリンピックコースをめぐる前後処理問題に終始した感があるが処理の内容が今後の参考になれば幸いである。ここに蛇足ではあるが、当組合は関係施行市が全県下に散在している関係上、事務所も施行とは無関係の県庁所在地である浦和市に置いてあり、事務所には、助役、収入役他十一名が執務している。議会構成は、関係市の市長、議長等で二十八名、配分は市の大小に係わらず損益共に平等であるため、組合内部は至極円満に運営されている。
 特に競走会並びに戸田組合との意志の疎通は、幸い、木村都市組合管理者、塩原助役(開催執行委員長)野口戸田組合管理者ともに、競走会のメンバーである関係上、これまた円満である。
 最後に、現今、自治省が要望している利益金均てん化問題暴力騒擾事件の頻発に伴う自衛警備の強化、施設の改善レースのやりかた、整備員、選手、職員、従業員等々の問題が山積して競艇界も一種の曲がり角にきた感がある。これをどう乗り切って、真の大衆健全娯楽とするかは、現在のわれわれに課せられた大きな問題である。(文責村上)
 
―別表―
初開催から現在までの主な出来ごと
1 昭33・7・8 観客脳溢血のため死亡。
2 昭33・9・18 台風二一号のため増水、中止打切り一八日、一九日、(二日間)
3 昭34・9・27 台風一五号のため増水、中止打切り(一日)
4 昭35・2・21 第二回三日目、第八レース寒冷前線通過のため、約三十分レースを見合わせ発走したが、強風のため全艇転覆、当日のレースを打切る。
5 昭36・1・21 埼玉県内公営競技関係従業員労組結成準備大会を西武園競輪場において、翌二二日戸田競艇場において説明会を開く。
6 昭36・8・7 六日目第一レース、一艇欠、四艇フライングのため不成立返還。
7 昭36・10・29 洪水のため初日中止順延。
8 昭37・1・6 四日目第七レース的中三−四、配当一三、八八〇円二枚を偽造、払戻しを受けようとしたが発見され逃亡。
9 昭37・10・24 オリンピック漕艇場工事のため本日限りで開催中止(最終日)
10 昭40・10・28 再開(戸田組合営)
11 昭41・9・25 台風二六号による増水のため十一レースで打ち切り延期、日程変更。
12 昭42・2・12 降雪のため交通杜絶順延。
13 昭42・7・20 第四回後節初日、購入舟券の不的中のため不満を持った客一人が投石、審議灯を破損したがレース続行。
14 昭42・9・7 第五回初日、大時計故障のため第一レース三十分遅れ発走。
15 昭42・12・ 冬期(十二月−一月)開催十一レース制を採用。
16 昭43・2・6 降雪のため交通杜絶、中止順延。
17 昭43・8・1 第五回(周年記念)初日第九レース二着同着の「確定放送不手際により的中券を破棄した」との申し入れあり、二十名ばかり押寄せたが内五名が午後六時半頃まで話し合い解決した。
 
事業成績
(43年度は6月開催まで)
年度 開催回数 売上総額 平均額
発売 返還 売上 入場 一人購買
32 20
167,114,400

8,471,400

115,700

8,355,700

3,321

2,500
33 80 615,004,500 7,850,000 163,000 7,687,600 2,800 2,700
34 83 673,436,000 8,293,000 179,300 8,113,600 2,602 3,100
35 82 853,867,400 10,584,800 171,700 10,413,000 2,760 3,800
36 86 1,326,213,300 15,644,800 223,700 15,421,000 3,376 4,600
37 48 778,928,700 16,558,800 33,100 16,227,600 3,167 5,100
40 38 1,301,243,500 34,947,200 704,000 34,243,200 4,670 7,300
41 84 4,284,015,200 51,852,600 852,400 51,000,100 6,055 8,400
42 84 6,592,461,700 80,279,700 1,798,000 78,481,600 7,993 9,800
43 20 2,014,889,500 102,805,200 2,060,700 100,744,400 9,665 10,400


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