| 四 一部事務組合設立許可申請  阿左美水園競艇組合設立許可受ける  自治庁告示により、競艇施行の件もいよいよ大詰を迎えここで指定条件による笠懸村・大間々町・薮塚本町による一部事務組合が設立されることになった。以下当時の関係文書を参考に紹介しながら説明を加えてゆきたいと思う。   協議書  笠懸村・大間々町・薮塚本町、以上三ヶ町村においてモーターボート競走法に基づく事務を共同処理するために阿左美水園競艇組合を設立するについて別紙のとおり規約を制定したから地方自治法第二百八十四条により協議致します。 昭和三十二年三月二十日 阿左美水園競艇組合設立代表者 笠懸村長 籾山琴次郎[印] 大間々町長 北村吉三郎 薮塚本町長 室田直忠 殿 笠懸村長 籾山琴次郎    協議を受けた各町村長は、即刻、各町村議会へ議案の提出を行ない、その承認を受けて一部事務組合の設立協議は成立。左に掲げたのはこの時の各町村の議案書である。   議案第 号 阿左美水園競艇組合設立について  地方自治法第二八四条に基き、阿左美水園競艇組合設立につき、今般設立代表者笠懸村長籾山琴次郎から別紙規約により加入協議があったので本町(村)に於てはこれが加入に同意するものとする。よって本町(村)議会の議決を求める。 昭和三十二年三月 日 町(村)長 氏  名   阿左美水園競艇組合規約(案) 第一章 総則 (組合の名称) 第一条 この組合は阿左美水園競艇組合という。 (組合を組織する町村) 第二条 この組合は、次の町村を以って組織する。 笠懸村・大間々町・薮塚本町 (組合の共同処理する事務) 第三条 この組合はモーターボート競走法に基く事務を共同処理することを目的とし、その概要は次のとおりとする。 一 勝舟投票券の発売に関すること。 二 売上金の精算処理に関すること。 2 前項に定めるものの外、モーターボート競走法に規定する必要な事項。 (組合の事務所の位置) 第四条 この組合の事務所は笠懸村役場内におく。 第二章 組合の議会の組織及び議員の選挙方法 (組合議会の組織) 第五条 この組合に議会をおき、議員の定数は九人とし各町村の定数は次のとおりとする。 笠懸村  三人 大間々町 三人 薮塚本町 三人 (議員の選挙) 第六条 組合の議会の議員は、関係町村の議会においてその町村議会の議員のうちから選挙する。 2 選挙を行なうべき期間は、組合の管理者が定めて関係町村長に通知しなければならない。 3 第一項の選挙が終った時、関係町村長は、直ちにその結果を組合の管理者に通知しなければならない。 (議員の補欠選挙) 第七条 組合議会の議員に欠員を生じた時は補欠選挙を行なわなければならない。 2 前条第二項及び第三項の規定は前項の選挙に準用する。 (議長、副議長及び議員の任期) 第八条 この組合議会に議長及び副議長一人をおき組合議会に於て選挙する。 2 組合議会の議長、副議長及び議員の任期は組合を組織する町村議会の議員の任期とする。 第三章 組合の執行機関の組織及び選任の方法 (管理者、助役及びその任期) 第九条 この組合に管理者一名及び助役二名をおく。 2 管理者は笠懸村長とし、助役は大間々町長、薮塚本町長とする。 3 管理者及び助役の任期はその者の在任期間とする。 (収入役及びその任期) 第十条 この組合に収入役をおき笠懸村収入役に委嘱する。 2 収入役の任期はその者の在任期間とする。 (吏員その他の職員) 第十一条 この組合に必要な吏員及びその他の職員をおき管理者がこれを任免する。 (管理者、助役、収入役、吏員その他の職員の職務) 第十二条 管理者は組合を統轄しこれを代表する。 2 助役は管理者を補佐し、管理者に事故のあるときはその職務を代理する。 3 収入役はこの組合の出納その他会計事務を掌理する。 (運営委員会) 第十三条 この組合に運営委員会をおく。 第四章 監査委員 (監査委員の選任方法) 第十四条 この組合に監査委員三名をおき関係町村議会の議員のうちから各一名を選出する。 (監査委員の職務) 第十五条 監査委員はこの組合の会計及び事業の執行を監査する。 第五章 組合の経費及び剰余金 (経費の支弁方法) 第十六条 この組合の経費はモーターボート競走事業の施行による収入を以て支弁する。 (剰余金の配分) 第十七条 この組合はモーターボート競走事業の施行によって生じた剰余金は次の配分率により関係町村に配分する。 笠懸村六〇% 大間々町二〇% 薮塚本町二〇% 第六章 会議及び議会の権限 (定例会及び臨時会) 第十八条 この組合の会議は定例会及び臨時会とし定例会は毎年二回、臨時会は必要がある場合において管理者がこれを招集する。 2 管理者は、会期の三日前までに開催の日時場所及び会議に対する事件を議員に通知しなければならない。但し急を要する場合はこの限りではない。 (議会の議決事項) 第十九条 この組合は次に掲げる事件を議決しなければならない。 一 組合規約の制定及び改廃する事。 二 歳入歳出予算を定める事。 三 決算報告を認定すること。 四 議員又は職員の服務・給与・費用弁償に関する事。 五 その他事業経営上重要な事項。 第七章 補則 (委任) 第二十条 この規約の施行に関し必要な事項は組合議会の議決を経て別にこれを定める。 附則  この規約は昭和三十二年三月十五日から施行する。 (以上)    三ヵ町村の協議に基づいて、昭和三十二年三月十六日、群馬県知事竹腰俊藏氏宛組合設立許可申請を提出、即日群馬県指令地第六十三号により許可を得た。   群馬県指令地第六三号 新田郡笠懸村  昭和三十二年三月二十六日付発第七八三号により申請の阿左美水園競艇組合設立の件は許可する。 昭和三十二年三月二十六日 群馬県知事竹腰俊藏 [印]    この許可証は、大間々町・薮塚本町へも同じ文面で出されているので、ここでは笠懸村へ出された許可書だけを参考として掲げた。  かくして、昭和三十一年十月十一日以来、三ヵ町村による競艇施行の夢は、半年ぶりにその念願が達せられたのである。  昭和三十二年三月十五日の自治庁認可の告示、そして同年三月二十六日付の一部事務組合設立認可と、相継ぐ朗報に長い間この運動にたずさわってきた関係者は、その喜びをおさえることが出来なかったにちがいない。当の阿左美水園競艇組合代表の籾山琴次郎氏は早速電報で自治庁長官田中伊三次氏並びに木村寅太郎氏に感謝している。   『キヨウテイ・ニンカヲ シヤス』 カサカケ モミヤマ 千代田区霞ヶ関一ノ二人事院ビル内 自治庁長官 田中伊三次殿   『ゴ ジ ンリヨクヲ・シヤス』モミヤマ 東京都杉並区清水町八二 木村寅太郎殿 |