2-3-3-2 天津ポンプ産業機械集団有限公司
(1)主な製品
同社は主に各種の産業用と舶用ポンプの生産・販売業務を行っている。同社は中国で最初のスクリューポンプ、舶用遠心ポンプ、潜油電ポンプの生産企業であり、全国のポンプ業界で初めてISO9001国際品質認定を取得した。
主要製品はスクリューポンプ、遠心ポンプと歯車ポンプである。
2004年の売上収入は92.1百万人民元(=13.8億円)、販売利益総額は△3.97百万人民元(=0.2億円)であった。
2004年、スクリューポンプの売上は企業売上総額の50%を、遠心ポンプは20%を占めた。他のポンプ製品は渦巻ポンプをメインとする消防ポンプ、噴射ポンプ等があり、企業売上総量の30%を占めた。
2004年の主な生産品:
製品種類 |
生産数量 |
販売数量 |
売上 |
スクリューポンプ |
3,500台 |
3,500台 |
4,669万元 |
遠心ポンプ |
1,450台 |
1,450台 |
- |
その他ポンプ |
- |
- |
- |
総計 |
- |
- |
9,212万元 |
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(2)生産設備
名称 |
加工能力(台/年) |
設備の製造国 |
スクリュー回転子NC研磨機、高精度スクリュー三座標テスター |
8,000 |
ドイツ |
スクリュー加工フライス盤及びテスト設備 |
イギリス |
精度加長スクリュー加工NCフライス盤 |
オーストリア |
各種の加工旋盤 |
台湾、ドイツ |
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(3)資機材の調達
(主な調達区域)
原材料は全て国内で仕入れ、主な仕入先は大連、上海、天津に集中している。うち、大連地区からの仕入比率は40%で主に汎用綱鉄を、上海地区からの仕入比率は40%で主にステンレス製品を、地元天津地区からの仕入比率は20%、主に銅製品である。
(主な調達先)
企業名 |
主な調達品 |
宝鋼集団上海第一鋼鉄有限公司(上海市) |
ステンレス |
大連重型鋳鋼廠(遼寧省大連市) |
鋼鉄 |
天津市電解銅廠(天津市) |
鋼鉄 |
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(4)販売先
製品の80%は国内で販売されており、販売地域は主に華東地区(上海が主)が35%、華北地区(大連が主)が35%で、両地区に集中している。同社は自営輸出入権を持ち、製品の20%は海外へ販売される。主な輸出先は東南アジアである。
販売方式は、直接販売で、本社営業部又は販売事務所の職員が営業を行う。現在、上海、広州、瀋陽、新疆、武漢、蘭州等に販売事務所を設けている。
主な顧客リスト(造船所のみを記載):
顧客 |
製品種類 |
年間納入量 |
支払方式 |
無湖県造船廠 |
遠心ポンプ、スクリューポンプ |
30台 |
小切手 |
滬東中華造船(集団)有限公司 |
スクリューポンプ、歯車ポンプ |
40台 |
江南造船(集団)有限責任公司 |
遠心ポンプ、スクリューポンプ |
14台 |
渤海船舶重工有限責任公司 |
遠心ポンプ、スクリューポンプ、歯車ポンプ |
45台 |
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(5)代金決済
二種類有り、以下のとおり。
客が全ての搭載する舶用ポンプの製造を注文する場合:契約締結時に、客は代金の30%を前金として支払い、検査が終わり納品後30%を、据え付け後に40%を支払う。
客が搭載する一部の舶用ポンプの製造を注文する場合:契約書締結時の支払いは不要。検査が終わり納品後50%を、据え付け後、50%を支払う。
通常は電信為替により支払う。
(6)製品輸送
同社は運送車両5台を保有する。但し、自社車両は周辺地区での納品及び客先が緊急の場合しか用いず、一般には製品の輸送は専門の輸送会社に委託している。なお、輸送費は一般には製品価格に含まれているが、客先が輸送を行う場合は契約金額から運賃分を値引く。
(7)今後の事業計画
敷地面積は14.8万m2、建屋面積6.3万m2で、各種設備470台を有しており、精密、高効率設備及びメーター20台、大型精密加工設備26台を有している。石油、化学、機械、造船、冶金、紡績、電力、食品、農業、建築、製紙、水利、環境設備、国防等の様々な分野に130余りの製品シリーズ、600余りの製品種類、4,000余りの型式の製品を供給している。また、個々の顧客の要求に応じて、製品の開発を行っている。
現在、同社の生産能力は8,000台/年に達している。現時点で、工場の拡張計画は無いが、更に船舶用ポンプの生産能力を高め、舶用ポンプ業界におけるシェアを拡大したいとしている。
同社舶用ポンプ製品の今後三年の製販規模予測:
年代 |
2005 |
2006 |
2007 |
製販総量(台) |
6,000 |
6,500 |
7,000 |
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2-4-1 中国舶用プロペラ業界の概況
中国国内のプロペラ需要は、中国における船舶建造量、売り上げ等からみて、4億元〜5億元程度の市場と推測される。
中国造船工業の著しい発展に従い、舶用プロペラ業界は安定して発展している。現在、国内の造船所が使用している舶用プロペラは基本的に国内で生産されており、最大直径11メートルまでのプロペラが生産可能である。直径10メートル以上のプロペラは一部輸出もされている。
(1)2004年国内舶用プロペラ生産企業の順位表(売上金額によるもの)
国内トップ5位の舶用プロペラ生産企業2004年国内売上総額が25,000万元で、上位4位の企業は製品を輸出している。
(2)中国の各舶用プロペラの主要顧客
殆どの企業が直接販売方式を採用している。顧客は全て造船所、船主であり、客先との関係はかなり固定化してきている。
中国造船業の発展に伴い、舶用プロペラの需要は急増している。特に大型遠洋船、中型船向けの大型プロペラの需要が増加している。
今後も直径8メートル以上の大型プロペラに対する需要は増加する見込みであり、中国でも大型舶用プロペラが生産できる企業が現在の2社(大連船用推進器廠、鎮江中船ワルチラプロペラ有限公司)から更に増える可能性も高い。
また、海外からの技術導入や資本流入により、舶用プロペラの合弁生産企業も増えている。(例えば、中仏共同出資の珠海市采埃孚宏昌船舶推進系統有限公司、鎮江中船ワルチラプロペラ有限公司)技術面では、大型プロペラの生産技術に係る研究開発が進展する見込みである。
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