2. 中国舶用工業の業種別現状
2-1 舶用ディーゼルエンジン
2-1-1 中国舶用ディーゼルエンジン業界の概況
現在、中国の舶用ディーゼルエンジン業界は急成長しており、しかも好景気が長期に及んでいる。
先ず、低速ディーゼルエンジンは中大型船舶の主要推進装置であるが、未だ、国産舶用ディーゼルエンジン業界は中国市場の需要を満たすことはできない。その主な原因は、中国企業による舶用ディーゼルエンジン(主機関)工場への投資が遅れ、2ストローク大効率低速ディーゼルエンジンの生産が追いつかないことによる。しかしながら、CSSC等が投資者となり、新たなディーゼルエンジン工場の建設が予定されており、この竣工後には、中国国内の生産能力は大幅にアップする。
大型船の補助機関及び小型船の主機関の市場では、国内外の多くのメーカーが競合している。既に、海外の多くのエンジンメーカーは中国に投資して工場設置、或いは、中国企業へのライセンス供与という形で、生産を開始しているものの、大型外航船及び輸出船舶に搭載される補助エンジンに関してはまだ輸入がメインとなっている。中国企業も成長しているものの、中国ブランドのエンジンは市場シェアの約半分程度と考えられる。
また、中国には20万隻を超える内航船舶があり、毎年多くの船が新規発注又はリプレースされている。市況にも大きく左右されるが、2004年末の船舶数は2003年末と較べて約6千隻増加している。これらの船舶には、主としてCSSCやCSICといった船舶工業集団に属さない中国企業が製造するエンジンが搭載されている。
以下、中国におけるエンジン製造状況に関する各種データを紹介する。統計対象が異なるなどの理由によるものと考えられるが、一部数字が食い違うところもある。
(1)中国の船舶工業統計等に基づくエンジンの製造状況
エンジン種別 |
台数(台) |
出力(万kW) |
低速ディーゼルエンジン |
105 |
105.3 |
中速ディーゼルエンジン |
11,320 |
324.7 |
うち、輸出 |
89 |
2.4 |
高速ディーゼルエンジン |
2,947 |
78.4 |
うち、輸出 |
136 |
3.3 |
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(2)CSSC及びCSIC二大船舶工業集団の所属企業による2004年の生産状況
(中国内燃機工業年鑑による)
(低速2ストローク機関)
順位 |
企業名 |
生産量
(台) |
出力
(万kW) |
国内製造分における
シェア(出力ベース) |
1 |
滬東重機股分有限公司(上海市) |
60 |
68.62 |
59.8% |
2 |
大連船用ディーゼルエンジン廠(遼寧省) |
32 |
35.45 |
30.8% |
3 |
宜昌船舶ディーゼルエンジン廠(湖北省) |
14 |
10.76 |
9.4% |
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(中速4ストローク機関)
(高速4ストローク機関)
企業名 |
生産量(台) |
出力(万kW) |
河南ディーゼルエンジン集団有限責任公司(河南省) |
602 |
21.61 |
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(3)本レポート作成にあたり独自調査
(主機関用出荷エンジン)
(補助機関用出荷エンジン)
(4)中国の各舶用ディーゼルエンジンメーカーの主要顧客
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