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マレーシア・シンガポール博物館等体験見学会実施報告書

 事業名 博物館体験事業の先駆的モデル調査
 団体名 日本海事広報協会 注目度注目度5


As a memory of our official visit
 It is a great honor for all of us to be given an opportunity to visit your museum that has achieved admirable contributions in this field of maritime museums. We all come from maritime museums located in various parts of Japan to learn from your museum.
 
 It is our important mission to leave for the succeeding generations such craftsmanship and articles that have been formed for many years past, and to preserve natural as well as cultural environment. The importance of the mission is all the same whether in Malaysia (Singapore) or Japan.
 
 Taking advantage of this occasion, we would like to pave the way for cultural exchange in various forms between your museum and ours.
 
 In Japan "Marine Day" was created by law as one of the national holidays in 1996. Surrounded by sea on all its sides our country has achieved prosperity of today, enjoying various forms of benefits that the sea brings to us. Marine Day was formulated in order that the people be thankful, recognizing their importance, of such benefits of the sea.
 
 This stamp album was issued in commemoration of the creation of "Marine Day". It is a collection of representative stamps of ship, lighthouse, water bird and fish that bad been issued in past years.
 
 We would like to present this album to you as a memory of our official visit.
 
June, 2005
Representing the Delegation
Ishihara Yoshikata
 
 
訪問先贈呈記念品添付挨拶文翻訳
訪問を記念して
 このたび私たち日本の海にかかわる博物館の関係者は、博物館の仲間としてすばらしい業績を積み重ねておられる貴館をお尋ねできたことをたいへん光栄に思っています。
 永年にわたって培われた技術や作り出された品々を後世に伝え残し、自然や文化の良好な環境を守っていくことは我々にとって大切な使命だと思います。マレーシア(シンガポール)、日本と活動の地は違っても、その使命に変わりはありません。
 この訪問を機会に、貴館と我々日本の博物館とのさまざまな交流が始まることを願います。
 日本では1996年に国民の祝日として「海の日」が制定されました。海に囲まれた日本は、古来より海からさまざまな恩恵を受け、今日の繁栄を築きました。「海の日」はその恩恵に感謝し、海の大切さをあらためて認識していただくための日として制定されました。この「海の切手アルバム」は、「海の日」の制定を記念してつくられたもので、それまで日本で発行された船や灯台、水鳥、魚のなかの代表的なものを収録したものです。
 このたびの訪問を記念してここに贈呈させていただきます。
 
June 2005
訪問団を代表して
ISHIHARA YOSHIKATA
(石原 義剛)
 
博物館等の概要
1. マレーシア国立歴史博物館(訪問日:6月28日)
応接者名:Director MOHD AZMI BIN MOHD YUSOF
Curator SITI RABIA
 
 
(1)見学概要
 1880年に銀行として建てられた建物を1990年に博物館として改装し、96年より開館した。第二次大戦中には日本軍が接収していた。
 展示室は3階まであり20室に分かれる。1階はマレーシアにかかわる出土品を中心とした歴史的資料を時代ごとに展示している。
 2階、3階は中世(マラッカ王国)から近代においては海外からの進攻もあり、ポルトガル、オランダ、英国そして日本(軍)のコーナーも設けられている。また、イスラム、ヒンズーなどについての解説もある。
 スルタンにかかわるコーナーもあり、その歴史についてもマラッカ、サラワク、サバといった特徴のある州ついては多くの資料をもとに解説している。
(2)運営等について
 当館が創設された大きな理由は、国の歴史、とくに考古や遺産に関する研究であり、そのための調査、収集、記録などを行うとともに内外に広く広報すること。また、展示を通して国民に自国の歴史的認識を高めてもらい、国を愛する精神を養う意味もあるとともに、観光名所としての役割も担うとのこと。しかし、残念ながら若者を中心に博物館への来館が少ないようである。入館者の約80%が外国人で、マレーシア人の入館者、とくに学生が少ないとのこと。開館以来の入館者数はマレーシア国内から約217,000人、海外から約727,000人である。懇談では館長から入館者数や学校教育との連携など、現在抱えている問題についての質問もでた。日本の博物館も同様の問題を抱えており、話の内容が深まった。
 学校教育との連携については、学校側や生徒に対してさまざまな提案をしている。たとえば博物館の裏側を知るための日常作業や発掘作業、さらには農業ミュージアムプログラムヘの参加、そしてフィールドリサーチなどである。
 日本側から日本の文化財保護について説明したところ、日本は法律、開発を含めて非常にいい状況にあり、文化財を持つ個人もそのことに対して誇りをもっているようだが、残念ながらマレーシアにはそうした制度は十分ではない、と語った。
(3)その他
 国立博物館を創設する際に特に手本したものはないが、研修についてはイギリスで受けているとのこと。日本の博物館は技術的にも優れており、今後博物館が市民により親しまれるためにはどうすればよいか、といったことも含めて交流できればと語った。
 また、若い人たちに何回も来館してもらうためにはどうしたよいか、歴史展示の一部に外国人の記録があるが、これらについてマレーシア側からの研究をする必要があるとも語った。
 
・質疑応答
日本側から
(1)Q: マレーシアの博物館数は?
A: 大小合わせると約200館ある。国立(連邦政府)、州政府のほかたとえば銀行や石油に関連した企業博物館などもある。
(2)Q: 入場料について?
A: 現在は無料だが来館者の分析をしているところで、年内に1RM程度の料金を設定しようと考えている。博物館の予算は教育省がもっている。今後学生の来館を増やして行きたい。
(3)Q: 調査などで大学と連携しての作業はあるか?
A: 国立大学や研究機関との共同研究を実施している。
(4)Q: 博物館と学校教育との連携は?
A: 学校のカリキュラムの中でマレーシアの歴史についての授業はあるが、関連して博物館を組み込んだ(見学等)取り組みはない。
(5)Q: 学校の先生の来館状況は?
A: 先生が博物館に来る割合は低く、先生の間でも博物館を学校授業の中でどう利用するかの認識や理解度は低い。国内のすべての学校に博物館側の情報を周知しているが、問い合わせなどは10%程度で、来館はさらに少ない。生徒たちには教育省を通じて来館を呼びかけている。
(6)Q: 学芸員のほかにスタッフは? また、日本では博物館ボランティアという制度があるが?
A: ツアーガイドがいて、随時研修を行っている。また、ボランティアについてはいいアイデアと思うが、十分な理解が得られていない。こんごの大きな検討課題だと思う。
博物館側から
(1)Q: 子供たちに来館してもらうための方法は?
A: ただ見学してもらうのではなく、来館者が自ら体験できるメニューをそろえることで少しずつ増えていくと思う。
(2)Q: 日本の博物館では特別展などを開催する場合にスケジュールはどのくらいか?
A: 通常1年ぐらいを予定している。事前の企画、予算措置、資料の収集などの準備を経て実施となる。開催期間は資料の借用の関係から長くても2ヶ月程度。予算が2,000万円を超える場合は、2〜3年をかけて計画し実施となる。
(3)その他
 運営予算、調査の実施方法、遺跡等が個人所有の場合などの対処についての質問があった。
 
2. マレーシア国立博物館(訪問日:6月28日)
応接者名:Director IBRAHIM BIN ISMAIL
(1)見学概要
 おもにマレーシアの文化や自然、人類学、伝統に関する展示を中心に1963年8月にオープンした。マレーシアの伝統的な建物をイメージしたつくりで、訪問日は大人から子供まで大勢の来館者があった。別棟に水中考古をテーマとした専門の展示館があり、スケジュールの都合で今回はここを中心に見学した。
 展示内容はマラッカ海峡や南シナ海沿岸で沈んだ多くの船から引き揚げられた遺物が中心。とくに18世紀に沈んだ船からの陶磁器などが多い。これはヨーロッパ向けの陶磁器を積み込んだ中国船が多数沈んでいるため。海底に沈んだ船にどのようにこれらの品々が積み込まれていたかの再現(写真下)、どのように沈没船調査をし、引き揚げたかを模型やジオラマを使って紹介している。
 
 
 2月の事前調査の際には、館内の一画で引き揚げられた遺物品を販売しているコーナーもあったが、今回はなかった(ミュージアムショップで2〜3種の小さい壼は販売していた)。ちなみに、この販売については同じようなものが数多く発掘されたこともあり、その一部を来館者にも販売し歴史的遺物を実際に手にすることで、より興味をもってもらうことを目的にしているとのこと。値段も小さい壼のRM50(1,500円)から大きいプレートのRM3,500(105,000円)までと多種であった。
 館内には来館者が利用できる資料や図書が充実した図書館があるほか、博物館の入口には古い蒸気機関車2両、ビンテージカー、錫の採掘船などが展示されており、マレーシアの発展史を伺い知ることができる。
(2)運営等について(この項2月事前調査時より)
 当博物館はマレーシアの博物館の中心的な存在。マレーシアの博物館の運営は3つのタイプに分かれる。
 (1)連邦政府 (2)州政府 (3)企業・個人(銀行や大学等)
 この連邦政府の中にDEPARTMENT OF MUSEUMS AND ANTIQUITESという組織があり、ここの職員が国立関連10博物館(芸術、文化、民俗等)については統括している。日本と同様にマレーシア政府の財政も厳しいようで、博物館関連の予算は前年比10%のカットを余儀なくされているとのこと。特別な展示等を行う場合は個人的(企業等)な支援等を求めるとのこと。当館も5年前までは入館料が無料だったが現在は大人RM2である。
 現在一番の悩みは何か? の質問に、「人材の育成」をあげた。
 連邦政府関連の博物館は定年が56歳で数年のうちに退職者がかなり出るとのこと。これを踏まえて、今後500名の人材を採用する予定だが、このうち300名を今後3年間で採用し十分なトレーニングをしたうえで、10館に派遣する予定とのことである。ちなみに当館には40名の職員がいる。
(3)その他
 日本との関連では国際交流基金により日本の博物館への見学や交流があり、また、JICA関連の展示会を開催したこともある。
 懇談の際に「ネットワークづくりは重要で、今回を機にさらなるネットワークづくりをしていきたい」と館長からの挨拶があった。また、ちょうど昼食時間とかさなり、会議室にマレーシアの庶民的な料理(ミーソト)を用意していただいた。自分で碗に2種類の麺を盛り、数種の野菜をのせ、最後にやや辛味のあるカレー風の汁をかけて食べる掛けそばである。博物館館長およびスタッフとともにいただきとてもくつろいだ雰囲気だった。
・質疑応答
日本側から
(1)Q: 沈没船の資料(データ)はどこで得るのか?
A: 一般的には漁師からの情報をもとに調査をすることが多い。
(2)Q: 最近、沈没船で調査が行われている船や確認されている船はあるか?
A: 最近マラッカで調査し、16世紀のポルトガル船が確認されている。積んでいた陶器が発見されたことがきっかけで分かった。
(3)Q: 国境に接している地域の沈没船やもとの所有者が分かった沈没船についての所有権等は?
A: 特に問題はない。
(4)Q: 外国の関連機関との連携事業はあるか?
A: 国立博物館の事業内容をさらにグレードアップするために、海外の専門家の協力を得ることもある。これまでコンサルティングとして水中考古のエキスパートを海外から雇ったこともある。
(5)Q: 水中資料の引き揚げにはサルベージや漁業補償など多大な費用がかかる場合が多いが?
A: マレーシアの場合、企業と共同で行うため企業からの資金提供がある。その代わりケースにもよるが、引き揚げた遺物を分配し、企業はそれらを売って資金回収している。
博物館側から
(1)Q: 日本での沈没船の発掘状況は?
A: 長崎県高島町沖で元寇の時に沈んだ船が確認されており、その錨や積み荷の陶器の一部が引き揚げられている。平戸の近くで17世紀のオランダ船と思われる錨が3本引き揚げられている。このほか、船のそのものは確認されていないが、中国の陶磁器が大量に発見された場合もある。


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更新日: 2020年10月17日

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