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ブンブン・クロクロ・ゴーゴーゴーの「からだをつかって あ・そ・ぼ!」
 
<ワーク内容>
前半 14:30〜15:30(60分)
休憩 15:30〜15:35(5分)
後半 15:35〜15:55(20分)
 
・車いすの人もマットの上に降りる。後ろからヘルパー又はサポーターが体を支える。
・Y君は来た時から機嫌がいい様子。始まる前からフロアーの真ん中に座ってスタンバイしていた。笑顔も今までになくいい!
 
(1)みんなで仲良くなる
 わりとみんな近い状態で円になって座る。
・深呼吸
 大きく深くするときは、両手も上に上げて。一回一回、たっぷりゆっくり。
・手をあわせてさする。
 できない人は、近くの人にやってもらう。「あったかくなってきたかな?」足も同様に。
・背中をタッピング
 一方向を向いて、前の人の背中をトントン。
Y・・・やってもらうのは気持ちよさそう。彼の手をとって他の人の背中を一緒にトントンしてみるが、手を離すと彼の動きも止まる。
K・・・前にいるさなえさんにかぶさっていく勢い。
 
(2)自己紹介
 「名前を言う+朝か昼何を食べたり飲んだりしたか?」そのあと、みんなでそれを食べたり飲んだりする動きをやってみる。
黒「おおきなデニッシュパンをちぎって食べた」
T「たこやきとみたらし」
K&tヘルパー「レーズン食パンを牛乳に浸して食べる」
OM「カップヌードルカレー」 KM「朝から栗入り赤飯を作った話」
五「豆腐入りのパンケーキ(卵焼きみたいな感じ)」
IY「ロッテリアの照り焼きバーガー」 SN「いちご」(二つ) ぶん「熱いコーヒー」
Yヘルパー「きのうのおかずのおでん」(大根)
Y「良いもの?→ジュース」 Tヘルパー「卵焼き」
 
黒「みんないろんな違うもの食べてるね」
 
※自己紹介を兼ねながら、楽しく顔の筋肉を動かすことができた。人が食べたものを聞くというのは、その人の生活をちらっとのぞき見したみたいでちょっとおもしろい。
 食べ物によって、口の形や動かしかた、手の動作も違う。それと同時に食べ物の大きさや温度、味などを自然に、でもけっこう強くイメージしていて、さらに私はその人がそれを食べた場所の感じまでも勝手に想像を膨らませていた。「食べる」ということは、誰でもが毎日している行為で、しかも基本的にうれしい楽しいことなので、みんなで共有しやすいモチーフだと思う。Y君が、何回目かでやっと、さなえさんが差し出した食べ物を口を開けて食べたのが印象的だった。
 
(3)足の動き
・足の指を動かす。はじめは、指を曲げる→伸ばす。そのあと、もっといろんな風に動かしてみる。さらに誰かの足のほうへそのままアプローチしていく。まるで、足先が何か変な生き物で、それが会話しているよう。おもしろい。
・足をいろんな方へ伸ばしてみる、人のいろんな部分に足を乗せるなど
・足首の動き。(フレックスとポイント)のように。ゆっくりと。SNさんの動きがとてもきれい!
 
(4)手をつないで
・ぶらぶら
・大きく揺れる。体もグニュグニュと動かす。
・頭など体の一部の重さを隣の人に預けてしばらくそのまま
 
(5)つながる
 はじめは、手をいろんな所に伸ばして人に触れる。(どんどん体の形が変化)
 足でも同様に。できるひとは、体の高さを変えてみる。
※こういうことをしたとき特に、ダンスを経験しているサポーターがいると違うなぁと思う。障害のある人は、この日の場合体を動かせる範囲が限られている人がいたけれども、まわりの人たちが動きや高さなどに変化をもたらすことで、触れる部位にバリエーションができ、全体として立体感が出てよりおもしろいフォルムができてきたりする。
 
(6)ペアで(相手の手などをとって)ユラユラ
・Y+さなえ・・・立って動いていた。楽しそうなダンスが生まれていた。
・SN・・・手を自分ではあまり動かせないため、はじめはサポーターが手をとって動かしていた。途中からは分藤が後ろにいる状態で、もたれても大丈夫だと伝えると、彼女自身のタイミングで「わぁー」と後ろにのけぞるように動いていた。手のユラユラが発展して上半身全体の大きな動きへ。何よりも、動かされるのではなく、彼女の意志で動いていたことに大きな意味があると思う。
 
(休憩)
 
(7)オトダンス
手をパチンとたたく。からだをパチンとたたく
色々な所をたたく・こする・パンパンパン・ぽぽぽぽぽ
色々なたたき方をしたり、からだの高さを変えてみよう。
黒「ダンスやから、ダンスしてみよう」
 
15:40〜6人ずつに分かれる。見せあい。
(黒・Y・K+各ヘルパー・IY)組
(SN+ヘルパー・TH・ぶん・五・OM)組・・・SNさんを中心にして
♪アメリの曲、GOOD!
 
(8)おまけの手つなぎダンス
黒「手をつなぎたい?」Kうなづく
ペアで手をつないで、フリーに動く。
分+Y・・・Y: 楽しそうにすごく大きく踊る
 
(8)クールダウン
・座って、深呼吸。あまり大きくなく。小さいけれど体に伝わるように。
・足を伸ばしてぱたぱた。
 
(9)感想:Tさん「普段何気なくしていることが、楽しかった。子どものようにやっていた。(自分が)」
 
〈感想・反省〉
●五島:終わってからのボランティアのIさんの質問「参加者は、ナビの話してることがどこまでわかってるのか?」に対して黒子さんが「サポーターの役割」について良い事を言ってたと思う。
 黒「ナビの指示を、サポーターが受け取る。それをサポーターがやることにより、参加者はよりはっきりと大体こういうことをやるんだと受け取る事が出来る・・・」というようなことを言ってたと思うんだけど。
 黒子さんのダンスWSの特色って、ダンスがジワジワ、フニュフニュと、空気やからだを伝わって伝染していくような感じなのかな〜、と思いました。
 その伝染のさせ方が映像的なイメージというのではなくて、からだから発する空気の振動であるような、それが増殖していくような感じなのかな?それが特徴なのかな?という気がしました。
●分藤:上の五島さんの話に加えて。Iさんの質問に対すること。
 例えば、ぱちぱちと手をたたいて音を出すことから始めたワークで、それに変化をつけ、少し発展させるために「他の所をたたいてみよう」とか「姿勢もいろいろできるよ」といった提案をナビが投げかける。そのことを、理解できなかったり、身体的に無理だったりする人たちもいる。でも、その投げかけはその場にいる人たちみんなに対する物であり、できる人たちがやってみせることで、全体の動きに変化が生まれて、それが視覚的にも聴覚的にも「刺激」としてまわりの人たちに入っているはず。・・・という話しもしていたと思います。
 今回のワークは、とても「感覚的」でよかったなぁと思います。ほとんど何も考えない。カラダのゆれ、人との接触、音(体の音やアメリの曲)といったものが動きを導いてくれるような。上で五島さんが後半に書いていることとたぶん同じ感じなのだと思います。
 SNさんにしても、Y君にしても、回数を重ねてきて緊張がだいぶなくなってきたように感じました。その日の調子などにもよるのかもしれないけれど、この日は特にYくんの嬉しそうな笑顔を何度も目にしたし、動きもちょっと積極的だったような。SNさんは、ずっと支えられてマットの上に座っている状態だったので(休憩中も)もしかすると姿勢がしんどかったかもしれない。ヘルパーさんも不慣れなようだったのでその辺が難しかった。
●IY(ボランティア):前回とはひと味違う雰囲気で、和やかに楽しく過ごせました。
 ワークショップ後に、皆さんのお話を聞いていて、どこまで補助したらいいのかなど、こと細かなことまで気を配って考えられているということを知り、すごいなあと思いました。ダンスを通していろんな人と出会えて、触れて、融合しあったような感じで、とても楽しかったです。ありがとうございました。
 私はやはり、言葉でない部分(感覚とか)で何となく分かり合えることはできても、口を使って障害者の方たちと会話することが苦手だなあと思いました。ペアとかで組んだ時に、相手がつまらなそうにしていたり、動かなくなっちゃった時に「ど、どうしよう・・・。」とちょっと困る時もありました。
 障害を持つ人たちが分かってないのでは?と思い気になっていましたが、後で話を聞いた時にいろいろ説明していただいて、なんとなくそういうことなのか〜とわかってよかったです。あと、ヘルパーの方たちが戸惑っておられるように感じられることが多くて、それもまた少し気にかかりました。
●SNさんの感想FAXより:
楽しかったこと・・・輪になって体を前後左右にゆらゆらしたこと。グループに分かれて、自由に床をたたいたり体をたたいたりして発表したこと。
難しかったこと・説明がわかりにくかったこと・・・特にないです。
これからやってみたいこと・・・もう少しアップテンポな曲でもおどってみたいです。


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