日本財団 図書館


セッション案−1(4月)
プログラム 曲目 使用するもの 目的
導入
(1)Disneyの曲
CD
・楽しい雰囲気を作る。
・座る場所など参加する場所を促す。
挨拶
(2)こんにちは
FD
・お友達の名前を知る。
基本動作
(3)アイアイ
(4)犬のおまわりさん
FD
(当財団オリジナル)
・大太鼓の上で音を感じる。
・お子さんの顔を見ながらアイコンタクトをとり表情をみてコミュニケーションをとる。
合奏
(5)春が来た
(6)春の小川
(7)チューリップ
(8)ちょうちょ
キーボード
スズ
 
 
 
マラカス
・父親、母親の声で歌ってもらう。
・最近はあまり歌わない童謡・唱歌を歌い、ご両親にも知ってもらう。
・自分で持てる楽器を持ってリズムを感じ、自分で動かす。
R.T
(リズムトレーニング)
(9)さんぽ
(10)マツケンサンバ
(11)さくら
FD
CD
・体を動かすことで、母親の発散につなげる。
・お子さんを抱きかかえて、密着を促し、体でリズムを取りながらコミュニケーションをとる。
・大太鼓はボランティアの方(先輩の母親)、または父親に叩いてもらい参加を促す。
・4、5ヶ月になり首がすわってくると少しずつ横揺れや縦揺れを経験できるように音楽に合わせて揺れる。
・子供との時間を楽しむ。
挨拶
(12)さよなら
FD
・終わりの認識
 
☆セッションでは、新しい方も、入りやすいように音楽療法の目的や、利点など、ご家族の方が疑問に思っているであろうことを説明しながらセッションを進めていきます。どの月に入っても、季節に合わせた歌が取り入れてありますので、問題はありません。お話に集中するのではなく音楽の流れている楽しい雰囲気の中から、音とふれ合い、お子さんとご家族(特に母親)のコミュニケーションを促します。
☆無理をせず1日15分で良いので、今日のセッションでやった曲や、お母さん、お父さんの好きな曲をききながら、御家庭で楽しくコミュニケーションをとる材料として続けて下さいと声をかけます。
 
*アンケートは毎月行います
 
日常の様子を教えて下さい−アンケート1
 
☆時間のある時に、思い付いたこと、疑問に思ったこと等を書き留めておいて下さい。
☆前回の音楽療法の時間に使った曲以外にこんな曲をやりましたというのがあれば教えて下さい。
 
■お子さんと一緒に、どんな曲を一緒に歌ったりリズムをとったりしましたか?
 
■一緒に音楽をやっている時のお子さんの表情を教えて下さい。
 
■普段の生活の中でどのような事をするとお子さんが笑顔を見せますか?
 
■疑問点、質問等何でも書いて下さい。
 
セッション案−2(5月)
プログラム 曲目 使用するもの 目的
導入
(1)Disneyの曲
CD
・楽しい雰囲気を作る。
・座る場所など参加する場所を促す。
挨拶
(2)こんにちは
FD
・お友達の名前を知る。
基本動作
(3)アイアイ
(4)富士山
(5)こいのぼり
FD
(当財団オリジナル)
・大太鼓の上で音を感じる。
・お子さんの顔を見ながらアイコンタクトをとり表情をみてコミュニケーションをとる。
・最近は、昔の童謡・唱歌を知らない方も多いので、紹介の意味もある。
合奏
(6)春が来た
(7)春の小川
(8)チューリップ
(9)ちょうちょ
キーボード
スズ
マラカス
・父親、母親の声で歌ってもらう。
・最近はあまり歌わない童謡・唱歌を歌い、ご両親にも知ってもらう。
・自分で持てる楽器を持ってリズムを感じ、自分で動かす。
R.T
(リズムトレーニング)
(10)花
(11)マツケンサンバ
(12)おかあさん
FD
CD
・体を動かすことで、母親の発散につなげる。
・お子さんを抱きかかえて、密着を促し、体でリズムを取りながらコミュニケーションをとる。
・大太鼓はボランティアの方(先輩の母親)、または父親に叩いてもらい参加を促す。
・4、5ヶ月になり首がすわってくると少しずつ横揺れや縦揺れを経験できるように音楽に合わせて揺れる。
・子供との時間を楽しむ。
挨拶
(13)さよなら
FD
・終わりの認識
 
選曲や接し方のポイント
☆基本動作や、合奏は、季節の曲を取り入れます。
☆リズムトレーニングでは、その年の流行の曲や、リクエスト曲を使うことも可能です。少しゆっくり〜早く〜またゆっくりに戻すように流れを考えて選曲します。
☆参加されている家族やお子さんの好きな曲を取り入れることで、この曲は、「○○ちゃんが好きな曲よ。」と紹介しながら周りとの仲間意識を持てるよう促します。
☆赤ちゃんの集中力は大変短いので、体の振動だけでは集中できなくなることもあります。その場合は、お母さんとお子さんで、「手を叩きましょう」「幸せなら手をたたこう」などの曲で、コミュニケーションとる、また、指遊びなどをとりいれることで、子供の集中力を促します。大きな動作で接してもらいます。
☆月齢が上がり、本などものに興味が出てくる時期に入ると、本のストーリーに音楽をつけ、曲に合わせての名前や色を覚えられる簡単な本を紹介します。
☆障害のレベルや、個人差などがあるので、お子さんの状況を見ながらセッションの進め方を検討していきます。
☆同じ目的、方法でも、選曲を変えていく事でお子さんの興味を高めていきます。
 
12回のプログラムを終えて−音楽療法における今後の課題
 療育は、継続して行われることによりその効果が出てくるものです。各々の地域で同じようなプログラムが開催され、継続してセッションを受けられることが理想ですが難しいのが現状です。音楽をつかって楽しく脳神経細胞を刺激してあげることで、お子さんのもつ多くの可能性を引き出し、少しでも日常生活にうるおいを与えられる道具として音楽を活用してもらいたいと思います。
 
☆☆☆☆☆音楽療法を終えて−アンケート3☆☆☆☆☆
 
療育・音楽療法用ソフトの紹介
 
 療育・音楽療法では、音の高さ(key)や音の速さ(tempo)を利用者のニーズによって変えられる伴奏君とフロッピディスクがあります。これを使うことにより、オリジナルの高さや速さについていけなくても、必要に応じて(聞きやすい音、歌いたい速さ)変化させられ使いやすくなっています。(興味のある方は、ご相談下さい。)
 この他に何かお聞きになりたいことがございましたら(財)東京ミュージック・ボランティア協会に御連絡ください。
TEL: 042-343-2596 FAX: 042-343-5785
 
後記
 
 この度のシンポジウムでは、「国内・海外における新生児聴覚スクリーニングの現状と重要性」と「早期療育について」、2000年6月から始まった埼玉県立小児医療センターにおける、新生児聴覚スクリーニング後の“難聴ベビー外来”の成り立ちとその中の療育の一環である音楽療法の効果について考えてみた。
 医療の進歩により早期に新生児の疾患が発見されるようになった現代、発見された後の療育は、母子(家族と子供)ともに重要であることがわかった。今回のシンポジウムでは、その重要性をもっと深く感じるとともにどのように実行していくことが必要なのかを少し具体的に示されたと感じる。
 それぞれの専門的な立場から考えると、新生児聴覚スクリーニングの重要性とその後の療育についてのやり方について賛否両論はある。しかし、新生児期に難聴と診断されたご家族にとっては、その子供を取り巻く環境を整えてあることは必要不可欠である。
 われわれは、今後も難聴児への音楽を使ったアプローチのあり方を深く研究することは大変重要であると考える。また、難聴児本人のみならずその子供を取り巻く家族にも音楽を使ったアプローチは、楽しさと安らぎを与え、心身のリハビリを促すものであってもらいたいと願う。
 最後に、このシンポジウムは、日本財団による助成によって可能となった。音楽療法は、まだ世の中に浸透していない部分が多くある。これらの研究事業が行われることで、すこしでも音楽を使ったアプローチの効果を理解していただく機会を与えられたことに感謝したい。
 
以上


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