日本財団 図書館


参考文献
1)鈴木茂夫:ISO14001 環境影響評価と環境マネージメントの構築、工学図書, (1997)
2)福地、篠田、胡、西浦、村田:造船内業工場における金属ヒュームの拡散と換気に関する実験的研究, 西部造船会々報、第104号, pp.267-279(2002)
3)Y. Shi, M. Toyosada: Study on Nucleation Mechanism of Welding Particle, 西部造船会々報、 第100号, pp.232-236, (2000)
4)Y. Shi, M. Toyosada: Investigation Fume Particle Size Distribution of Shielded Metal Arc Weldiing, 西部造船会々報、第100号, pp.237-243, (2000)
5)西田隆法:溶接ヒュームと防御対策、溶接学会誌、第62巻、第7号(1993)
6)林、柴田、辻、福原、櫻井、金原:工場換気、空気調和・衛生工学会(1982)
7)水野稔:空気調和・衛生工学便覧 第12版 1基礎篇、空気調和・衛生工学会(1995)
8)F.p.リー著、井上威恭、上原陽一監訳:産業安全工学ハンドブック(1989)、海文堂
9)ACGIH: Threshold Limit Values for Chemical Substances and Physical Agents, (2000)
10)社団法人 日本溶接協会:溶接作業環境管理基準WES9007(1982)
11)社団法人 日本溶接協会:アーク溶接の安全衛生管理WES9007(1998)
12)社団法人 日本溶接協会:溶接ヒュームなどに関する注意書の標準表示WES9002(2002)
13)中野俶明:新しいヒューム吸引システム・QTACSとその応用, 溶接だより, 技術ガイド, 301号(1995)
14)堤紳介:溶接ヒューム対策の現状と今後の課題, 溶接だより、技術ガイド、301号(1995)
 
付録 換気流に関する乱流熱・ガス拡散解析
 状態量としての流速、圧力、温度、濃度はそれぞれ時間平均値Ui(i=1,2,3)、P、Θ、Cと変動成分ui(i=1,2,3)、p、θ、cの和で表す。ここでは直交デカルト座標xi(i=1,2,3; x3は鉛直方向)をとり、時間をtとする。また、以下に示す諸式はテンソル表示とし、添字については総和規約に従うものとする。
(1)状態方程式
 解析対象は空気であり、その密度をρ1とし、ヒュームの密度をρ2、濃度はC(0≦C≦1)である。ρ0は代表密度でρ01とする。
 平均流速Ui、平均温度Θおよび平均濃度Cに関する状態方程式は以下のように表される。
 
 
 ただし、vは動粘性係数、κ=v/Prは熱拡散係数、Prはプラントル数、λ=v/Scは物質拡散係数、ScはSchmidt数、gは重力加速度、ρは密度、βは数体積膨張係数、Θ0は場の平均温度、qt(Wm-3)は発熱量、qc(s-1)はガスの発生速度、δijはクロネッカーのデルタである。
 ζはβに倣って作ったで、濃度変化による浮力である。密度ρ=Cρ2+(1-C)ρ1とすると、
 
 
が得られる。ここに、Δρ=ρ21
 標準的な渦拡散モデルでは、レイノルズ応力、乱流熱流束および乱流物質流束は次の式で表される。
 
 
 ここに、kは乱流エネルギー(k=uiuj/2)、vtは運動量の乱流拡散係数(渦動粘性係数)ktは熱の乱流拡散係数、λtは濃度の乱流拡散係数である。
 
(2)標準型k-εモデルによる輸送係数
 乱流エネルギーの散逸率をεとすると、渦動粘性係数はvt=Cμk2/ε、(Cμ=0.09)により求められる。ここで、kとεに関する輸送方程式は次のように表される。
 
 
 ここに、式中の普遍常数はLaunder等の実験により求められた、σk=1.0、σε=1.3、Cε1=1.44、Cε2=1.92、cε3=0.7を用いる。
 温度場と濃度場に対しては、0方程式モデルを使用して、乱流熱拡散係数κt及び乱流濃度拡散係数λtは以下のように計算する。
 
 
 ここに、Prtは乱流プラントル数、Sctは乱流Shmidt数であり、Prt=1.0、Sct=1.0を用いる。
 
(3)壁面の境界条件
 壁面の付着境界層では壁法則を用い、粘性低層および対数領域に分けて次式で表す。
 
 
 ここに、Utは壁に接線方向の流速、Kはカルマン定数(=0.42)、E=9.7である。また、y+は壁座標(=yur/V)、uτは摩擦速度である。さらに、τwは壁面からのせん断応力であり、
 
 
で表される。
 この場合の乱流エネルギーとその散逸率は次のようになる。
 
 
 ただし実際の計算では壁に一番近い格子点が粘性低層(y+<10)の中にある場合にはk=0を用いる。
 壁面における熱的境界条件は温度Θwまたは熱流束qwを与えるものとする。
 
 
 ここにnは壁に垂直方向であり、断熱壁ではqw=0となる。
 ガス濃度の境界条件は次式で表される。
 
 
(4)計算法
 計算には有限体積法を応用したSIMPLE(Semi-Implicit Method for Pressure-Linked Equation)法を用いる。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION