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10/8[土]
10/9[日]
(株)日立製作所 フェロー 科学技術振興機構 研究統括
小泉 英明
「脳科学と教育」(Brain-Science & Education)という概念が、今、世界で注目を集めている。この概念は脳科学そのものでもなく、また、従来の教育学・保育学そのものとも異なる。「脳科学と教育」は、自然科学と人文・社会科学の互いに遠い分野を、架橋・融合して創生した新分野である。
「脳科学と教育」の基本問題の一つは、脳から見た人間同士のコミュニケーションである。「人間」という文字が示すように、人の間、すなわち人と人との良い関係があって初めて、個人としての「人」が、「人間」として生きて行けるからだ。このコミュニケーション能力は脳の働きの一部でもあり、幼少の時期に神経基盤が作られる。「子どもとメディア」の問題もそこに出発点がある。
心の通ったコミュニケーションの基本は、他者を思いやることであろう。相手の立場も慮って自分の行動を決めて行くことで、初めて住みやすい社会が生まれ、自分も生かされることになる。言い換えれば、倫理そのものでもある。それでなければ、進化の過去に戻った弱肉強食の世界になってしまう。相手を思いやり、さらには文化多様性を尊重できる健やかな脳を育むことは「脳科学と教育」の重要な課題の一つである。
最近、脳科学や物理学の発展は、生きたままの私たちの脳の働きを安全に観察できる手立てを創出した。これは非侵襲高次脳機能描画と呼ばれるが、このことから、「脳科学と教育」という概念が単なる絵に描いた餅ではなくなってきた。
世界に先駆けた「脳科学と教育」は、公的研究プログラムとして着実な成果を生み出しつつある。しかし、その一方で、脳科学の客観的な知見からはほど遠い憶測や、誤解に基づいた意見が流布される現象も起きている。「教育・保育」への「単なる脳の用語」の持ち込みには十分な注意が必要である。多くの脳科学者も、動物実験の結果を安易に人間まで拡大解釈したり、あるいは、脳の形態的変化を、即座に機能的変化として憶測したりせぬよう自戒している。
「子どもとメディア」の研究についても、実証的な根拠に基づいた客観的な議論が必要である。
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1946年生まれ。1971年東京大学教養学部基礎科学科卒業
1976-1977年 米国カリフォルニア大学ローレンスバークレイ研究所 客員物理学者
国立環境科学研究所 監事、生存科学研究所 理事、中央教育審議会並びに原子力委員会専門委員、OECD・「学習科学と脳研究」国際諮問委員、日本赤ちゃん学会 副理事長他
現在の研究テーマは脳と精神活動の計測、環境関連物質の計測、脳科学と教育、総合科学の体系化
編著書に『脳図鑑21: 育つ・学ぶ・癒す』('01年・工作舎)、『環境計測の最先端』('98年・三田出版)他
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佐久市立中込小学校 松島 恒志
1. 自己紹介
社団法人 信濃教育会 教育研究所 研究員
佐久市立中込小学校 4学年 学年主任 学級担任
2. 子どもとインターネット その現状(レポート)
(1)いきいきメディアフォーラムでの生徒の反応から
(2)小学6年生を対象にしたアンケート調査から
(3)掲示板とチャットの仕組み
(4)掲示板体験の授業について
(5)チャット体験の授業について
(6)親子参加型の授業について
(7)子どもや親の感想から
3. 体験授業(インターネットを実際に体験して共に考える)
(1)掲示板体験
(1)閲覧方法の学習
(2)書き込み方法の学習
(3)グループ討論
(2)チャット体験
(1)参加の仕方(ログオン方法)
(2)実際の会話を体験
(3)グループ討論
(3)「インターネット・携帯電話の心得」に関する学習(松島より資料配付)
(1)一問一答型の意識調査
(2)答え合わせと全体討論
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茨城大学 教育学部卒。以来 小学校で教員、現在教師生活21年目(7校目)
平成16年 信濃教育会教育研究所(稲垣忠彦所長〔東大名誉教授〕)に入所
研究テーマ「コンピュータを実践にどういかすか」「コミュニケーション手段としてのコンピュータ活用のあり方」
(研究所は3年間研修 現在は2年目〔現職教諭と兼務〕)
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