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2 脅威の分類とシナリオの想定
(1)港湾域におけるテロの類型化
 港湾域におけるテロ対策を具体的に検討するに当たって、本委員会においては、「1 港湾域におけるテロの現状分析とその傾向」に示した過去の事例を踏まえて、我が国港湾域にある旅客船、危険物積載船その他の船舶、埠頭その他の港湾施設、多数集客施設、エネルギー関連施設その他の重要施設等を攻撃のターゲットとして、船舶を用いる等して海上から攻撃してくるものを検討の対象とし、いくつかの形態に分類して分析を行うこととし、次のとおり類型化した。
イ 運航支配型
(イ)港湾域において旅客船を占拠し、旅客を人質として何らかの要求を行うもの
(ロ)港湾域において危険物積載船等を占拠し、同船等の破壊及びそれに伴う航路その他港湾施設や沿岸施設への被害・損害を盾に何らかの要求を行うもの
ロ 船舶攻撃型(船艇による自爆攻撃)
(イ)港湾域にある危険物積載船等に対し、爆装した小型船等により自爆攻撃を行うもの
(ロ)港湾域にあるコンビナート、橋脚、公共施設等の沿岸施設に対し、危険物積載船等により自爆攻撃を行うもの
ハ 船舶攻撃型(不審物による攻撃)
(イ)港湾域にある旅客船、危険物積載船等に対し、隠密裏に乗船し、船内に爆発物を設置して爆破するもの
(ロ)手荷物、貨物、車両に爆発物を忍ばせ、船舶に搭載させた上で爆破するもの
(ハ)旅客船、危険物積載船等に潜水器具を用いて接近し、船底に爆発物を設置して爆破するもの
ニ その他
(イ)港湾域にあるエネルギー関連施設、多数集合施設等にテロリストが潜入して、破壊活動を行うもの
(ロ)コンテナ船等の貨物に核物質、生物兵器等を忍ばせ、入港中に時限爆弾とともに爆破し、これらの物質を散布するもの
(ハ)航路上に機雷を設置して航行船舶を爆破するもの
 
(2)船舶の運航状態別のテロ想定シナリオ
 次に(1)における類型化を念頭に、時間との関係で代表的なものに限られるが、港湾域における船舶の運航状態別にテロのシナリオを想定した。
 
船舶運行状態別テロ想定シナリオイメージ(例)
 


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