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e. 従属栄養細菌
 表II.2.2-8には、従属栄養細菌に対する処理効果を示し、図II.2.2-5(1)〜(6)には、各試験ケースにおける従属栄養細菌数の変化を示した。
 処理5日後の結果では、散気管で注入時のオゾン濃度3.5mg/、スリット部流速30m/secが検出限界以下で完全な殺滅効果を示した。また、同、40m/secのケースでもほぼ完全な殺滅効果を得ている。注入オゾン濃度が3.0mg/以下になると、処理直後では一旦極めて高い殺滅率を示すが、完全に殺滅するには至らず、処理5日後には再増殖する結果となった。また、この再増殖率は、ミキサーパイプを用いたケースの方が高くなっている。
 この結果は、オゾン注入方法としては散気管の方が優れていることと共に、水生生物量(有機物量)が多く水温が高い時期には、オゾン注入量が2.5mg/でも極めて高い殺滅効果が得られるが、全てのバクテリアを完全に殺滅するには、3.5mg/以上の注入オゾン量が必要であることを示している。
 
表II.2.2-8 従属栄養細菌に対する処理効果(CFU/100
試験ケース CFU/100
オゾン注入法 注入時のオゾン濃度 スリット部流速 未処理水 処理直後 処理5日後 IMO
排出基準
ミキサーパイプ 2.5mg/ 30m/sec 4,210,000 2,300 57,420,000 未設定
散気管 2.5mg/ 30m/sec 2,015,000 2,100 49,280,000
40m/sec 1,694,000 1,700 30,800,000
3.0mg/ 40m/sec 788,000 - 11,100
3.5mg/ 30m/sec 1,160,000 - ND
40m/sec 615,000 - 900
データは2回計測平均。“-”は実施していないことを示す。“ND”は検出されなかったことを表す。網掛けは、IMO排出基準達成を示す。
0.3mm幅のスリット板+衝突板が装着された基本システムによる。
 
 
図II.2.2-5(1) ミキサーパイプ使用、注入時オゾン濃度2.5mg/、スリット部流速30m/secによる従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.2-5(2) 散気管使用、注入時オゾン濃度2.5mg/、スリット部流速30m/secによる従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.2-5(3) 散気管使用、注入時オゾン濃度2.5mg/、スリット部流速40m/secによる従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.2-5(4) 散気管使用、注入時オゾン濃度3.0mg/、スリット部流速40m/secによる従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.2-5(5) 散気管使用、注入時オゾン濃度3.5mg/、スリット部流速30m/secによる従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.2-5(6) 散気管使用、注入時オゾン濃度3.5mg/、スリット部流速40m/secによる従属栄養細菌数の変化


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