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c. 従属栄養細菌
 表II.2.1-17には、従属栄養細菌に対する処理効果を示し、図II.2.1-9(1)〜(5)には、各試験ケースにおける従属栄養細菌数の変化を示した。
 IMO排出基準に従属栄養細菌に関する基準値は設定されていない。しかし、従属栄養細菌は、基準で規定されているバクテリアを含め、広く一般環境中に存在する従属栄養の細菌全てを指す。よって、従属栄養細菌を殺滅することは、IMO基準に設定されている細菌をも殺滅すると評価することができる。
 G8ガイドラインに規定されている処理5日後の状況を見ると、注入オゾン濃度2.0mg/では検出されているものの、注入オゾン濃度2.5mg/以上では、スリット部流速及びオゾンの注入位置に係わらず、全て検出限界以下となった。すなわち、オゾンを2.5mg/以上注入することによって、ほぼ完全に全ての細菌を殺滅することが確認された。
 
表II.2.1-17 従属栄養細菌に対する処理効果(CFU/100
試験ケース CFU/100
スリット部流速 注入時のオゾン濃度 オゾン注入位置 未処理水 処理直後 処理5日後 処理8日後 IMO排出基準
40m/sec 2.0mg/ スリット板の上流 252,000 ND 138,733 9,896,000 未設定
2.5mg/ スリット板の上流 165,000 ND ND 21,700
スリット板の下流 286,000 ND ND ND
3.0mg/ スリット板の上流 297,000 ND ND ND
30m/sec 2.5mg/ スリット板の上流 486,000 ND ND ND
データは2回平均。“ND”は検出されなかったことを表す。
 
図II.2.1-9(1) スリット部流速40m/sec、注入時オゾン濃度2.0mg/による従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.1-9(2) スリット部流速40m/sec、注入時オゾン濃度2.5mg/による従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.1-9(3) スリット部流速40m/sec、注入時オゾン濃度2.5mg/、オゾン注入位置がスリット板の下流による従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.1-9(4) スリット部流速40m/sec、注入時オゾン濃度3.0mg/による従属栄養細菌数の変化
 
図II.2.1-9(5) スリット部流速30m/sec、注入時オゾン濃度2.5mg/による従属栄養細菌数の変化


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