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 図3.6に、各観測地点の各時刻における観測値と計算値の相関図を示し、図3.7に表1.1の観測地点における観測値、これまでの推算手法、数値予報モデルを用いた推算手法の風向風速の時系列変化図を示す。
 苅田や宇部空港、八代などでは、これまでの推算手法では、風速の最大値は表現できていなかったが、数値予報モデルを用いた推算手法では表現することができていた。また、これまでの推算手法では台風通過前の強風を推算することは困難であったが、数値予報モデルによる推算手法では、周防灘では風速の最大値は台風通過前に推算されていた。
 風速の相関図では、これまでの推算手法は、風速が弱く回帰直線の傾きが小さくなっていたが、数値予報を用いた推算手法は、改善されていた。また、相関係数や平均二乗誤差は、これまでの推算手法はR=0.64,RMSE=6.07に対し、数値予報を用いた推算手法はR=0.85,RMSE=4.70と優れていた。
 以上から、海上風の推算精度は、これまでの推算手法より数値予報モデルを用いた推算手法の方が優れていると考える。
 
図3.6 風速相関図
(左:これまでの推算手法、右:数値予報モデルを用いた推算手法)
 
図3.7 各観測地点の風向風速
(OBS: 観測値、MAS: これまでの推算手法、
MM5: 数値予報モデルを用いた推算手法)
 
 
 
図3.7 各観測地点の風向風速
(OBS: 観測値、MAS: これまでの推算手法、
MM5: 数値予報モデルを用いた推算手法)
 
 


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