3. 高潮統合モデルの実施例
1999年9月に九州北部に上陸した台風18号を対象に高潮統合モデルの実施例を示した。実施例は、八代海に面する松合地区の浸水計算にいたるかくモデルの条件、結果などの整理例を示した。結果図表については用途により様々なレイアウトがあるが、ここでは、基本的なものについてサンプルを示した。
資料としては、以下の資料を収集する。
(1)気象データ
台風データ(経路データ)、天気図データ、気象データ
図3-1 台風経路図の例
(2)海象データ
潮位データ、波浪データ、海上風データを収集。地点図などにまとめる。
図3-2 実測値収集地点図(八代海周辺)の例
(3)被災状況等の資料
対象海域の浸水をはじめとした被災状況を把握するために、既往の文献や研究論文を収集
(4)台風関連の資料収集等
・(財)日本気象協会福岡本部:台風と災害(6)
・(財)日本気象協会福岡本部:梅雨と台風 2000年
・光永臣秀・平石哲也・宇都宮好博・三原正裕・大川郁夫・中川浩二(2003):台風9918号による周防灘での高潮高波被害の特性,土木学会論文集,No.726/II-62,pp.131-143.
・気象庁:気象庁技術報告 第122号(平成11年(1999年)台風第18号高潮災害調査報告)
・運輸省港湾技術研究所:港湾技研資料 No.971(台風9918号による高潮の現地調査と追算)
収集した資料は、表等にまとめる。
3.2.1 風・波浪推算の流れ
図3-2-1 波浪推算の流れ図
・天気図データベースの作成
対象とした擾乱について、気象庁作成のアジア太平洋天気図(1日4枚:3時、9時、15時、21時)の気圧から等圧線データを読み取りデジタル化しデータベースとする。
・海上風の推算
天気図データベースを入力とし、海上風の推算を行う。海上風の推算は、MM5による。
・波浪推算
海上風推算値を入力として、波浪推算をおこなった。用いた波浪推算モデルは、第3世代波浪推算モデルWAMを用いる。
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