サンプルページとして、レーダ画像とAIS情報を重畳させたWEBのページを図1.1-25に示す。AISを搭載した船舶の位置を丸印で示し、航行している船舶は丸印の中心から、進路、船速に応じたベクトルを描いた。この時間では、浦賀水道航路を南下している船舶や、木更津沖、京葉シーバース付近に錨泊している船舶がいることを確認できる。
図1.1-24 AIS船舶位置情報プロット図
図1.1-25 レーダ画像とAIS重畳表示
図1.1-25は、AISの情報のプロットの他、同時観測したレーダ画像を表示している。東京湾には、AIS搭載船舶以外にも多くの船舶が航行していることがわかる。
(5)課題
本年度は、WEB公開に向けたハードウェアの構築と通信ソフトの開発を進め、簡単なWEB公開用ページを作成することで、目標とするWEB公開の可能性を確認できた。
来年度は、次の項目について取り組む予定である。
(1)AIS情報の取り扱い
東扇島で受信したAIS情報はすべて保存され、WEBで公開することが可能となった。しかし、この中には、位置情報の他、船名、行き先などが含まれているため、これをそのまま公開することを制限する必要がある。船名までわかるページを作成しないことや、特別な情報を掲載したページのアクセスを制限することが必要となる。
(2)AISの不規則データの取り扱い
東扇島で観測したデータには、受信状況によって壊れた情報が入ってくることや、AIS搭載船が送信していた情報を全く受信できないこともある。ホームページで公開する場合、情報が届く、届かないにかかわらずプロットする方法もあるが、データが届かなかった場合、これまで受信したデータから計算し現在の状態を予測し、表示するページを作成する。
(3)閲覧者を意識したページの設計、コンテンツの充実
ホームページの作成について、アクセシビリティも含む内容と表示方法を考慮する。
(4)レーダ情報との融合
本年度行ったAIS情報とレーダ画像は重畳させただけだったが、レーダ画像の解析を行い、AIS情報と組み合わせることで、より詳細な海上交通流の解析が可能となる。また、その解析結果をホームページに公開できるようにする。
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