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(6)海底潜水調査結果報告 倉沢栄一・鈴木芳房・小林裕幸・小林誠
【目的および方法】
ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina)は流氷を回避し、岩場を上陸場、繁殖の場とする鰭脚類である。日本に生息するゼニガタアザラシが選択的に利用している岩場周辺の海中環境の知見がほとんど皆無であることから、2005年6月7日から13日の調査期間中、色丹島大島東岸、南岸(6月8日)、歯舞群島ハルカリモシリ島北岸2カ所(6月10日)、色丹島大崎3カ所(6月11日、12日)、計7回の潜水をし、ゼニガタアザラシの上陸場の周囲に広がる海中の観察および、ビデオカメラ、スチールカメラによる記録を試みた。
【結果】
●6月8日 色丹島大島
○潜水1
ゼニガタ砂浜上陸確認地点
北緯 43°45′36.6"
東経 146°47′54.6"
崖下に連なる砂利浜にゼニガタアザラシの上陸を確認。約200mの距離をおいて海中に入り、潜水してアザラシへの接近を試みた。親子が数組確認することができた(写真1)。海中は遠浅で、フラットな海底が広がっていた。透明度は2mほど。アイヌワカメ、スジメ、ナガコンブ、オニコンブなどのコンブ類(写真2)、ホンダワラ類(写真3)が海底一面を覆い尽くしていた。水中でも一度、アザラシの親子と遭遇したが、透明度が悪いために出合い頭で、突然目の前に現れた人間に慌てた様子であった。
写真1
写真2
写真3
波打ち際で、一組の親子と遭遇した。上陸していたものが人間の接近で海に逃げ込んだものだが、逃げ場を失ってしまったのか再び波打ち際に移動(写真4)。しかし間もなくして海中へと姿を消した。
写真4
○潜水2
北緯 43°45′31.7"
東経 146°47′32.2"
海が荒れていて、潜水する場所が無いため、波が穏やかな島の南側で潜水した。島の東岸と同様に岸から沖に向かって遠浅の海底が続いている。東岸よりも海藻は少ないような印象を受けた。むき出しになった岩の表面(写真5)には、エゾバフンウニ(写真6)、キンコ(写真7)が多数確認できた。
写真5
写真6
写真7
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