日本財団 図書館


 次に潮位が変化した場合の流れの変化を検討する。潮位が上昇した場合の計算を行ったものが図−2.3.55になる。H=0.25mの場合については流れに変化がなかったので、ここでは変化のあったH=0.5mの場合の結果を示す。潮位は40cm上昇させて計算を行った。
 
図−2.3.55 計算結果(H=0.5m,tide=+40cm)
 
 図より潮位を変化させた場合、H=0.5mでも図−2.3.52(a)と同様のバー内での循環となっていることが分かる。これは潮位が上昇したためにバーの影響が小さくなり、バーにて完全に砕波しなくなったため内部での循環となったと考えられる。
 またバーの存在する場合の流況が波向きに対してどのような反応を示すのかを検討した。ここでは波高0.75m、周期6.0sの波を波向き10°、20°、30°にて変化させて検討を行った。ここでは流況が大きく変化した10°、20°のケースの結果を図−2.3.56に示す。
 
図−2.3.56 波向きによる流れの変化
(a)α=10°
 
(b)α=20°
 
 この結果より、バーが存在する場合も波向きが20°となると、バーの切れ間では若干の沖向きの流れが存在しているものの、もはや離岸流は存在せず、沿岸流が蛇行するのみとなる。つまりバーが存在することで離岸流に対する波向きの影響は特には変化せず、約20°が発生限界となっている。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION