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(2)カスプ地形のみの場合
 まずバーの存在しない単純なカスプ地形上の計算を行う。図−2.3.46にはλ=200m、η=20mのカスプ地形上にH=75cm、T=6.0sの波を入射させて流れの計算を行った例を示している。また潮位は0.0mと-0.8mの2種類で計算を行った。図より潮位の変化がない場合ではカスプ地形内に汀線凸部での向岸流、汀線凹部での離岸流と明確な流れの循環が発生している。このときの離岸流速は約33cm/sである。一方潮位を80cm下げた場合ではほとんど流れは発生しておらず、流れは最大でも2cm/s程度である。また流れの循環も明確な形では発生していない。このように地形性の離岸流においては潮位の変化は流れに大きな影響を与え、場合によっては流れが消滅することが分かる。
 
図−2.3.46 潮位による流れの変化
(λ=20m, η=20m, H=75cm, T=6.0s)
(a)tide=0.0m
 
(b)tide=-0.8m


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